球界の野良犬 の商品レビュー
番長清原より年上の甲子園のヒーローは想像以上のワルだった。ヤクザ情報に詳しい週刊誌に死亡情報までまことしやかに流されただけの愛甲氏ならではの破天荒なお話にはグイグイ引き込まれます。
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この本をブックオフで見つけた時、ちょっと迷った。「吉田豪がラジオで勧めていたしなぁ、けどなあ・・・」、家には何冊も読んでない本があるし、ここ数年読書がダーク本に偏っているのでダーク本はちょっと控えようと も思っていた。 迷ったまま、おもむろに本を開くと、こんな記述が。 「 一...
この本をブックオフで見つけた時、ちょっと迷った。「吉田豪がラジオで勧めていたしなぁ、けどなあ・・・」、家には何冊も読んでない本があるし、ここ数年読書がダーク本に偏っているのでダーク本はちょっと控えようと も思っていた。 迷ったまま、おもむろに本を開くと、こんな記述が。 「 一番のワルだった初体験の女とは、学校の帰りにタバコの自動販売機を蹴飛ばし、小銭をとって帰る毎日。しばらくして別れてしまったが、彼女が俺の後につき合った男は、暴走族の集会で検問に出くわし、警察から逃げる際、フロントガラスを突き破って飛んできた石に頭をぶつけて死んでしまったという。その一件がきっかけかどうかわからないが、プロ入り2年目に鎌倉で出くわした彼女はシャブ中になっていた。」 あーもー買うしかない。迷いは消え、レジへ向かった。 この本は、ロッテ・中日で活躍した愛甲猛の自伝である。スポーツ選手の回顧録なら、さわやかな読み物になりそうだが、この本の読後感に、そんなものはさっぱり含まれない。よくこんな人が、プロ野球選手をやっていけたなぁ、とただただ呆れるばかりだ。 呆れた話をいくつか紹介すると、 甲子園での思い出話として、 「そういえば、甲子園には、横浜高校を辞めた友人や中学の同級生が大勢応援に来てくれた。 今でも忘れないが、ピンチになるとスタンドから純トロ(フクシマ注:シンナーの事)の入ったコーラ缶を差し出し、『おおい愛甲、これが足りねえんじゃねえか!』などと場違いな声援を送るバカがいた。」 甲子園で全国制覇し、優勝パレードの後は、 「優勝パレードの後、人疲れしてしまい、安西と遊びに出かけた。行った先はスナック。(中略)乾杯後、ほろ酔い気分になり、スナックに来ていた知り合いの社長のおごりで、堀ノ内のソープに行った。(中略) 安西と社長、3人で指名なしで入っており、お姉さんの年の頃は30歳ぐらい。好みではなかったがテクニックは良かった。“仕事”を終えると、ラストの時間帯ということもあり、店のお姉さん方が待合所に集まってきた。そうなると目移りしてしまう。『あの子を指名しておけばよかった!』と思ったがあとの祭りだ。」 音信不通だった友人Aの話は 「 それから音信不通だったが、2年後、後楽園球場から東京ドームへと姿を変えたブルペンに、ひょっこりとヤツが来た。(中略) Aは覚せい剤取締法違反で2年の実刑をくらっており、出所後シャブ中になってしまっていた。(中略) Aは不良体質が抜けないまま大人になってしまったのだろう。平成11年、どしゃぶりの雨の日に先輩のアパートの2階から落ち、コンクリートに頭をぶつけて帰らぬ人となってしまった。」 プロ野球選手の有名税の話では、 「 一方で、プロ野球選手相手だと思うとつけあがるヤツもいる。ワゴン車に乗っていたころ、狭い道ですれ違いざま女性の車と接触してしまった。四の五の言うのも面倒くさく、『すみません、修理代はお支払いいたしますので、連絡先を教えてください』と真摯に対応したところ、後日、夫が出てきてこう言った。 『修理代だけじゃ済まないでしょ、ねぇ愛甲さん』 金が取れると思ったのだろう。不良時代の経験からも、この手合いは下手に出ると逆効果だ。ゴルフに行くため急いでいたので、暴力団組員の友人に“一喝”してもらった。」 プロ野球選手の回顧録ではなく、幻冬舎アウトロー文庫の世界だ。しかし、なんでもあけすけに語る愛甲の文章に元ヤンの武勇伝自慢を聞かされている様な感じはしないし、俺が引用した箇所はアウトロー話だが、野球選手として努力した話や、稲尾、金田、落合といった大選手のエピソードも面白い。ただ綺麗事ばかりを書くのではなく、悪い話も書きながらも、嫌みがない。潔い。愛甲は俺にとって過去の人であったが、この本を機に変わった。こんな本を書く人だから、表舞台での活躍は難しいかもしれないが、ひっそりと出版されるであろう愛甲の著作をまだまだ読みたい。
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単なる自伝以上の価値があります。個人的には大麻と野球賭博の話が印象に残りました。痛快(大麻)で知的好奇心(昨今流行りの野球賭博)が刺激されます。 野球がわからない人でも80~90年代の球界の雰囲気が掴めるのでオススメです。
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ルーキーズは平成の不良とするとこれは昭和のワルの本。あやしさ満載であると同時にプロレスに通じる得体のしれない感はプロスポーツ選手にはあってもいい。アスリートのさわやかさとは違うプロ選手の魅力。
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★どんだけ運動神経が良かったんだ★これも立ち読み。煙草にアンパンを高校以前から繰り返しても、甲子園で優勝投手となる。もちろんすさまじい練習をしたのだろうが、桁違いのセンスなのだろう。ドーピングの告白にも驚いた。チームとしては使いにくい選手だろうが、ファンとしては破天荒な選手はたま...
★どんだけ運動神経が良かったんだ★これも立ち読み。煙草にアンパンを高校以前から繰り返しても、甲子園で優勝投手となる。もちろんすさまじい練習をしたのだろうが、桁違いのセンスなのだろう。ドーピングの告白にも驚いた。チームとしては使いにくい選手だろうが、ファンとしては破天荒な選手はたまらない。まさに「ロッテ」が似合う選手だった。
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