第67期 将棋名人戦七番勝負 の商品レビュー
ご存知毎日新聞の七番勝負観戦記をまとめた一冊。 羽生-郷田の七番勝負は熱戦が多くて、見応えがありましたね。 観戦記も面白かったです。ハードカバーもいいですね。
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2009年、羽生名人と挑戦者である郷田九段が戦った名人戦七局の記録である。結果は羽生名人が、4勝3敗で防衛に成功した。3勝3敗で迎えた第七局の観戦記を同じくプロ棋士である先崎八段が書いている。こんなことを感想文に書いても読んでいる人には分からないのだけれども、先崎八段は、羽生名人...
2009年、羽生名人と挑戦者である郷田九段が戦った名人戦七局の記録である。結果は羽生名人が、4勝3敗で防衛に成功した。3勝3敗で迎えた第七局の観戦記を同じくプロ棋士である先崎八段が書いている。こんなことを感想文に書いても読んでいる人には分からないのだけれども、先崎八段は、羽生名人が指した31手目の4六歩を激賞している。すごい手だと。この一手がこの一局の、ひいては名人戦全体の勝敗を分けた手であったと。将棋の場合、特に序盤から中盤にかけては、まだまだ指すべき選択肢が多いというか、その後の変化の場合の数が多すぎて、何が最善手なのかは、指した時点では分からないことが多い。人間とコンピューターが将棋の勝負をして、まだまだ人間の方が強いのは、この序盤から中盤にかけての、最善手が理屈では分かりにくい局面で差がつくことが主な理由である。上記の羽生名人の手は31手目、序盤から中盤に差しかかった局面と考えても良いだろう。後の感想で羽生名人も、この手に絶対的な成算があったわけではないと述べている。局面がどのような情勢なのかが、にわかには判断がつかず、それでも必死に考えて何かをやらなければならず、しかし、やったことが成功だったのか失敗だったのかは、結果が出てみないと分からない、ということなのであるが、でも、将棋もそうかもしれないけれども、人生もそういうことだよね、って思わず考えてしまった。
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