フィールド古生物学 の商品レビュー
著者の専門がウミユリという何とも地味な生き物で、二枚貝と合わせて前半を占めているが進化史が意外と面白い。白亜紀中期までは浅海の無脊椎動物にとって捕食圧が低い平和な時代だったが、その後、魚やカニ、同じ貝を食べる動物が出現して一気に生物相も変化した。捕食圧に対するウミユリの進化も、分...
著者の専門がウミユリという何とも地味な生き物で、二枚貝と合わせて前半を占めているが進化史が意外と面白い。白亜紀中期までは浅海の無脊椎動物にとって捕食圧が低い平和な時代だったが、その後、魚やカニ、同じ貝を食べる動物が出現して一気に生物相も変化した。捕食圧に対するウミユリの進化も、分布や触手の分岐など非常に地味だが、化石記録と現生種を比較して推測して答えを探していくのは古生物学の醍醐味だ。棘皮動物の系統も詳しく分かっていて興味深い。後半は大量絶滅に対する概要だが、専門に扱った書物に譲ってもよい内容だった。
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「○○の新種発見!」みたいな派手なイメージとは全く違う、真の古生物学がここにある。表題は教科書っぽいがどちらかというとエッセイ風。
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