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もうひとつの世界がやってくる の商品レビュー

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2019/02/05

著者がさまざまな雑誌に発表した、マルクス、スピノザ、ネグリにかんする論考をまとめた本です。そのほか、白井聡との対談も収録されています。 デカルトからヘーゲルにいたる西洋哲学の表通りではなく、スピノザからマルクスへいたる西洋哲学の裏通りから思想史をみなおすという著者の視点が興味深...

著者がさまざまな雑誌に発表した、マルクス、スピノザ、ネグリにかんする論考をまとめた本です。そのほか、白井聡との対談も収録されています。 デカルトからヘーゲルにいたる西洋哲学の表通りではなく、スピノザからマルクスへいたる西洋哲学の裏通りから思想史をみなおすという著者の視点が興味深く感じました。著者の他の本とおなじく、比較的わかりやすいことばで書かれた論考が多く、現代のマルクス研究に通じていない読者にとっても、マルクスとスピノザの関係についておおまかな理解を得ることができます。 またネグリにかんしては、ハートとの共著である『〈帝国〉』の議論のとらえがたさを著者自身認めつつ、『ヨブ―奴隷の力』などの著作をヒントに見通しをえがきだそうとする試みがなされています。

Posted byブクログ