ベーコン の商品レビュー
はっきりとした感情が書かれず、ゆらゆらしているのにしっかり胸に突き刺さる、寂しく苦しい恋愛の短編集。 救いがあるような無いような、なんとも言えない切なさが残った。 井上荒野さんの作品は何冊か読んでいるけれど、この読後感がたまらない。 静かに燃えている感じ。 料理のタイトルが並ぶ...
はっきりとした感情が書かれず、ゆらゆらしているのにしっかり胸に突き刺さる、寂しく苦しい恋愛の短編集。 救いがあるような無いような、なんとも言えない切なさが残った。 井上荒野さんの作品は何冊か読んでいるけれど、この読後感がたまらない。 静かに燃えている感じ。 料理のタイトルが並ぶ短編集。 普通ではない歪な恋愛を描いているのに、知らない世界なのにどこか共感してしまう不思議。 江國香織に似ている気がする。 どれも面白かった。
Posted by
どれも不穏な味わいの短編。 食べ物がおいしそうだったり苦そうだったり。 カツサンドとか煮こごりとか、食べるときに思い出しそう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どうしても煮こごりとゆで卵のキーマカレーがよかった。終わり方もどっちもすき。煮こごりみたいな事はさすがにもう少し踏み込んでいるからないけれど、有り得なくはないのよね。結局すべては嘘かもしれない。まあしんでも解らないかもしれないのは間違いないな。 ただ、たぶん、変わらないということ、続くということに突然、立ちすくむような気分に襲われ、… それを方便とは思わなかったけれど、靖司が離婚することはないだろう、と柚衣はあきらめていた。今できないことは何年経ったってできない。 …自分が「日陰の女」になったような気持ちになる。 もっとも靖司に言わせれば、柚衣のことを「隠している」つもりはないのだそうだ。妻に柚衣のことを明かさないのは、「彼女をよけいに傷つけたくない」からで、妻にもほかの誰にでも、聞かれれば話す。でも聞かれなければ、自分からは話さない。男っていうのはそういうもんだ、と言う。 靖司が完全に自分のものになったなんて夢みたい、と。 恋人とは半年前に会った。それは偶然の出会いだったが、私たちはお互い魅かれ合い、いっそう魅かれ合うための時間を重ねてきた。
Posted by
井上荒野を初めて読んだ。 ほかの作品も読みたい。 食べ物にまつわる話で、どれも美味しそう。 アイリッシュシチューを初めて知った。食べてみたい。 恋愛がうまくいっていない話が多くて、辛かった。
Posted by
食べ物がタイトルとなった短編が10篇。 婚姻外の男女の関係がたくさん出てきた。全て明確な終わり方をするわけではないので、着地点がよくわからず不思議な感覚になった。
Posted by
ベーコン(集英社文庫) 著作者:井上荒野 発行者:集英社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
井上荒野先生の著作が読みたくて読んだ小説。食べ物の名前がついた短編小説10作が掲載されていた。「アイリッシュ・シチュー」と「「大人のカツサンド」、「目玉焼き、トーストにのっけて」が怖い話だった。「クリスマスのミートパイ」の主人公に1番共感した。「父の水餃子」は悲しい話だった。「煮こごり」が1番面白かった。難しい言葉は使われていなかったが、登場人物の心情の解釈が難しい小説だった。井上先生の小説を次に読むなら、「切羽へ」と「あちらにいる鬼」が読みたい。
Posted by
微妙な関係の男女が一緒に食べる話。 好きなの?全然興味ないの?嫌いなの?好きだけど…どうとも取れる二人のやりとりで進んでいき、なんともなく終わる。どうとも取れるから、登場人物たちの心を探りながら読むのが楽しい。言葉の端々にちりばめられた意味ありげなそれらをどう捉えるのか? ナレー...
微妙な関係の男女が一緒に食べる話。 好きなの?全然興味ないの?嫌いなの?好きだけど…どうとも取れる二人のやりとりで進んでいき、なんともなく終わる。どうとも取れるから、登場人物たちの心を探りながら読むのが楽しい。言葉の端々にちりばめられた意味ありげなそれらをどう捉えるのか? ナレーナーも音楽も無く観る側を誘導しないドキュメンタリーの様に、読む側の心理で様々な方向に進んで行く。自分の知らない部分に気がついてしまう小説なのかも?!
Posted by
食べ物に絡めた男女の短編集。 食欲と性欲が入り乱れてる感がめっちゃ良かった。 個人的にはアイリッシュシチューが凄く好きでした。 手がかじかむ寒さと台所の暖かさ、 冷えた心と家族の温もりを感じられるストーリーでした。 井上荒野さん、凄い人だな…笑
Posted by
短編集 タイトルに惹かれ購入。もっと効果的に食べ物が使われたものを期待して読んだが、そこまで感じなかった。
Posted by