ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの の商品レビュー
死んだ女性になぜか心惹かれて、そこから新しい出会いがあったり、母親の新たな一面を見たり、何より自分の中で理想化されていた失踪した父親の謎をといたり……。よくできた成長小説。文体に少しひっかかった。
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タクシー会社の棚の上にあったものはなんと骨壷。誰かの忘れ物らしい。偶然この骨壷のことを知ったルーカスは、こんなところに置き去りにされているべきではないと思い、祖母パンジーに頼んで引き取ってもらうのだが…。見ず知らずの人の骨壷と失踪した父との思い掛けない繋がり。失踪した故に理想化し...
タクシー会社の棚の上にあったものはなんと骨壷。誰かの忘れ物らしい。偶然この骨壷のことを知ったルーカスは、こんなところに置き去りにされているべきではないと思い、祖母パンジーに頼んで引き取ってもらうのだが…。見ず知らずの人の骨壷と失踪した父との思い掛けない繋がり。失踪した故に理想化していた父の真の姿が徐々に明らかになっていく。物言わぬ骨壷の人物“ヴァイオレット”に導かれるようにもつれた糸がほどけていく過程で、ルーカス自身が大人への階段を一段上る。 全体的にユーモアが溢れているのは、登場人物が人間臭くてリアルなのと、会話が小粋だから。最後の最後まで謎が解けず、最後にピタリとピースがはまる、なかなかのミステリー。
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