藤森照信 21世紀建築魂 の商品レビュー
建築や何かをつくることは、物事のパフォーマンスをつくり出すということです。何も関係なかったモノ同士にパフォーマンスを発生させる。そしてその都度、それをどこまで広げていくことができるのかを考えています。
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毎度のことながら藤森理論は私の死角を突いてくる。様式美の「物的世界」から数学の「概念世界」へ移行したというのも、憑き物がストンと落ちた感覚だった。あまりにしっくりき過ぎて逆に怖い。 ただ、本書内の「白派」理論について、概念世界で漸近線のように極小建築を極めるというくだり。建築関係...
毎度のことながら藤森理論は私の死角を突いてくる。様式美の「物的世界」から数学の「概念世界」へ移行したというのも、憑き物がストンと落ちた感覚だった。あまりにしっくりき過ぎて逆に怖い。 ただ、本書内の「白派」理論について、概念世界で漸近線のように極小建築を極めるというくだり。建築関係の人は何となく理解できると思うが、ハタから見たらどうなんだろう。無駄に細かい部分にこだわることを正当化しているように見えなくもない。
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伊東豊雄、山本理顕、藤森照信の三人が、今、建築が直面している問題を捉え、建築の読み解き方と可能性を探るシリーズ「建築のちから」第一巻。伊東氏は、時代に合わなくなったル・コルビュジェの純粋幾何学に変わる新しい幾何学の構築を、山本氏は、空間の力によって社会を動かす新しいモデルの提案...
伊東豊雄、山本理顕、藤森照信の三人が、今、建築が直面している問題を捉え、建築の読み解き方と可能性を探るシリーズ「建築のちから」第一巻。伊東氏は、時代に合わなくなったル・コルビュジェの純粋幾何学に変わる新しい幾何学の構築を、山本氏は、空間の力によって社会を動かす新しいモデルの提案を、それぞれ別の巻でまとめる。第一巻は藤森氏が6人の建築家に対してインタビューを行って建築の読み解き方と可能性をあぶりだそうとしています。 興味深かったのは、環境に対する建築の可能性を、焼き物の登り窯をヒントに、地球のエネルギーとの呼応することを意識することで見出そうとする視点です。そのほかいろいろと読み解き方のキーワードが示され、自分ならどう考えるかと、しばし読み進めるのをやめて空想したりもしました。 今回、空想のなかで浮かんだキーワードは「斜面と身体性」「セルフビルド」「地球のエネルギー・水の建材化」「ライフスタイルと建築の幸せな出会い」「都市のカケラとパタンランゲージ」などです。 21世紀の建築は、単純幾何学やコンセプト、そしてアールヌーボー的な装飾などを建築のよりどころとはせずに、キーワードにあるような、もっと感覚部分の発想を本能的に求めていくような気がします。その感覚を建築に落としこむ編集のセンスや魂こそが、次に出てくる建築家に備わっている資質である。と、この本を通じて伝えたいのではないかと感じました。
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藤森さんが「生命に始まり、数学に行きついた」と表現する20世紀建築。その後の21世紀建築を担っていく若手建築家との対談。 6組の建築家たちがそれぞれどのように建築を考えているかがわかる本。その若い世代たちに対して、もう少し上の方から時代を眺めている伊東×山本×藤森の対談も面白い...
藤森さんが「生命に始まり、数学に行きついた」と表現する20世紀建築。その後の21世紀建築を担っていく若手建築家との対談。 6組の建築家たちがそれぞれどのように建築を考えているかがわかる本。その若い世代たちに対して、もう少し上の方から時代を眺めている伊東×山本×藤森の対談も面白い。 図面・写真 ○スウェー・ハウス/アトリエ・ワン ○菅野美術館/阿部仁史 ○光の矩形/五十嵐淳 ○蟻鱒鳶ル/岡啓輔 ○Base Valley/三分一博志 ○屋根の家/手塚貴晴+手塚由比 対談 ◎アトリエ・ワン 日本の都市の秩序感はその隙間、間のコミュニケーションで成り立っている。街中にある建物をベースにして1/1のスタディ模型として観察し、自分の建築でアウトプットするという建築感があまりにも新鮮。 ○阿部仁史 皮膚感覚ではなく、手足の運動のような身体性に興味がある。それを喚起するのが斜面で、そうやって菅野美術館ができている。 ○五十嵐淳 大工の家に育ったからか、設計と構造のイメージやディテールや素材の決定が完全に同時進行というのがすごい。 究極に心地よい温室度状態をどうつくるか?壁厚を極端に厚くしたり、、、この世の天国状態を目指す。 ○岡啓輔 型枠工や鉄筋工などなど大工仕事をひととおりこなしたり、自転車で日本中の建築を見て回ったりしたあと、セルフビルドで自邸を建てている。そのパワーと情熱と、純粋な建築感がとてもすごい。 ◎三分一博志 登り釜からみつけた、理想の建築のイメージ。地球のディテールという考え方。こんなに真摯に地球と向き合っている建築家はたぶん他にいないと思う。エコとか、共存とか、上っ面の取り組みではなく、本当に地球にちゃんと建築を存在させようとしている。 ”自然エネルギーを利用し、生物と地球上のさまざまな物質の循環の中に知的な形で存在してこそ、建築と言えるのではないか” 「循環の中に」が、ミソなんだろうな。 ○手塚貴晴+手塚由比 アメリカで学んで、イギリスで働いてから日本で建築家になった。イギリスでの生活が、彼らの建築感に大きな影響を与えている。本当の生活の豊かさというものをイギリスから学んだ。イギリスでは豊かな社会的資産があって、お金がなくても生活が豊か。そんなふうに、日本を捉えたことなかった。なるほど。彼らの理想が、ちょっとわかった気がした。 ○伊東豊雄×山本理顕×藤森照信 藤森さんはゼロ点を目指す漸近線の中に、日本の現代建築の最先端、妹島や石上がいると最近いつもいっている。伊東さんは、すでにその動きは別の方向にシフトしていると言う。漸近線の最先端は妹島さんで、行き着くところまでいってしまったと。
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最近のトレンドを掘り下げていった1冊。 藤森さんの独自の言語が使われており、 若干わかりづらい。 現在活躍している建築家がどのように分類でき、 それぞれどのような思想を持っているか。 さらに、具体的に6人との対談によって、 彼らの思考を探る。
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