今泳いでいる海と帰るべき川 の商品レビュー
いい詩集だと思った。一篇の詩がショートショートのように物語性を帯びている。 受け入れることと拒絶することは全く違うようで紙一重なのかもしれない。詩中に登場する、切ない詩人の分身たちは「オーケー、いいだろう」と対象や世界を受け入れる。いや、正確に言うと受け入れるフリをしているのだと...
いい詩集だと思った。一篇の詩がショートショートのように物語性を帯びている。 受け入れることと拒絶することは全く違うようで紙一重なのかもしれない。詩中に登場する、切ない詩人の分身たちは「オーケー、いいだろう」と対象や世界を受け入れる。いや、正確に言うと受け入れるフリをしているのだと思う。それがより切なくもあり、孤独でもあり、何かに失望し拒んでいるように見えた。だからこそ面白い。
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大谷良太のこの散文詩集はすごく描写的だ。 洗練されたパロディのように感じる 初めから終わりが用意されていたことを、 そして終わりから再び始まることを、私は了解する。 何も起こらない、何も始まらないのではなく、 すでに何もかもが始まっている。 すべての些細なるものは溢れ出し、また...
大谷良太のこの散文詩集はすごく描写的だ。 洗練されたパロディのように感じる 初めから終わりが用意されていたことを、 そして終わりから再び始まることを、私は了解する。 何も起こらない、何も始まらないのではなく、 すでに何もかもが始まっている。 すべての些細なるものは溢れ出し、また流れ出す。 旅の果ては単純な終焉ではなかった。 私もまた流れ、数多の物語を紡ぐ。 再び流れ始めた川は、最早誰にも止められることはない。 海に向けた数多の別の物語が再開する。
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