大腸癌治療ガイドライン 医師用(2009年版) の商品レビュー
昨年(2009年)に発行された、大腸癌治療ガイドラインの改訂版です。現時点(2010年4月)では、最新版と言うことになります。 インターネット上でも公開されていますので、特に本書を購入しなくとも内容を閲覧する事は可能です。紙に印刷された物が欲しい人にはいいかもしれません。 大腸...
昨年(2009年)に発行された、大腸癌治療ガイドラインの改訂版です。現時点(2010年4月)では、最新版と言うことになります。 インターネット上でも公開されていますので、特に本書を購入しなくとも内容を閲覧する事は可能です。紙に印刷された物が欲しい人にはいいかもしれません。 大腸癌研究会(http://www.jsccr.jp/index.html) 日本医療機能評価機構医療情報サービス(Minds)(http://minds.jcqhc.or.jp/) 日本癌治療学会(http://jsco.umin.ac.jp/index-j.html) 国立がんセンターがん対策情報センター(http://www.ncc.go.jp/jp/cis/index.html) こういったガイドラインが無償で入手できるようになったので、良い時代になったものだとは思うのですが、もっと欲を言えば、こういったガイドラインを網羅したサイトか、ガイドラインを公開したサイトへのリンク集が欲しいところです。 Mindsはよく頑張っているとは思うものの、網羅的ではないので、いまひとつ使いにくい感じがあります。 まず、総論の部分を読んでみて目に付いたのが、「日本の医療保険制度や診療現場の実情にも配慮した」とある部分です。 以前の版(2005年)でも、配慮はされていたのだろうと思いますが、はっきりとは書いていませんでした。 現在の日本では保険適応が無い治療は、事実上、行えないのですが、そのあたりの事情を無視して保険適応がない治療を推奨してくるガイドラインも、世の中にはあるので、気が抜けません。 次に各論ですが、2005年版では、治療方針をフローチャート図にした「I.治療方針」と、それの解説である「II.治療法の種類と治療方針の解説」の2つの項目からなっていましたが、2009年版では、それらが1つの項目にまとめられました。 そして、「II.治療法の種類と治療方針の解説」に含まれていた統計資料は、書籍の最後のほうに別項目として独立しました。 また、2009年版では、新しく追加された項目として、Clinical questionと言うのがあります。 これは、全項目のなかから議論の余地のある課題をClinical question(CQ)として取り上げ、推奨文を記載したものだそうです。 とりあえず、一通り読んでみたのですが、2005年版と比べて内容が充実してきたなと言う感じでした。 改定のたびに、内容が増えていくと、そのうち、数百ページの読むだけでも大変と言うようなガイドラインが出てくる時代が来るのだろうか、、
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