「南進」の系譜 の商品レビュー
明治から太平洋戦争までの日本の東南アジア観(一部、大洋州含む)を手記などのミクロ文献をもとに暴き出した本。明治から最初に東南アジアに渡った日本人は娼婦で、その後リスクをとって渡った労働階級が娼婦相手の和服商などで財をなし、さらにゴムや鉄などの一次産業でも財を成すものが現れてきた。...
明治から太平洋戦争までの日本の東南アジア観(一部、大洋州含む)を手記などのミクロ文献をもとに暴き出した本。明治から最初に東南アジアに渡った日本人は娼婦で、その後リスクをとって渡った労働階級が娼婦相手の和服商などで財をなし、さらにゴムや鉄などの一次産業でも財を成すものが現れてきた。航路が開かれ貿易地となり商社や銀行も支店を構えるようになるが、いわゆる上層と下層日本人の交流はほとんどなかったらしい。太平洋戦争までの間、日本人も海を渡っとはいえ、現地へのFDIは欧州列強などより遥かに少なく全体の2%にすぎなかった(1位はオランダ)。南洋庁エリアでは、信託統治で領有した後、現地の日本化のため、移民政策がとられたが、現地に渡ったのは、失業率が高かった沖縄と朝鮮の人々が大半だった。
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