「アメリカ社会」入門 の商品レビュー
一イギリス人が書いたニューヨーク社会の評論。定説であったり、確かなデータはないためあくまで一イギリス人の所感に留まる。凡作。
Posted by
特に驚かされるトピックはなかったのは、イギリスに比べてアメリカの情報に多く触れているからだと思っている.アメリカの英語が上手く話せないという第10章の記述は納得できるものだ.アメリカ英語に慣れていると、イギリスの英語は聞き取りにくく、特にエリザベス女王の英語は難しい.
Posted by
日本社会入門ほどは面白くなかった。多分、文化とかが違いすぎて分かりにくいんだと思う。「ある、ある!」みたいなのがなかったし、日本版ほどのコリンさんの愛をアメリカ版には感じなかった。
Posted by
英国出身で日本で15年間に渡る記者生活を送った著者による米国見聞録。一口に「英米」と総称される2国ですが、中の人的には近い分のへだたりも感じられるようで、著者は、アメリカ英語より日本語のほうがまだうまく話せるとまで語っています。 なんとなく外人一般は明るく快活なものだとのイメ...
英国出身で日本で15年間に渡る記者生活を送った著者による米国見聞録。一口に「英米」と総称される2国ですが、中の人的には近い分のへだたりも感じられるようで、著者は、アメリカ英語より日本語のほうがまだうまく話せるとまで語っています。 なんとなく外人一般は明るく快活なものだとのイメージがありますが、実はそれはアメリカ人特有のものだそうで、イギリス人の著者はやたらに話しかけてくるニューヨーカーに戸惑ったりもしています。 イギリス的な奥深い皮肉と、アメリカ的なわかりやすさ。下記引用1つめのエピソードは片田先生の"プライドが高くて迷惑な人"にも通じる精神病理の現れとしても興味深いところ。 ○謝罪がないくらいならまだいい方で、本来なら謝罪すべき人が逆に怒り出すことも多々ある。面白いことに、その人の落ち度が大きければ大きいほど、怒りの度合いも大きくなるようだ。言葉に怒気を含ませることで、相手に「悪いのはむしろ自分の方だ」と思い込ませようというのだろう。 ○"That's what she said."(そう彼女は言ったんだ)は、誰かが意図せず性的な意味にも取れる発言をしたとき、それをまぜっ返すのに使う表現だ。たとえばある人が「うわ、君のは大きいね」などと口にしたら、すかさず横から"That's what she said."と言ってやるのである。イギリスでは、このようなときに"As the actress said to the bishop."(女優は司教にそう言った)と言う。 ○ぼくが『ザ・シンプソンズ』で印象に残っているのは、母親のマーサがビジネスとしてプレッツェルの販売を始める話だ。夫のホーマーは、妻の行動に心を動かされる。「アメリカじゃ、スナック類はもう飽和状態だ。そこへ君はまたひとつ塩辛いお菓子を押し込もうとするんだね」。また、彼はアメリカ人の労働倫理や労使関係についてもコメントする。「たとえ仕事が気に入らなくても、ストライキはしない。毎日きちんと会社に行って、いい加減に仕事をする。これがアメリカ流さ」。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
p.57 ぼくは、多くのイギリス人の考えとはちがって、アメリカ人は皮肉を言わないわけではないと思う。イギリス人と皮肉の言い方が違うだけだ。イギリスでは、自分が冗談を言っていることを表現や声の調子に出すことなく、機知に富んだ言葉で口にするのが高く評価される。アメリカでは全く逆だ。きつい皮肉を言っても構わないのだが、そのときは目配せをしたり、笑みを浮かべたり、あるいは大げさな口調で言ったりなどして、それが皮肉であることを示さなければならない。それに、皮肉を言っていい時と場合がある。アメリカ人は、ふだんの会話では皮肉はあまり用いないようだ。 さらに困ったことに、アメリカ人は「いま自分は冗談を言っています」ということを、まったく面白くない方法で相手に告げる。「いや、冗談」というような調子で、文末に ”not” とひと言付け足すのだ。こんな馬鹿げた、うんざりするような言い回しをイギリス人が仮に使うことがあるとしたら、こうした冗談を言ったアメリカ人相手に「そりゃ面白い。いや、冗談」と切り返すときくらいだろう。 p.84 アメリカ社会の基本的な特徴のひとつは、誰も責任を負おうとしないことだ。この国の弁護士の数を見ればいい。彼らは、あらゆる訴訟に首を突っ込んできては、さまざまな主張や反論をくり広げる。かくして、どんな犯罪も、はてしない申し開きや自己弁護なしには決して裁かれないことになってしまうのである。たとえば、この国では、クルマで人をはねてしまっても、謝ったりしてはいけないとよく言われる。謝罪でもしようものなら、自分の落ち度を認めたことになるからだ。 p.92 アメリカ社会に巨大な貧富の格差があることは、よく指摘されている。しかし、僕にとって驚きなのは、たいていのアメリカ人がこの格差にいかに平気でいるかということの方である。アメリカ人の考えでは、誰でも人生のチャンスは平等なのだから、お金持ちはそれに見合う努力を積み重ねてきたのだろうし、貧しい暮らしをしている原因はその人自身にあるということになるのだろう。自分が成功できたのは、恵まれた条件、たとえば親に資産があって教育に十分な費用をかけてもらえる環境で育ったことのお陰も大きいなど考える人はあまり多くない。 低収入にあえぐ人びと自身も、富裕層に対して驚くほどやさしい。というのも、彼らは富裕層の暮らしぶりを、自分もしくは自分の子どもたちがいつの日かたどり着ける目標と見ているからである。 p.150 たしかに、英米人はお互いの英語を、99パーセント理解できる。しかし、面白いことは決まって、残りの1パーセントの部分で起きるものだ。素晴らしく機知に富んだオスカー・ワイルドは、通念をひっくり返して、こう述べている。「アメリカ人とイギリス人は、あらゆる点で同一である。ただし、言語だけは例外であるのはいうまでもない」 p.157 "That's what she said." (「そう彼女は言ったんだ」)は、誰かが意図せずに性的な意味にも取れる発言をしたとき、それをまぜっ返すのに使う表現だ。たとえば、ある人が「うわ、君のは大きいね」などと口にしたら、すかさず横から "That's what she said." と言ってやるのである。イギリスでは、このようなときに "As the actress said to the bishop."(「女優は司教にそう言った」)と言う。僕は何度もアメリカ人に、イギリス流の言い回しの方が良く出来ていると言い張ったのだが、残念ながら、アメリカでは広まることはなさそうだ。
Posted by
著者の立場から見たアメリカ、それもニューヨークの話なので、アメリカ入門とは書いていますが、この本からアメリカを知ることはできないと思います。むしろ偏った見方をしているから、入門書としてはよくないかも。 しかし、新しい環境でつい否定的に見てしまう著者の気持ちは理解できます。私が同じ...
著者の立場から見たアメリカ、それもニューヨークの話なので、アメリカ入門とは書いていますが、この本からアメリカを知ることはできないと思います。むしろ偏った見方をしているから、入門書としてはよくないかも。 しかし、新しい環境でつい否定的に見てしまう著者の気持ちは理解できます。私が同じ立場なら同じように感じていると思います。そういう意味ではとても楽しめました。 著者の日本入門とイギリス入門を読みましたが、個人的には日本入門が一番面白いです。
Posted by
日本在住経験のある英国人がニューヨークに暮らす中で感じる米国と英国の違い、国民性や習慣の違いをわかりやすく解説。気楽に読める上、なかなか興味深いエピソードも多い。面白い。
Posted by
東京から一歩も出たことがない人が、転勤で初めて大阪に住むことになったとき、その動揺はいかほどだろうか。 エレベーターの左側をあけること、お好み焼きをオカズにご飯を食べること、会話をしていると必ずオチを求められることetc..日本は全部東京と同じだと思っていた彼は、行動様式、食文化...
東京から一歩も出たことがない人が、転勤で初めて大阪に住むことになったとき、その動揺はいかほどだろうか。 エレベーターの左側をあけること、お好み焼きをオカズにご飯を食べること、会話をしていると必ずオチを求められることetc..日本は全部東京と同じだと思っていた彼は、行動様式、食文化、人間性のあらゆる面でショックを受けることは容易に想像がつく(※書いてる本人は大阪に住んだことはありません) 同じことをイギリス→アメリカで置き換えたのが本書である。 アメリカなんてイギリスと同じ、そもそもイギリスから渡った人が開拓した国なのだから——筆者のそんな甘い希望はニューヨークで無惨に打ち砕かれる。 愚痴っぽい筆者はニューヨークのあらゆることに、極めて客観的にケチをつけるのである。 ニューヨークに関する筆者の洞察のうち、最も興味深いのは街の愛称についてだろう。 「ビッグアップル」は当地に大当たり馬券が出ると評判の競馬場(アップル=林檎が好きな馬の比喩)があったことに由来する。 また「ゴッサム」(バッドマンのゴッサムシティはここから来ている)からは、独創性と独立心で町の危機を乗り切った英国の町・ゴータムとの共通点を見出している。 どちらも夢とチャンスと自由の国を象徴するいい愛称だ。 だが、筆者はこれらの愛称に釈然としていない様子が伺える。 それは、アメリカの多様性と同居する排他性によるものだろう。 移民のみならず、同じ米国人どうしても宗教、人種、所得で形成される各コミュニティは、お互いに決して交わること無く生活を送っている。 その違和感が、(特に、アメリカにおいてコミュニティを形成しようとしないとされる)イギリス人である筆者にとって決定的な文化的差異とうつっているのではないだろうか。 似た者どうしだから、余計に違いが気になる、筆者の葛藤がよく現れたアメリカ文化入門書である。
Posted by
イギリス人が見るアメリカということで 非常に興味深かったです。 この著者の持つユーモアがあれば どこの国へ行っても楽しめそうですね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ニューヨークへの航路行き帰りで読了。 確かに、アメリカ特にニューヨークは、チャンスの場である事を標榜しているが、その実は他のどこよりも階級社会が確立されている。 親の階級と同じ生活・教育水準を簡単に抜ける事が出来ず、狡猾なまでに構築されたその地の階級社会を生き続けて行く事になる。 ニューヨークは本当に心が渇く地であった。
Posted by