オランダ靴の謎 新版 の商品レビュー

エラリー・クイーン(著者),井上勇(著者)

2011/05/07

本書は古典本格派と言える著名ミステリーであり、
解決編の前に、読者への挑戦状として、
フーダニット（犯人当て）を問うページが挿入されている。
私もそれなりにミステリーは読んできたつもりで、
一応、簡単に予想はしていたが、答えは予想外で驚いた。

しかし、明かされたエラリー（探偵）の推理は、
奇をてらった発想ではなく、物的証拠と状況証拠から、
順序を立てて合理的に考えた答えであり、
同じように思考すれば、犯人は予想外ではなく、
読者も等しく辿り着けるものだったので、二重に驚いた。
（前書き・中書きでも、辿り着けると書かれてはいるのだが、
想像以上に、論証がフェアだったので、より感嘆した）

古典だろうが読むと発見があり奥深く、
真相に辿り着ければ、知的快感は高潮し、
騙されても、合理的に証明してくれるこそ面白いと感じさせてくれる、
ミステリーの面白さが詰まった作品。

2011/01/22

まだ海外の本格には慣れていない。

エジプト十字架やギリシャ棺の方が好み。
解説で言及してあったが、副業時代最後の作品でこれ以後は商業を意識したために事件が派手にいったわけか。

確かに事件そのものに面白みがある方が好きです。

ホワイダニットに一番驚いてしまったorz

2010/11/30

十数年ぶりに再読した！すっかり内容を忘れていたので、再読なのに初見のような瑞々しさ。
エラリーの論理的推理に脱帽。とても素人の私にはあの推理は無理です・・・。

2011/11/18

エラリー・クイーン・シリーズ

　百万長者アビゲール・ドルーン夫人殺害事件。手術前に絞殺された被害者。容疑者であるジャニーはアリバイを主張するが証人の正体を明かさない。ジャニーのアリバイ証人スワンソンの登場。同時刻に起こったジャニー殺害事件。靴紐の修理に使われた絆創膏の謎。ジャニーに化けた犯人が残した手術着に隠された秘密。

　２００９年１２月２２日購入

　２００９年１２月３０日読了

2011/04/01

国名シリーズ第二弾。病院の手術台に乗せられた百万長者の老婦人が殺された。犯人が使用したと思われる着衣と靴を手がかりに推理を展開するエラリーだったが、彼の明敏な頭脳を以てしても第二の殺人を防ぐことはできなかった！

これでもかと言わんばかりのフェアプレイ。動機面が弱いとか犯行状況の必然性に欠けるとか、そんな不満はこのフェアスピリットの前であまりにも些事。上質なミステリって、寧ろこれらの点を敢えて削いでいるからこそ洗練されていて、傑作足りうるんだろう
読者への挑戦を置くタイミングは、もう少し後でもよかった気がするけど、トリックも伏線の回収も素晴らしい！　エラリーの御託は相変わらず多いですが、国内シリーズの中では一番の傑作ではないでしょうか