ハード・バップ大学 の商品レビュー

アランゴールドシャー【著】,川嶋文丸【訳】

2021/07/18

アルバムでなく、各楽器（トランペット・サックス・ピアノ・ベースほか）のプレイヤーの名前と、メッセンジャーズ在籍の頃のインタビューエピソードを次々と展開していく風変わりな編集をしている本。改めてマイルスバンドに匹敵する一流どころがズラリ。モーニン一発のお人ではない。ロイハーグローブやケニーギャレットにもインタビューしてほしかった。インタビューはなかったが、私の好きなジョーファレルもアイアートモレイラもブレイキー大学に在籍してたのね。もう少し著名なプレイヤーをより多く取り上げてもよかったかな。知らん人が多く出過ぎてる。改めてマイルスバンドにも在籍したキースジャレットが異彩を放つ

2015/05/12

ジャズミュージシャン同士という外から見れば身内にしか見えない人たちがお互いに誉めあっている内容が一冊にまとめられている。

タイトルの"大学"というのは意味が分かった。高額なギャラが払えないという理由でジャズ・メッセンジャーズには若手の演奏家が多かった。アート・ブレイキーが若く有能な演奏家をスカウトし、その後実力と人気がつきギャラが払えなくなってくるとジャズ・メッセンジャーズを卒業させるという事を繰り返した。独り立ちする時にはソロの取り方、作曲の仕方など演奏家として必要な事はみについている。加入する年齢が20歳前後である事と実際にライブをしながら学んでいく点がハイスクールではなく大学だったのだろう。

所謂ディスクガイドとしては使いづらい。年代と人物が楽器ごとに分かれているので聴きどころもまとめられていないし一枚ごとのメンバーもしっかりとは記載されていない。

読み物としてもリファレンスとしても物足りない中途半端な一冊になっている。

貴重なインタヴューもあっただろうに非常にもったいない。楽器ごとに分けずに古い順に並べて、同じ時期に在籍していたメンバーの対談などがあればよかった。