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ミラーニューロンの発見 の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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2020/11/21

社会の中で生活していくには人間関係が必ずある。ミラーニューロンのおかげで他人の感情を理解できる。これは逆に考えればビジネスをする上で効果的なマーケティングをする事ができる。ミラーニューロンが発火してモノを買いたくなる衝動にすれば良い。著書の中にもミラーニューロンを研究を扱った効果...

社会の中で生活していくには人間関係が必ずある。ミラーニューロンのおかげで他人の感情を理解できる。これは逆に考えればビジネスをする上で効果的なマーケティングをする事ができる。ミラーニューロンが発火してモノを買いたくなる衝動にすれば良い。著書の中にもミラーニューロンを研究を扱った効果的なCMについても書かれている。

Posted byブクログ

2017/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2009年刊。◆現実に運動をせず、ただ観賞しているだけで運動に関わる神経細胞が活動する。この摩訶不思議な現象を生み出すミラー・ニューロン。また、ミラー・ニューロンはこの狭義の面だけでなく、さらに広い意義を持っている。それは他者への共感のような社会生活面に関わっているという点だ。本書は、このミラー・ニューロンの神経科学的側面とそれが人間の活動・行動・思考に及ぼす側面とを、最新の脳画像診断技術と哲学的考察(現象学・実存主義)とを交え論じる。自閉症患者の行動を積極的に模倣すると自閉症的症状が軽減する事実は驚異。 もっとも、ミラー・ニューロンが生得的に毀損している点が自閉症の根本原因とは思えない。個人的には、自閉症の根本は、感覚統合・選別・分別が困難な障害により、感覚神経が受ける大量情報を切り分けられない。そのため、視覚・聴覚から入力される情報を模倣できない(しない)結果、二次的にミラー・ニューロンの発達が阻害される。この過程が自閉的症状を生み出すのではないか、と考えている(あくまでも仮説ですが…)。ならば模倣術を患者に行う場合でも、大量の情報が入ってこない環境設定をする方がより効果的ではないか、と推測している。 哲学的考察を、神経科学・大脳生理学の分析視座、仮説構築の道具としている点は、まったくもって興味深いところ。どうにも読みにくかったのは、この哲学的考察をする上での読み手(私)の知識不足によるところが大きいと思う。また、確かに本書全体が仮説の域を越えていないだろうが、興味深い内容であり、合理的な説得力を持つ内容であることは間違いない。要再読。

Posted byブクログ

2015/02/01

ここ数年、いろいろな人が、このミラーニューロンについて話題にしている。著者のことを知っているわけでもないのだけれど、たまたま書店で見つけて、タイトルにだけひかれて、買って読みました。この20年くらいの間に次々に分かってきた発見物語が、その現場近くに居合わせた神経科学者の目から描か...

ここ数年、いろいろな人が、このミラーニューロンについて話題にしている。著者のことを知っているわけでもないのだけれど、たまたま書店で見つけて、タイトルにだけひかれて、買って読みました。この20年くらいの間に次々に分かってきた発見物語が、その現場近くに居合わせた神経科学者の目から描かれています。脳撮像技術の進歩により、次々と新しい発見があります。人はどのようにして他人に共感することができるのか。こういう話は実は哲学者などが以前から考え言ってきたことなのだけれど、それが、脳科学からも納得のいくデータが得られるようになってきたというのです。他人が行動しているのを見ていると、意識するよりも前に、自分の頭の中で、同じ行動をしているときのように脳細胞が活性化している。最初はサルの実験から分かってくるわけですが、ヒトでも同じことが言える。ところで、「研究者がアイスクリームか何かを食べているのを見たサルの脳細胞が、何も食べていないのに、何かを食べているような脳活動をしていた」という話がミラーニューロン発見のきっかけになったとよく言われますが、どうもそれはウソのようです。分かりやすい話だから広まってしまったのでしょう。さて、同じ部屋に長くいると、意識しているわけでもないのに、同じようなしぐさをすることが多いと言います。この話を読んでから意識していると、確かにふと足を組んだり、頭に手を回したり、そういうことがあるような気もします。「似たもの夫婦」などというのも、ミラーニューロンで説明がつくのかもしれません。また実験で、意識的に真似をしてもらうと、真似をされた人は、真似した人に、何もしなかった人よりもより好意を持つのだそうです。それから、スポーツでも音楽でもすごく上手な人の動きを見て真似をするといいとも言いますが、これもどうやら脳科学的にも正しいようなのです。さらに、政治に関すること、経済に関すること、そして道徳に関わることまで話は広がっていきます。おそらく、教育にも大きく影響する分野なのだと思われます。今後の研究に期待しましょう。しかし、新書とは言え360ページに及ぶ理科系の本で、図版がたった1枚しかない。なんという、サービス精神のなさなのだろう。

Posted byブクログ

2015/01/01

Fri, 10 Jul 2009 リゾラッティらが発見したミラーニューロンは 自らの運動を表すニューロン群でありながら,他人の運動を観察したときにも発火する. 脳科学周辺から一大ブームが巻き起こり 拡大解釈に継ぐ拡大解釈が起こっている. 個人の知能と社会を結ぶキーとして期...

Fri, 10 Jul 2009 リゾラッティらが発見したミラーニューロンは 自らの運動を表すニューロン群でありながら,他人の運動を観察したときにも発火する. 脳科学周辺から一大ブームが巻き起こり 拡大解釈に継ぐ拡大解釈が起こっている. 個人の知能と社会を結ぶキーとして期待がありながらも うさんくささも漂うものであり,ニューロサイエンティストの中に否定的な人も多い. これほどニューラルコリレーションの研究手法が効果的に「過大広告化」した例も無いのではないか? 脳科学が社会に手を伸ばし,ニューロエコノミクス,ニューロポリティクス,ニューロマーケティングという領域に広がる向きがある. さてさて,そんなミラーニューロンについては,ちょろちょろっと述べられている文献は 多いのだが,ガッツリ一冊というのはじつは殆ど無かった. 折角なので買って読んでみた. ミラーニューロンは自分でサッカーボールを蹴った時にも,ボールが蹴られるのをみたときにも,ボールが蹴られる音を聞いたときにも,果てには「蹴る」という単語を発したり聞いたりしただけでも,全て同じように発火する. p.22 また,リゾラッティらはF5野にカノニカルニューロンというもみつけた これはものをつかむ行動をとるときにも発火する細胞であると同時に,つかむことのできる対象を見ただけでも発火したのである. これは,ギブソンのアフォーダンスに対応する脳活動だろう. ミラーニューロンが注目されるのは,それが他人の行動を自分の事として反応するからだ. それが、模倣学習を支える脳機能というだけでなく,社会性の発露としてとらえられる. 個人個人が分かたれた存在である事を過度に強調してきた西洋思想にとっては重大であり,物質還元無き事実は認めない狭量な科学にとっては大きなことだったのだ. さて,とある俳優のスピーチとして引用されたいた言葉がそのとおりだとおもった.  p.318 (以下要約) 「神経科学者が他人の行動や表情をみて自分が行動や表情をだしたときに発火するのと同様に発火するニューロンを見つけて,この特性をとんでもないものと思っているようだが, そんなものが脳にあるということは私たち「俳優」はずっと前から知っていた. 私たちは苦しい人の苦しい顔をみて同じように感じる事ができる.」 ミラーニューロンにせよ,カノニカルニューロンにせよ, それは「発見」なのだろうか? 逆にそれが 存在しない と考える方が無理が有るような気もしてくる. カノニカルニューロンの存在自体はアフォーダンスについての一連の研究である意味わかってることだ. それを何処の脳部位が担当しているか「だけ」が少し分かったって事だろう. 最近の脳科学における「発見」とは,純然たるサイエンスの発見からズレた何かがあるような気もする. 難しいかもしれないが,あまり踊らされてはいけない. ミラーニューロンの発見にせよ,どこか 「アメリカ大陸の[発見]」 に近いものを感じるのだ. あれは発見だったのだろうか? あくまで,西洋人にとっての発見であり,非常に相対的な認識の変更に過ぎない. ちなみに,難しいし,注意すべきことの一つは ミラーニューロンについては,大体場所が分かったという話で 「何故,人間は他者の行動をみて自分の事と同様に認識できるのか?」 という問題には私的にはほとんどまったく応えられていないと言うことだ. Aさん 「なぜ,コンピュータはWordを走らせる事ができんですか?」Bさん 「Wordがインストールされているからです.」 Aさん 「うーん.Wordはどうして動くことができるんですか?」 Bさん 「CPUがあるからです.」 Aさん 「Wordはどんな仕組みをしてるんですか?CPUはどうして動くんですか?」 Bさん 「知りません,でも,その存在は分かっています.」 いいたいのは,知能については「存在証明」も大事だが「プロセス証明」「出自の証明(学習過程・獲得過程)」の説明もまた大変困難であり,重要な仕事だという事だ. そこについては,殆ど分かっていないし. ニューラルコリレーション(脳の部位を調べる)がどれだけの研究ツールとしての威力を維持できるかも分からない. 人間がなぜ他人の行動を見て自分の事のように感じられるかは ミラーニューロンがあるからだが, ミラーニューロンがなぜ他人の行動を見て自分の事のように感じられるようにできるかは よく分かっていない. 文章自体がもう少し,軽くよめれば,一読を勧めたい面もあるが, ちょっと重かった気がする. 新書サイズででてほしいところだ.

Posted byブクログ

2014/12/18

神経科学から心理学,社会学へと広がるその学際性がすばらしい.バイオの世界には未知な領域が多いが,脳の中身はまさに不思議だらけだ.

Posted byブクログ

2012/06/25

ミラーニューロンについて、研究の段階がわかりやすく書いてあります。 ミラーニューロンについて、知るには良い本やと思っています。

Posted byブクログ

2012/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ものまね細胞が「共感」の土台としてあるというのは、 ラカンの鏡像段階を裏付ける結構有力なものなんだろうな。 この間読んだ山田風太郎の短編に共感覚者の話があったけれど、 それはミラーニューロンの変質がもたらすものらしい。 「赤ん坊は模倣によって学習をする」という話は非常に得心のいく。 なぜなら、 「まねる」と「まなぶ」の語源が共に「まねぶ」だということからもわかるけれど、 昔から言われてきたことであるし、 「模倣する」ことが「学び」を最大化させるという持論を持っていたからでもある。 ミームとミラーニューロンとの関連も興味深い。 模倣し合うと仲良くなりやすい、というのも実体験からわかる。 なんだかものすごいエビデンスだなぁ、このミラーニューロンというやつは。 また、 メディアがミラーリングシステムに与える影響という、 ミラーニューロンは他人に共感できるという良い面もあるが、 反面、暴力表現に誘発される無意識的な模倣暴力を生みだしているかもしれないという話は、 今までの「言論の自由」あるいは「表現の自由」論者の、 「人は自主的な意思決定者である」という予断が、 ミラーリングシステムという制御不能な生物学的自動性の発見により、 喝破される可能性を示唆している。 「非実在青少年問題」にも絡んでくる問題だな。 大きなところで言うとサルトル的な「実存」もヴァシレイト(使いたいだけ)してくるよね。

Posted byブクログ

2011/12/08

第1章 サルの「猿真似」 第2章 サイモン・セッズ 第3章 言葉をつかみとる 第4章 私を見て、私を感じて 第5章 自分に向きあう 第6章 壊れた鏡 第7章 スーパーミラーとワイヤーの効用 第8章 悪玉と卑劣漢―暴力と薬物中毒 第9章 好みのミラーリング 第10章 ニューロポリテ...

第1章 サルの「猿真似」 第2章 サイモン・セッズ 第3章 言葉をつかみとる 第4章 私を見て、私を感じて 第5章 自分に向きあう 第6章 壊れた鏡 第7章 スーパーミラーとワイヤーの効用 第8章 悪玉と卑劣漢―暴力と薬物中毒 第9章 好みのミラーリング 第10章 ニューロポリティクス 第11章 実存主義神経科学と社会

Posted byブクログ

2011/10/23

(ミラーニューロンが)知覚を追体験する→知覚を強化 ※常に追体験するのはしんどい→スーパーミラーニューロンによる調整あり 模倣行動を通じて形成されるミラーニューロンの働きが関与すると考えられる

Posted byブクログ

2011/06/18

脳の仕組みを知ることは、人間社会の仕組みを解き明かすこととほぼイコールなのだなあと思わされた。こんな面白い本に出会えたことに感謝。

Posted byブクログ