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大麻ヒステリー の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2012/02/25

 新書は、読者に対して、専門的知見を読み解く鳥瞰図を与えてくれるものです。優れた本を一旦手に取れば、僅か数時間で、その分野のエッセンスを理解することも出来ます。  新書を手に取る読者の多くは、その道の知見を殆ど持たない素人です。悪意のある作者であれば、必ずしも通説とは言えない主...

 新書は、読者に対して、専門的知見を読み解く鳥瞰図を与えてくれるものです。優れた本を一旦手に取れば、僅か数時間で、その分野のエッセンスを理解することも出来ます。  新書を手に取る読者の多くは、その道の知見を殆ど持たない素人です。悪意のある作者であれば、必ずしも通説とは言えない主張をわざと展開し、読者を完全にミスリードする危険性すら併せ持ちます。  武田邦彦氏と言えば、中部大学教授で、資源問題等に関する解説でテレビ・マスコミで有名な方です。「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」シリーズや、「『地球温暖化』論で日本人が殺される!」、「暴走する『偽』環境ビジネス」等の著書で有名ですが、「大麻ヒステリー」という著作を手にしたので、メモしたいと思います。  特に酷いと感じたのは第4章「大麻とカンナビノールが精神に及ぼす影響」という章です。武田邦彦氏は「大麻は健康上は問題はない」とか「大麻はアルコールやニコチン・タバコよる安全」との主張をしています。しかしながら、武田邦彦氏が依拠する「科学的根拠」とするものは、1893~1972 年に作成されたものと極めて古く、例えば1997年に発表されたWHO世界保健機構のレポート等にまったく言及していません。また、大麻とアルコール・ニコチン・タバコとの危険性の比較でも、1963年と極めて古いレポートを参照しています。現在と過去では、流通する大麻に含まれるカンナビノールの成分に大きな隔たりがありますから、自己の主張に都合のいい古いレポートのみを持ち出すのは明らかに「ペテン」です。また、武田氏が参照している「1994年にアメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)の比較表」というのは、NIDAが組織として発表したものではありません。この比較表というのは、NIDAに所属する一研究員と外部研究者が恣意的にランク付けした表がニューヨークタイムズNew York Timesに掲載されただけのもので、査読、つまり専門家による科学的検証を経たものではありません。その証拠に武田氏は、この比較表の出典を一切記載しないという、科学者が執筆する文章として、あるまじき態度を取っています。  ということで、「大麻ヒステリー」を読む価値なしと認定したいと思います。

Posted byブクログ

2009/10/07

疑問に思っていることがほとんど解消された。 ・大麻とひとことでくくるなかれ ・麻のスーツは大麻のスーツなんだぜ。 ・酒、タバコより身体、精神に悪影響を及ぼさない(抜粋:アメリカ国立薬物乱用研究所調べ)  種類:依存性(禁断性)耐性(切望性)陶酔性  ニコチン:6(4)5(3)2 ...

疑問に思っていることがほとんど解消された。 ・大麻とひとことでくくるなかれ ・麻のスーツは大麻のスーツなんだぜ。 ・酒、タバコより身体、精神に悪影響を及ぼさない(抜粋:アメリカ国立薬物乱用研究所調べ)  種類:依存性(禁断性)耐性(切望性)陶酔性  ニコチン:6(4)5(3)2  ヘロイン:5(5)6(5)5  コカイン:4(3)3(6)4  アルコール:3(6)4(4)6  カフェイン:2(2)2(1)1  大麻:1(1)1(2)3 ・アメリカより駄目といわれた時点で思考停止 とはいえ悪法も法、私は酒だけで今のところ十分です。

Posted byブクログ

2009/10/07

何も考えず「当然」だと思っていたことが事実だとは限らない。そういうことを考えさせられる武田先生の本。「大麻は麻薬」と思っていたが、それは間違いで「カンナビノールが麻薬」(「麻」の字は正しくはこの字じゃないんだけど…)だそうで。「大麻はいけないもの」ではなく、昔から日本人の生活に密...

何も考えず「当然」だと思っていたことが事実だとは限らない。そういうことを考えさせられる武田先生の本。「大麻は麻薬」と思っていたが、それは間違いで「カンナビノールが麻薬」(「麻」の字は正しくはこの字じゃないんだけど…)だそうで。「大麻はいけないもの」ではなく、昔から日本人の生活に密接にかかわるものだったとは。「学問というのは社会の噂や迷信ではなく、一つひとつの事実を確認し、研究者自らがそれを判断することだ」ということばに納得

Posted byブクログ

2009/10/04

大麻の無害性など科学的な検証を用いて多く人の誤解を解く類の本だろうなと思ったら意外と多角的に大麻を紹介した内容。 日本古来からある大麻文化、アメリカの悪名高い禁酒法から紐解く大麻課税法の真実が紹介され、最後は大麻取締法を引き合いに思考停止状態になった日本の現状から読者を啓発するよ...

大麻の無害性など科学的な検証を用いて多く人の誤解を解く類の本だろうなと思ったら意外と多角的に大麻を紹介した内容。 日本古来からある大麻文化、アメリカの悪名高い禁酒法から紐解く大麻課税法の真実が紹介され、最後は大麻取締法を引き合いに思考停止状態になった日本の現状から読者を啓発するような章で締められる。 著者はそもそも古くから生活に馴染みの深い植物であるのにその名が危険な印象で使われるようになってしまった「大麻」と、大麻に含まれ薬理効果をもたらす化合物「カンナビノール」を分けて捉え、日本においては第一段階として「カンナビノール取締法」と改めてから、さらに議論を経て現在不当に重い罰則を緩めていく方向でいくのが望ましいとしている。 日本は日本で考えるべきという主張は同感。それすらタブーになっているのは核保有の議論と似ていて日本はなぜこうも窮屈なのかと憂いでしまった。 ですます調で書かれている上に内容もあえて易しく書いているようで、青少年に向けた大麻教科書といった感じ。 09.7.13

Posted byブクログ

2010/09/02

環境問題の教授が今度は大麻!?面白そう!!ということでで読んでみました。専門は「材料」なんですね、この人。大麻に中毒性はないという話は聞いたことあるけど、ギャル・ギャル男エトセトラが作り出した妄想だと思っていました・・・。タバコやお酒よりも害が少ない大麻をこんなに厳しく規制する必...

環境問題の教授が今度は大麻!?面白そう!!ということでで読んでみました。専門は「材料」なんですね、この人。大麻に中毒性はないという話は聞いたことあるけど、ギャル・ギャル男エトセトラが作り出した妄想だと思っていました・・・。タバコやお酒よりも害が少ない大麻をこんなに厳しく規制する必要性って本当になんなんでしょう?もう今更後には引けないというだけかな。ロイヤル島のシカとオオカミの話が地味に面白かったです。

Posted byブクログ