7 days wonder の商品レビュー
緑川聖司さんの「三月の新入生」を目当てに購入。 「開かずの間」にしたのは、その部屋の中に何か秘密が隠されているわけではなく……というところが、さすがに秀逸。 また、幽霊話を広めた理由も、いけている。
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「なんかわけわかんねえけど、調子こいてんじゃねえよ。こっちはせっかくの休みなんだよ。組合の保養施設だけど。あかずの間だけど。一泊二食付き六千円で、二食ともメインディッシュは干物だけど。でも、うちにとっちゃ一大イベントなんだよ。みんな楽しみにしてんだよ。なのにめちゃくちゃにした上、...
「なんかわけわかんねえけど、調子こいてんじゃねえよ。こっちはせっかくの休みなんだよ。組合の保養施設だけど。あかずの間だけど。一泊二食付き六千円で、二食ともメインディッシュは干物だけど。でも、うちにとっちゃ一大イベントなんだよ。みんな楽しみにしてんだよ。なのにめちゃくちゃにした上、弟まで誘拐しやがって。政治家だかなんだか知らねえけど、家族旅行をなめんじゃねえぞ」
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“「あ……そうだ。もう一つ、おうかがいしたいことがありました」 「ええ、いいわよ。どうぞ」 「ぼくの部屋のとなりには、どんな人が住んでいるんでしょうか?」 「ええっ?あ、あの、それは……」 ごくふつうの質問だと思ったのだが、なぜか絹江さんは顔をこわばらせ、絶句してしまう。 しばら...
“「あ……そうだ。もう一つ、おうかがいしたいことがありました」 「ええ、いいわよ。どうぞ」 「ぼくの部屋のとなりには、どんな人が住んでいるんでしょうか?」 「ええっ?あ、あの、それは……」 ごくふつうの質問だと思ったのだが、なぜか絹江さんは顔をこわばらせ、絶句してしまう。 しばらくしてから、 「ええと……あなたがきいているのは、四○四号室のことよね?」 「はい。そうです」 「あそこは……実は、空き部屋なの」 「はあ?空いている……?」 ぼくは首をかしげた。 「それは変ですねえ。母が学校に問い合わせた時、この寮の空き部屋は一つだけだといわれたそうです。四○四と五が空いていたのなら、二部屋になるじゃありませんか」 「いや、だ、だから、それは……」 軽く問いを重ねただけなのに、絹江さんは激しくうろたえ、くちびるがわなわなとふるえ出した。 「あの、すみませんでした。ただちょっと、気になったものですから」 わけもわからないまま、ぼくはその場を取りつくろい、台所をあとにした。 そして、食堂から廊下へ出ようとした時、 「あ、あの……き、木村君」 絹江さんに呼び止められる。 ふり返ると、彼女はおびえたような目でぼくを見ていた。 「はい。何でしょう?」 「大した質問じゃないんだけど……もしかして、木村君て、霊感が強いほうなのかしら?」” 谷原秋桜子 「聖母の拳底突き」 野村美月 「桃園のいばら姫」 緑川聖司 「三月の新入生」 加藤実秋 「マジカル・ファミリー・ツアー」 舞台は“紅桃寮”、“404号室が「開かずの間」”、そして、“7日間限定”。 この3つのキーワードを使った四人の作家の短編集。 谷原さんのは最初はホラーかと思ったけど、そうではなくて結末も良かった。 緑川さんのも結構良かった。最後の部分が好きすぎる。 加藤さんの、“寮=学校”という概念に囚われない舞台設定が良かった。 一番裏をかかれたのが野村さん。 展開がすごすぎた。 どれも、良かったな。 “わたしはノエルに会うためだけに、紅桃寮へ来たのだ。だから掲示板で悪口を言われるぐらい、なんともない。 ノエルを知る前のわたしは、女の子のルールを破るなんて絶対にしなかった。みんなに合わせて、はしゃいだり、沈黙したり――危ういバランスをとりながら、マシュマロみたいにぼんやりした幸福を味わってきた。 けど。きっとそれじゃ、ノエルの心はつかめないんだ――。 そうだ、ルールを破るのなんか平気だ。 わたしは、明日、桃園へゆこうと決めた。 そこにノエルがいるはずだから。”
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舞台は「紅桃寮」。404号室は開かずの間。物語の期間は1週間限定。という同じテーマに4人の作家が挑んだミステリー。同じ「紅桃寮」という名前の寮が舞台でも、男子校あり、女子校あり、保養施設ありと、それぞれ個性が発揮されていて面白かったです。個人的には緑川聖司さんの「三月の新入生」が...
舞台は「紅桃寮」。404号室は開かずの間。物語の期間は1週間限定。という同じテーマに4人の作家が挑んだミステリー。同じ「紅桃寮」という名前の寮が舞台でも、男子校あり、女子校あり、保養施設ありと、それぞれ個性が発揮されていて面白かったです。個人的には緑川聖司さんの「三月の新入生」が一番楽しめました。(なんとなく主人公の境遇などから「ここはグリーン・ウッド」を連想してしまいましたが・・・)ただ、一応この本ミステリーと謳っているのですが、4作ともいささか謎が弱いかなあ、という気もしました。
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「舞台:紅桃寮」「404号が『開かずの間』」「7日間限定」が共通設定のアンソロジー。 緑川さんのが一番おもろかったかな〜。
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あまりのつまらなさに、辟易・・・ 読みきったってのがスゴイかも。 《2009年7月22日 読了》
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