日本銀行は信用できるか の商品レビュー
本書は、現在リフレ派の総帥とも言われている岩田規久男氏によるものだが、その内容はわかりやすく説得力がある。 「日本銀行」の陣容や機能、他国の中央銀行との比較。その仕組みや金融政策の理論と実際。詳細な考察は、専門的ではあるが、とてもわかりやすい。 最終章の「日銀改革の進め」ま...
本書は、現在リフレ派の総帥とも言われている岩田規久男氏によるものだが、その内容はわかりやすく説得力がある。 「日本銀行」の陣容や機能、他国の中央銀行との比較。その仕組みや金融政策の理論と実際。詳細な考察は、専門的ではあるが、とてもわかりやすい。 最終章の「日銀改革の進め」までを読み終わると、まるで釘の頭をげんのうで叩き潰すかのような徹底した日銀批判の論理にスッキリした小気味よさを感じた。 本書を読むと、なぜ「日銀」は本書のような方針を採らないのかと思うが、日銀の人々も一流の経済専門家であるのだろうから、本書への反論も是非知りたいと思った。 とにかく、日本経済は「失われた20年」を更新中であるのだから、経済専門家は、責任問題はともかくとして、そこからの脱出策を指し示して欲しいものと痛感する。本書は、そのひとつとして高く評価できると思う。
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「東京大学法学部は嫌いだ」という結論の本でしょうか。諸外国の中央銀行幹部との学歴比較はよく聞きますが、ここまで著者が学部にこだわる理由がわかりません。。
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日本銀行のガバナンスの在り方、デフレを防止できなかった理由、そしてインフレ目標など金融政策における議論を新書版でまとめた作品。特に、重要なのはインフレ目標とガバナンス設計がつながっているということの確認であり、「独立性」の意味合いについてきちんと理解することが可能になる一冊である...
日本銀行のガバナンスの在り方、デフレを防止できなかった理由、そしてインフレ目標など金融政策における議論を新書版でまとめた作品。特に、重要なのはインフレ目標とガバナンス設計がつながっているということの確認であり、「独立性」の意味合いについてきちんと理解することが可能になる一冊である。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本銀行が日本経済に与えた影響や、日銀の取るべき方針について論じた本。 結論から言えば、日銀の問題点はプラザ合意以降、円高・デフレ容認(金融引き締め)の方針を採用したことに尽きる。そのため、内需が冷え込んで産業空洞化=地方経済衰退を招き、外需に依存する経済体制になり、「失われた10年」を迎えることになった。 では、なぜ日銀はこのようにデフレを恐れず、インフレを過度に恐れるようになったのか。著者はその原因を速水優総裁の発言に求める。曰く、昭和恐慌の際、高橋是清蔵相が日銀に国債を引き受けさせたため、戦後の国債処理の際にハイパーインフレを起こすことになった。 しかし、実際は1936年に高橋が今度はインフレに対処するため日銀引受をやめて軍事費削減を図ったところ、二・二六事件で青年将校に暗殺されました。そのため日銀引受が続き、戦後の物価統制令を布いても物価上昇が止まらずハイパーインフレが起こった。このように、ハイパーインフレの原因は日銀引受ではなく政府と軍部にあったのだ。 著者は日銀内部の問題にも言及している。総裁をはじめとした政策委員会には金融政策失敗による引責辞任はないし、そのメンバーの選考基準も「経済・金融の高い識見」を有するものとは必ずしも言えない。業界・学界の代表者が中心になっている。「日銀の独立性」を維持するために政府の方針に同調しないこともあるが、単なる「反対のための反対」になっていることも問題視されている。 そこで著者が呈示する改革案は ・責任を問われるインフレ目標設定 ・日銀の政策監視・評価を行う委員会の設置による金融政策の透明化・明確化 というシンプルなもの。データも多く提示されており、文章も読みやすいのでお勧めしたい。
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[ 内容 ] 日銀の責任を問い直す。 なぜデフレを怖れず、利上げを急ぐのか? もっとも信頼される学者が金融政策の病根に迫る。 [ 目次 ] 序章 日本銀行の金融政策は信頼できるか 第1章 どんな人が金融政策を決定しているのか 第2章 日銀の金融政策で大不況を脱出できるか 第3章...
[ 内容 ] 日銀の責任を問い直す。 なぜデフレを怖れず、利上げを急ぐのか? もっとも信頼される学者が金融政策の病根に迫る。 [ 目次 ] 序章 日本銀行の金融政策は信頼できるか 第1章 どんな人が金融政策を決定しているのか 第2章 日銀の金融政策で大不況を脱出できるか 第3章 責任逃れに使われる「日銀流理論」 第4章 平成デフレ不況をもたらした金融政策 第5章 日銀はなぜ利上げを急ぐのか 第6章 日銀に「インフレ目標」の錨を 第7章 日銀改革の勧め [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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狂乱物価の反省にとらわれ、インフレを徹底的に嫌う日銀の政策を批判 また、経済学をマスターしていない者が意思決定にかかわっている事実を欧米の中央銀行と比較して批判している
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日銀も官僚と同じく前例主義である実態がよくわかった。言われてみりゃ、経済学部出身者でなく法学部出身者が大半というのはおかしい。やっぱり責任は取らないけど大きな権利を持ってる組織はだめだなー。 デフレがなぜ悪いかも良くわかった。
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日銀に真の説明責任を求める。日本では国民が日銀をガバナンスする仕組みが存在しないことが問題である。デフレでは絶対に経済は回復しない。日本でも政府がインフレ目標を設定し、国民は日銀がこの目標を達成できるようガバナンスし、その政策を信用しなければ、適切なインフレも経済成長も実現できな...
日銀に真の説明責任を求める。日本では国民が日銀をガバナンスする仕組みが存在しないことが問題である。デフレでは絶対に経済は回復しない。日本でも政府がインフレ目標を設定し、国民は日銀がこの目標を達成できるようガバナンスし、その政策を信用しなければ、適切なインフレも経済成長も実現できない。という本。
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現在の日銀が抱える問題点を整理・列挙し、著者の意見としての解決策まできちんと示した本。非常に納得ますが、インフレターゲットについてはちょっと疑問が残りまる。それを除いても今読まれるべき本。
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大蔵省、財務省、日本銀行、みんな東大法学部出身者。 経済学部じゃダメ。法学部の前例主義が大切、官僚だから。 勉強したことが自慢じゃなくて、勉強しなくてもここまでえらくなったことが自慢。日本の未来も暗いね。
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