果実 の商品レビュー
梶井基次郎の檸檬が読みたくなって探していたときに見つけた一冊。 コンピレーションアルバムみたいなものは好きではないのだが、これはなかなか良い。 梶井基次郎 太宰治 芥川龍之介 などの著名人が果実というモティーフを通して語るストーリーはどれも生き生きと、時になまめかしい。 果物は静...
梶井基次郎の檸檬が読みたくなって探していたときに見つけた一冊。 コンピレーションアルバムみたいなものは好きではないのだが、これはなかなか良い。 梶井基次郎 太宰治 芥川龍之介 などの著名人が果実というモティーフを通して語るストーリーはどれも生き生きと、時になまめかしい。 果物は静物でありながら、甘い香りや湿度を内在し、鮮やかな色彩ともに鼻腔から染み入る。 そうした時に心に呼び起される想いはそれぞれだが、しかしどの作家にとっても常に柔らかい部分に触れるようだ。 どれも短編なのであっという間に読み終わってしまうが、一つ一つ読んだ後に、もういちどその香りを思い浮かべながら思い返すと 一層鮮やかに感じると思う。
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芥川龍之介「蜜柑」 初めはいらいら最後は清々しくといった形で 主人公の「私」にすっかり感情移入。 宮本百合子「杏の若葉」 些細なことなのだけれど、互いの気持ちが通じ合ったときの 晴れやかな気持ちが再現されました。
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梶井基次郎「檸檬」、太宰治「桜桃」といった大ネタを中心に、宮本百合子、有島武郎(ほんとにこの文庫の編集の人有島武郎好きだね)、小山内薫、宮澤賢治、林芙美子、芥川龍之介の「果物」をテーマにした短編を集めてる。宮本百合子が意外に瑞々しくってよかったり、初めて読んだ「桜桃」が実にうまく...
梶井基次郎「檸檬」、太宰治「桜桃」といった大ネタを中心に、宮本百合子、有島武郎(ほんとにこの文庫の編集の人有島武郎好きだね)、小山内薫、宮澤賢治、林芙美子、芥川龍之介の「果物」をテーマにした短編を集めてる。宮本百合子が意外に瑞々しくってよかったり、初めて読んだ「桜桃」が実にうまく書けたひどい話だったりなかなか楽しめる。多分このシリーズ買って中身読んでる人なんてそんなにいないのかもしれないけど、日本の文学、なかなかエンターテイニングですぜ。
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