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トム・ジョウンズ(1) の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2022/02/22
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ソファイアのことを好きでいるのに、ウォーターズ夫人らとの関係は続けてしまうトムが特徴的な作品だが、これは当時、けしからん小説だとして批判され、良家の娘が読むべきではない小説だとされていた。世界10大文学作品の一つ。古代ローマの詩人ホラティウスによるラテン語の引用が頻繁に出てくる。

Posted byブクログ

2020/07/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

旧字旧仮名遣いはちょいと厳しいけれど、これぞ古き良き世界の名作文学という感じに嬉しくなってしまう。 主人公のトム・ジョウンズは、地元の名士オールワージ氏の寝床の中に捨てられていた子どもだ、 当時の社会では、主に祝福されることなく生まれた子どもを育てるなんていうのは、キリスト教の教えに反する行為で、敬虔なクリスチャンであるというのなら、せめて暖かいおくるみに包むなりして、教会の前に捨ててくるのが正しい行為であると、オールワージ氏の行動はかなりな批判を受けるのである。 オールワージ氏は、その行動の是非をいちいち自分で考えて行うので、必ずしも世間の正義と彼の正義は一致しないが、オールワージ氏の論理的な考え方の方が現代的と言えると思う。 幼い頃は、その出自により村人から忌み嫌われていたトム・ジョウンズだけど、オールワージ氏に愛されて育ち、いささか自堕落で手癖が悪くても、基本的には自分の損得より他人のことを思いやれる素直な青年に育つ。 オールワージ氏には妹があり、彼女の一人息子であるブライフィルとは兄弟同然に育つが、成長するにつれトム・ジョウンズの利他的な性質とブライフィルの利己的な性質、また見た目でも、村の女性陣から好まれる美しい青年となったトム・ジョウンズと、いささか見劣りのするブライフィルとの差が歴然としてくる。 一巻では主要人物の紹介といった感じで、小さなエピソードがいくつも紹介されるが、大きな流れとしてはトムが女たらしに成長したということくらい。 古き良き世界の名作文学であると思ったのは、地の文で作者がちょいちょい解説したり、注釈したりして顔を出すところ。 最近では伊坂幸太郎の『ホワイト・ラビット』がこのような構図の作品だけれど、最近の読者にはこれが不評だったのが残念。 私は嬉しくって読みながらにやにやが止まらなかったのだけど。 今後トムの人生にどんな出来事が起きるのか、もう楽しみでしかない。

Posted byブクログ