1,800円以上の注文で送料無料

アダルトビデオ革命史 の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2009年。アダルトビデオのハード面とソフト(女優)面、両方からの業界のいきさつと成り立ちをクールに書いていて面白い。ほお、と思った豆知識。「黒木香が大学時代、同じく大学生だった岩井俊二の自主製作映画に出演していた、そして彼女がAVに出演したことを知っても岩井は特に驚かなかった」(142~144p)、「V&Rプランニングの社名は『ビジュアル&リテイル』の略で、当初は生鮮食品販売を展開していた」(191P)。

Posted byブクログ

2018/12/08

実際、私は女優でも1990年代以降の方々しか名前を聞いたこともなかったが、ポルノ映画時代から現在に至るまで、資料の収集も難しかったと思う。マニアックな分野かもしれないが、AVの歴史を中心によくまとめられていると思う。力作といえる。

Posted byブクログ

2017/03/09

「ポルノグラフィー」の語源はギリシャ時代の娼婦たちを描いた戯画にあるそうだから、ポルノ自体の成立は紀元前に遡らなければならない。ここで言及するにはあまりにも遠大で深遠なテーマすぎる。p21 ポルノブームとVTR開発がほぼ同時進行したことは、のちのAVブームの到来に大きな意味を持...

「ポルノグラフィー」の語源はギリシャ時代の娼婦たちを描いた戯画にあるそうだから、ポルノ自体の成立は紀元前に遡らなければならない。ここで言及するにはあまりにも遠大で深遠なテーマすぎる。p21 ポルノブームとVTR開発がほぼ同時進行したことは、のちのAVブームの到来に大きな意味を持っているのである。p27 ところで「性感表現」が優先される女優が誕生したのは基本的にAVが生まれた81年前後のことと考えていい。そうした属性はAVというメディアが独自に、突発的に生みだしたものではなく、別のメディアにルーツがあり、漸進的に進化したものだと筆者は考える。 別のメディアとはー映画よりもむしろ出版物、とくにビニール本や自販機本といわれたアングラ的なポルノ写真集、雑誌の影響が大きいと考えられる。p71 裏ビデオの女王・田口ゆかり p92 SONYの8ミリビデオが片手操作のデザインに徹底的にこだわって開発されたおかげで、AVにおけるハメ撮りは普及したと言っていい。そこに日本のAVの独自性の鍵がある。これはAVの手法進化がビジュアル機器の進化と並走したことを示す好例であろう。p184

Posted byブクログ

2017/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2009年刊行。◆ピンク映画から数えて約半世紀、日活がVTR事業部を開設してからでも約40年。レンタルビデオ事業を隆盛に乗せたAV事業の展開を、主に①被写体の変遷と②演出技法の変遷で検討していく。◆ここからネット展開(著作権の問題は勿論、公然性がレンタルとは比較にならないネットにおける公然猥褻に関する適否)に議論が進められる必要はあるんだろうが…。

Posted byブクログ

2012/11/10

これ、すごく面白い一冊です。頭の中で、AVに対するモザイクが少しだけ薄くなること間違いなし。 テレビ、ビデオとともに独自の進化を遂げた日本製AV。本書は、その技術と欲望との不思議な結びつきを明らかにしてくれる。 新型のビデオカメラを片手に新しいジャンルを生み出した監督や女優、人...

これ、すごく面白い一冊です。頭の中で、AVに対するモザイクが少しだけ薄くなること間違いなし。 テレビ、ビデオとともに独自の進化を遂げた日本製AV。本書は、その技術と欲望との不思議な結びつきを明らかにしてくれる。 新型のビデオカメラを片手に新しいジャンルを生み出した監督や女優、人々の意識の変化を追ってみていくと…ヒトの持つ柔軟性には驚かされるばかり。警察の目をかいくぐりながらも「無修正」やリアリティ、といった欲望を追求していく姿勢には心が動かされた。これもヒトの"性"? それと同時に見えてくるのが行政機関の強硬的な対応。多くの摘発で「行政圧力が競争原理に優先した」のはこの業界以外にも見られる現象。日本社会、国家の孕む矛盾のモザイクはまだ濃い。

Posted byブクログ

2012/04/24

2012年4月23日読了。「ポルノ」とも「成人映画」とも違う、日本の独自文化である「アダルトビデオ(AV)」について。その起源・発生から、いかにしてAVが独自性を獲得したのか?という点について論考を加え、多くのAVの歴史を彩るスーパースターたちの功績について述べる本。もともとは地...

2012年4月23日読了。「ポルノ」とも「成人映画」とも違う、日本の独自文化である「アダルトビデオ(AV)」について。その起源・発生から、いかにしてAVが独自性を獲得したのか?という点について論考を加え、多くのAVの歴史を彩るスーパースターたちの功績について述べる本。もともとは地方の民宿のテレビで流されてるような「いなたい」エロ映像だが、「わいせつ物」の定義を明確にせず規制をかける警察とビデ倫、予算の制約とハンディカムなどの機材の進化、ビデオの普及、被写体と撮影者の内面をドキュメンタリー的手法で描こうとする野心的な監督、お茶の間にも進出できるルックスを備えた女優、などの奇跡的な要素がいくつも絡み合った結果、日本を代表する輸出商品(これはそう。海外サイトの無料配信によりメーカーがどれだけの損害をこうむっていることか)である「AV」が生まれたのだなあ・・・。物心ついてからAVに接してきた自分にとって実に興味深い論考だ。80~90年代のAV界のスーパースター、村西とおる氏の毀誉褒貶ぶりには、涙。

Posted byブクログ

2015/05/01

ポルノが解禁されていない世界有数のポルノ生産国 あの松井秀樹選手がアメリカで「Bukkake!!」なんて言葉でヤジを飛ばされていたなんて、彼自身、独身時代はスポーツ記者とAV談義などよくしていたそうだから、その意味するところは知っていたろうし、でも顔射の起源はアメリカン・ポルノだ...

ポルノが解禁されていない世界有数のポルノ生産国 あの松井秀樹選手がアメリカで「Bukkake!!」なんて言葉でヤジを飛ばされていたなんて、彼自身、独身時代はスポーツ記者とAV談義などよくしていたそうだから、その意味するところは知っていたろうし、でも顔射の起源はアメリカン・ポルノだったはずで、悪口というより、「多彩で芸が細かい」と評価され、アメリカばかりかアジアでも人気の日本製AVに対する褒め言葉だったのかも。 AVとはもちろん「アダルト・ビデオ」のことだけど、ここ40年間、AV機器の発達・普及ともに、というかそれと連動する形でピンクやポルノという映画を凌駕し、「わいせつ」を巡って警察当局とすったもんだする最前線に立っているという意味で、革命的と言えるのかもしれません。本書によれば、今や年間一万タイトルが流通し、アニメと並んで日本を代表するコンテンツとなっているそうです。AVは現代の春画(ポルノグラフィ)かもしれません。著者はレンタルビデオの店員からスタートし、ライターとして長らくこの業界にかかわってきたそうです。

Posted byブクログ

2011/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 日本は年間一万タイトルを超えるアダルトビデオが流通する世界屈指のポルノ生産国である。 日本製のAVは、インターネットなどを通じて無修整版が世界中に流出し、そのクオリティの高さからアニメと並んで日本を代表するコンテンツとなっている。 だが一方で、今までその歴史は詳らかにされておらず、アンダーグラウンドな文化としてしか語られてこなかった。 本書は、第一人者の手によって、はじめてまとめられた四十年にわたるAV全史である。 [ 目次 ] 第1章 AV前史 第2章 AVの誕生 第3章 AV女優の成立 第4章 本番AVの時代 第5章 AVの新しい波 第6章 無修整へ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2011/05/09

AVの歴史を新書で出しちゃう幻冬舎って凄ぇな〜と思いつつ、読んでみたら意外とアカデミックで真面目な本でした。類書があまり無いように思います。

Posted byブクログ

2011/04/13

AVのたどった歴史を、周辺のその他のアダルト産業や映像機器の発展などの面から分析した本。 多少の行ったり来たりはあるものの、基本的にストーリーは時系列に並んでいて、読みやすい。 私は若いので終盤に出てくる女優以外は名前も知らない人ばかりが実例として挙げられていたけど、みる人が見...

AVのたどった歴史を、周辺のその他のアダルト産業や映像機器の発展などの面から分析した本。 多少の行ったり来たりはあるものの、基本的にストーリーは時系列に並んでいて、読みやすい。 私は若いので終盤に出てくる女優以外は名前も知らない人ばかりが実例として挙げられていたけど、みる人が見ればそういう意味でも楽しめるかもしれない。

Posted byブクログ