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日本の歴史(11) の商品レビュー

3.5

5件のお客様レビュー

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2015/05/08

後醍醐の践祚、廃位、廃流、そして建武政権樹立。足利氏との角逐、二つに分裂した皇統。14世紀は動乱と変革の時代であった。後醍醐の「王権」復活の夢はついえ、武家の権能は拡大し、日本社会は構造的な大きな変化を遂げた。南北朝とはどのような時代であったのか。また、鮮烈な個性たちはどのように...

後醍醐の践祚、廃位、廃流、そして建武政権樹立。足利氏との角逐、二つに分裂した皇統。14世紀は動乱と変革の時代であった。後醍醐の「王権」復活の夢はついえ、武家の権能は拡大し、日本社会は構造的な大きな変化を遂げた。南北朝とはどのような時代であったのか。また、鮮烈な個性たちはどのように生きたのか。その時代相を斬り取り解析する。

Posted byブクログ

2014/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

足利尊氏の叛旗のあたりについて、本シリーズの10と11はお見合い状態というか、お互いに譲り合って、まともに触れられていないように思う。これは文庫化の際に何とかしてほしかった。 「発行主体が関与し貨幣によって計測される財の流れに、周辺の人々を次々と巻き込んでいくという、そうした趨勢を生み出すはずみ車として作用しうる比重を、発行主体をめぐる財の流れが持つかどうかに、貨幣の発生はかかっている。」 実に当たり前のことなのかもしれないが、こうしたことがあまり当たり前に書かれていないことも事実。

Posted byブクログ

2013/08/05

極めて文章能力に優れた著者の素晴らしい本ではあるのだが、楽しんで読めなかったのは著者や時代の責任ではなくて私のせいである

Posted byブクログ

2012/11/13

南北朝時代から室町時代前期を扱う巻だが、前巻よりもずっと読みやすく、前巻の最後の方にあたる鎌倉幕府滅亡のあたりもあえて重複して書いてくれているのがありがたかった。 やはり後醍醐天皇は興味深い人物だが、さすがに歴史学者の叙述なので、正確を期し、余計な推測や文学的想像を加えず淡々と書...

南北朝時代から室町時代前期を扱う巻だが、前巻よりもずっと読みやすく、前巻の最後の方にあたる鎌倉幕府滅亡のあたりもあえて重複して書いてくれているのがありがたかった。 やはり後醍醐天皇は興味深い人物だが、さすがに歴史学者の叙述なので、正確を期し、余計な推測や文学的想像を加えず淡々と書いている。 後醍醐天皇はこの本の半ばで病死してしまうのだが、室町時代、足利義満の登場が興味深かった。 源頼朝は軍事力というものの「権力性」をいきなりあらわにし、朝廷とは相矛盾する形で奇妙な権力「鎌倉幕府」を作った。その後も権力関係は武家と公家とのあいだで、微妙な曖昧さで揺れ動いているが、ようやく義満にいたって、武家でありながら公家としての、宮中での出世を果たすことにより、両者の隔たりが少し埋められる。 南北朝時代から見られた「ばさら」(婆娑羅)なる風潮がおもしろい。 どうやら華美な服装をし、ちょっと奇矯な存在として頭角を現した輩であった。しかしこの「ばさら」については、網野義彦氏の本を読むと単に華美なのではなく、異様で「おかしな」服装の流行であるようだ。この「ばさら」は、実はマンガ「花の慶次」で有名になった「かぶき者」の前身であるらしい。 異様な服装、異様な趣味で権力や規範にさからうような風潮であったと思われる。 そう考えると、最近の若者の「腰パン」なんかも(みんなやっているから個性的とは言えないが)「ばさら」だし、女の子たちのどぎつい厚化粧もしばしば「ばさら」である。 「ばさら」は時代が揺れ動く頃、権力に対するアウトサイダー的な、カウンターカルチャー的なものとして出現するのかもしれない。 そういえば私の音楽もちょっと「ばさら」かもしれない。

Posted byブクログ

2009/10/07

読み切れそうにないのでここで書評。 法制度を中心とした検討。また、大まかなレビューにもなっているので、研究史の動向や、通史的な読み方も可能な一冊。 文章がお硬い感じがするのは、著者のご性格か。ただ、表現の厳密さに注力されている感じは好感。ただ、読むのに力が要った。 足利義満の日本...

読み切れそうにないのでここで書評。 法制度を中心とした検討。また、大まかなレビューにもなっているので、研究史の動向や、通史的な読み方も可能な一冊。 文章がお硬い感じがするのは、著者のご性格か。ただ、表現の厳密さに注力されている感じは好感。ただ、読むのに力が要った。 足利義満の日本国王は、天皇簒奪というよりは海外と日本を分けるためのもの、特に西日本の東シナ海ネットワークを傘下に収めるためのもの、という論点は極めて重要な指摘だと思った。 今谷氏は日本と西洋をややナイーブに同等のものとして比較している感があるので、より東アジア全体を捉えなおすにはこの講談社シリーズの方がいいのかもしれない。 続巻の『室町人の精神』も非常な名著だったが、その中で描かれていた合議制のコーディネーターとしての足利将軍の役割が、この本を読みなおすことで見えてきたように感じる。 そういう意味でこの二冊を並べると、やはり最高のコーディネーターとしての足利義持の再評価が必要なのではないか?と思ってしまった。

Posted byブクログ