不逞老人 の商品レビュー
すでに『期待と回想』で知っていたとしても、それでもなお「書く」ではなく「口述する」鶴見俊輔のその言葉はあたたかく力強いと、その強度に唸らされる。まだこの鶴見と黒川創について深く知ったとは言いがたいので、この本の真価を汲み取れたとも思えない。だが、トラウマ的な幼少期(いまなら「毒親...
すでに『期待と回想』で知っていたとしても、それでもなお「書く」ではなく「口述する」鶴見俊輔のその言葉はあたたかく力強いと、その強度に唸らされる。まだこの鶴見と黒川創について深く知ったとは言いがたいので、この本の真価を汲み取れたとも思えない。だが、トラウマ的な幼少期(いまなら「毒親育ち」だろうか)を経て不良になったと自負し、それが「ぶりっ子」「鼻持ちならない」的な悪臭を漂わせないのもこの思想家の稀有な魅力なのだろうなとも思う。黒川創はまさにそうした「稀有な魅力」を引き出しうるインタビュアーだったのだろう、と
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