星雲・星団観察ガイドブック の商品レビュー
星雲・星団は、観望会では鬼門の天体です。 巷にはすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡などが撮影した美しくカラフルな天体写真があふれ、 望遠鏡を覗けばそういう風に見えると思っている方も多いです。 なんで、実際に望遠鏡で見た姿にがっかりしてしまう方も多いのです。 ですが、何百年前の光を自...
星雲・星団は、観望会では鬼門の天体です。 巷にはすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡などが撮影した美しくカラフルな天体写真があふれ、 望遠鏡を覗けばそういう風に見えると思っている方も多いです。 なんで、実際に望遠鏡で見た姿にがっかりしてしまう方も多いのです。 ですが、何百年前の光を自分の目で見ていることに感動してもらいたい。 そのためにはどうやって見えるのかを知っている必要があるのかもしれません。 この本は筆者が実際に見て描いたスケッチが載っています。 ただ、このように見るには訓練が必要でしょう。 また、空が暗いところで見る必要があります。 そういう意味では初心者向けではなく、あるていど観望会などで望遠鏡を覗き慣れた人向けの本と言えます。 とはいえ、実際にこう見える、という紹介をしている天体ガイドブックは少ないものです。 そういう意味ではオススメの一冊です。
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天体写真はフィルムやCCDに長時間、光を当てて撮影するので、目には見えない淡い光まで記録することができます。でも肉眼で観察する場合は、その瞬間の光しかとらえることができません。天体写真とはまるで違う見え方をします。 この本は著者の大野裕明さんが、自らの目で観察した星雲・星団...
天体写真はフィルムやCCDに長時間、光を当てて撮影するので、目には見えない淡い光まで記録することができます。でも肉眼で観察する場合は、その瞬間の光しかとらえることができません。天体写真とはまるで違う見え方をします。 この本は著者の大野裕明さんが、自らの目で観察した星雲・星団のスケッチで構成しています。天体写真に比べると頼りない見え方ですが、そこには何十何百光年の時空を超えて地球に届いた光をナマで感じる、眼視ならではの感動があります。 注意すべきは、現在より光害も少ない時代に好条件の空で観察したスケッチということ。今の都会の空で同じ口径の望遠鏡を向けても、とても同じようには見えません。それでも眼視派の人には天体の見え具合の参考として、眺めていて飽きません。 長らく絶版になっていましたが、2009年に「星雲・星団観察ガイドブック―いろいろな望遠鏡による見え方がわかる本」と改題して再版されました。内容もそのままなのですが、30年前の夜空と今の夜空は条件が違いすぎます。再版するなら何らかの配慮が欲しかったので、こちらは☆3つ。
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