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真贋の森 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2022/07/31

中編ともいうべき表題作は金というより自分を追放に追い込んだ美術関係者への復讐心で贋作を作ろうとするサスペンス。人死は無いが画家の育成、絵の作り込み、売り込み等騙しのプロセスが面白いし顛末も良い。漫画だが『ZERO』や『ギャラリーフェイク』好きなら楽しめると思う。

Posted byブクログ

2019/02/19

5作品が集められた短編集。 表題の『真贋の森』は、 若き日、師の逆鱗にふれ、学会を追われた美術史研究の異才が、師やその取り巻きの弟子たちを見返すために仕掛けた罠。 それは、残っている作品が少ないとされている「浦上玉堂」の贋作を作成し、学会を牛耳っている弟子たちに真作と認めさせ、...

5作品が集められた短編集。 表題の『真贋の森』は、 若き日、師の逆鱗にふれ、学会を追われた美術史研究の異才が、師やその取り巻きの弟子たちを見返すために仕掛けた罠。 それは、残っている作品が少ないとされている「浦上玉堂」の贋作を作成し、学会を牛耳っている弟子たちに真作と認めさせ、その後真相を暴露すること。 学会から弾き飛ばされ裏道を鬱々と辿ってきた怨念が、文章全体にとぐろを巻いている。 その他、 夫が出張先で急死した。その後、夫の同僚と愛人関係になるが、その愛人との旅先で夫の死の意外な事実を知ることになる『愛と空白の共謀』。 Q新聞広告部長の主人公が、編集部が載せた先走った記事により、大手広告会社からの広告を失いそうになる。サラリーマンの悲哀を描いた『空白の意匠』。 松本清張というと、なにか重厚な作品をイメージしてしまうのだけれど、短編集なのでサクサク読める。裏返すと、ちょっと物足りないとも言うのかな。

Posted byブクログ