函館水上警察 の商品レビュー
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明治期の函館港を舞台にした、警察小説。 明治期+警察モノということで、佐々木譲的な小説を想像していたが、読みだしてみると、確かにそういう雰囲気もあるものの、なんというか…海上冒険もの的な雰囲気もあり、独特の世界観。 ラッコ密漁や、海軍の表敬訪問など、この小説を読んで初めて知る明治期北海道事情の面白さ、また主人公の五条警部のカッコよさもあいまって、静かにはまっていた。もう少し文章リズムに早く乗りきれたらよかったのに…。静と動の変調がつかみきれずちょっと残念だった。 シリーズものになっているようだが、続編おいかけるかどうかは、留保。
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五条警部、怖い女に恨まれたな。函館に移住を決めた人の様々な人生模様が垣間見られて面白かった。時代物のハードボイルド警察小説というより、当時の函館の風俗風物を描いた小説という感じ。文体はちょっと硬い。
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殆ど挫折本だった、残念。 五条さんとかは好きだったんだけどなあ。 藤緒さんも。 ただ他の人がイマイチ頭ん中で動いてくれなくて、 ちょっと入り込み失敗。 私にはちょっと文章が硬かった。 あと、多分時代がちょっと中途半端、とゆーか。 正直ラッコ密漁とかいわれてもピンとこないし、 北海道行ったことないし、想像力がついていかなかった。 サーベルとかかっこいいし、多分ドラマとかだったら観るな。 作品がおもしろくない、とゆーのではなく、 ひとへに私の読解力不足、とゆーやつです。 最後の森さんの軍医話も、もう全然ダメだった。 ま、こーゆーのは相性もあるしね。
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本書は、『このミス』で第2位に投票した作品。創元推理文庫で高城高全集全4巻が復活したのは昨年のことだが、それをきっかけにしてだろう、この人が改めて新作を書くことになった。高城高全集では、釧路や仙台でのブンヤ時代の経験に基づくハードボイルドがメインだったのだが、何と高城高の生地は...
本書は、『このミス』で第2位に投票した作品。創元推理文庫で高城高全集全4巻が復活したのは昨年のことだが、それをきっかけにしてだろう、この人が改めて新作を書くことになった。高城高全集では、釧路や仙台でのブンヤ時代の経験に基づくハードボイルドがメインだったのだが、何と高城高の生地は、函館だったのだそうで。 函館といえば、昨年の今頃は、毎週のように通っていた、ぼくにとっても思い入れたっぷりの忘れられない町である。ましてや父親の育った町でもある。 その町が、まだ維新後間もない北海道開拓の時代、世界の海洋地図を塗り替える中心として活き活きとしていた、そんな時代が、この小説の背景である。帆をかけた外国船が湾に幾隻も係留し、町には欧米の文化が入り込んでいた。北海道の入口であったその当時の函館特有ならではの、ここで取り上げられる事件の数々は、実際に文献を紐解くと現実にあったらしきものばかりであるそうだ。 そうした古い資料と睨めっこの末に出来上がった、とても並ではない作品が、一旦筆を折った巨匠が半世紀の後に作り上げた新作だというのだから、驚き! このように作品を大切に書き上げる作家が、日本にどれだけいるだろうかと想像しただけで、その貴重さがわかる。 伝わるのは、その時代の函館の息吹である。今もあるエキゾチックでレトロな建築物の数々は今も函館の坂の上に残るものばかりであり、そうした現代に繋がる少し前の昔を描くだけで、現代には失われて久しい人間の活力のようなものが、まざまざと甦る。作家の筆力というのは凄まじい。 ラッコの密猟者やロシアから逃げてきた海洋民族たちという話も凄いけれど、犯罪を取り締まる水上警察の我らがヒーローも、アメリカ西部で放浪の果ての用心棒をしてきたり、と凄まじくハードボイルドな設定である。今にない世界レベルの都会としての、函館の姿が、別な意味での魅力を持って匂い立つような気品を届けてくれる一冊である。
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明治の初めに短期間存在したと言う「函館水上警察」の事件簿。函館の街の警備をする函館警察とは別組織として港湾内での犯罪を専門に警備・捜査する函館水上警察。捜査対象者となるのは海外の船の水兵や密漁船の乗組員。警察署・税務署と連携しての物語。古い函館市街の様子の描写がいい。
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(収録作品)密猟船アークテック号/水兵の純情/巴港兎会始末/スクーネル船上の決闘/坂の上の対話─又は「後北游日乗」補遺
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時代描写が詳細で街の風景画よく伝わる。 事件が起こり水上警察に勤める主人公が解決するが・・・ ん?これで終わり? という感じで 犯人は捕まったが結局このあとどうなったかがわからず続きを知りたい気持ちだけが残った それとも私の勘違いで舞台が警察なのでミス・サス本かと思っていたが違う...
時代描写が詳細で街の風景画よく伝わる。 事件が起こり水上警察に勤める主人公が解決するが・・・ ん?これで終わり? という感じで 犯人は捕まったが結局このあとどうなったかがわからず続きを知りたい気持ちだけが残った それとも私の勘違いで舞台が警察なのでミス・サス本かと思っていたが違うのかな 最後の短編は設定がJINと似てました
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