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十五歳 の商品レビュー

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2012/03/02

稀代のエンターテイナー。みうらじゅん先生が青春の真っ只中で『自分とは何か』と言うものに真正面から格闘している『魂の記録』です。本人はDS(どーかしちゃってる)と茶化していますがこれは立派な文学です。 何処からこれを書くバイタリティーがくるんだろう。僕はこの本を読みながらそんな...

稀代のエンターテイナー。みうらじゅん先生が青春の真っ只中で『自分とは何か』と言うものに真正面から格闘している『魂の記録』です。本人はDS(どーかしちゃってる)と茶化していますがこれは立派な文学です。 何処からこれを書くバイタリティーがくるんだろう。僕はこの本を読みながらそんなことを考えてしまいました。この本はみうらじゅん先生が14歳から16歳までに書き溜めに書き溜めたDS(どーかしちゃってる)と言われる散文や詩の数々を一冊にまとめたものです。もし、みうらじゅん先生が山田かまちのように十代で夭逝してしまったとしたら、これは確実にみずみずしい『文学』として教科書にもここに綴られている詩の一編は採択されていたのかも知れませんが、現実は私達の知るとおりみうら先生は思うがままの人生を送っている大人として僕らの前に君臨しているのであります。 そんな彼がなぜ、読むにすれば恥ずかしいことこの上ない思春期のじぶんを公開するにいたったのか?それにはさまざまな理由があったのかも知れませんが、みうら先生の貴重な「チャレンジ」の記録がこうして江湖に出版されたからこそ、某夜回り先生ではありませんが『いいんだよ』と肩を抱いてくれているような気がしてならないのです。それにしても、この膨大な作品群を生み出し、その中に女性に関する詩や散文が少なくないのですが、少なくともみうら先生が十代から女性に持てていたとしたら、ここまでのエネルギーを原稿用紙に向けることはなかったのではなかろうかと思っています。 みうら先生はこれを『自分塾』と違う本でおっしゃっていたことを思い出しました。みうら先生のおっしゃる『自分塾』の奇跡が現在に至るまで自分自身を救ってくれていると言うことに若干嫉妬をしながらも、それをしている真っ最中にはなんら役にはたたなかったと思われることが、僕自身にとっても『癒し』となっていることに、みうら先生が稀代のエンターテイナーであると言うことを改めて思ったしだいでございました。

Posted byブクログ