あの電車を救え! の商品レビュー
岩手・宮城内陸地震で犠牲となった「岸由一郎」について書いた本。 交通博物館の学芸員として、資料の収集・研究にあたる傍ら、プライベートでも全国の廃線となった鉄道を巡り、自治体や博物館と交渉して、鉄道車両の保存に努めた。 そんな彼の親友である笹田昌宏さんが書く岸さんの姿に敬服しない...
岩手・宮城内陸地震で犠牲となった「岸由一郎」について書いた本。 交通博物館の学芸員として、資料の収集・研究にあたる傍ら、プライベートでも全国の廃線となった鉄道を巡り、自治体や博物館と交渉して、鉄道車両の保存に努めた。 そんな彼の親友である笹田昌宏さんが書く岸さんの姿に敬服しない人はいない。 岸さんがどれだけの人に愛され、どれだけ情熱をもって仕事をしていたか伝わる。 自分の仕事への姿勢などを振り返り、背筋がピンと正されると同時に、地震の惨さを感じることが出来る1冊である。
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宮城の地震で生き埋めになっているという速報を聞いて、本当に驚き、なんとしても生きて帰ってきてくれることを祈ったが届かなかった。あのショックはこれからも消えることはないだろう。岸君は私の大学時代の同級生であり、仲の良かった友人。 その後、ご自宅へお焼香にお伺いしたとき、ご両親の気丈...
宮城の地震で生き埋めになっているという速報を聞いて、本当に驚き、なんとしても生きて帰ってきてくれることを祈ったが届かなかった。あのショックはこれからも消えることはないだろう。岸君は私の大学時代の同級生であり、仲の良かった友人。 その後、ご自宅へお焼香にお伺いしたとき、ご両親の気丈な様子にますます心が痛んだ。求められるべき人が亡くなり、自分のような者が生きているという事実。生きることの意味を考えさせられた。 この書に描かれる岸君は、まさしく岸君らしく生き生きと活動している。まだまだ活躍してほしかったが、それはもう叶わない。せめても、こうして地道に熱く活動していた鉄の意志を持った人がいたことを記憶に刻む一冊。
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