疾走する精神 の商品レビュー
偶有性の海に飛び込めというメッセージが心に響いた。 持続可能性の中にある多様性を保つことが、これからの世界を形作っていくために大事だとあった。 真·善·美に通じる本物の知性を持って、グローバル化するインターネット社会にうまくのっていきたいと思った。
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「グローバリズム」「無限」「アカデミズム」「多世界解釈」「音楽」など、20のテーマについてのエッセイです。 われわれを取り巻く世界は、たえまなく変化しつづけており、無限の多様性に満ちています。われわれの脳は、こうした世界からやってくる情報の海のなかを泳ぎわたっており、こうした世...
「グローバリズム」「無限」「アカデミズム」「多世界解釈」「音楽」など、20のテーマについてのエッセイです。 われわれを取り巻く世界は、たえまなく変化しつづけており、無限の多様性に満ちています。われわれの脳は、こうした世界からやってくる情報の海のなかを泳ぎわたっており、こうした世界のかぎりない豊饒性をあじわうことが大きな喜びであることはたしかでしょう。本書で著者が説いているのは、固定したものの見かたにとらわれることなく、豊饒な世界を駆け抜ける「疾走する精神」のありようです。 ただし、たえず変化しつづける世界のなかで、どこまでも自己を拡散させて自己を見うしなってしまってもいけないと著者は考えます。贅沢な「源泉かけ流しの温泉」のような情報の海のなかで出会われるさまざまな知の萌芽を凝縮し、あたらしいものを生み出すことに努めなければなりません。そうした経験のありようを教えてくれるのが、優れた芸術だと著者はいいます。優れた芸術に触れることは「絶対」的なものを経験することであり、そうした経験はたえず新しいものへと移っていく宇宙のなかで結晶化された「奇跡」のようなものだと述べられています。 こうした著者の議論に対して、脳や宇宙についての恣意的なイメージを振り撒いているだけだと批判する向きもあるかもしれません。ただ個人的には、人間の精神のポジティヴなイメージをえがき出すエッセイとしておもしろく読みました。
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専門性に基づいたエッセーだと思って読んだけれど、良くも悪くもこれは文学だな、という感想。独自の言い回しや言葉の選び方で世界のシステムや物理法則や認識について表現していて文章にセンスがあるとは思うけれど、あまり具体的ではなくて、装飾過多なイメージ。 もっと端的にシンプルに説明して欲...
専門性に基づいたエッセーだと思って読んだけれど、良くも悪くもこれは文学だな、という感想。独自の言い回しや言葉の選び方で世界のシステムや物理法則や認識について表現していて文章にセンスがあるとは思うけれど、あまり具体的ではなくて、装飾過多なイメージ。 もっと端的にシンプルに説明して欲しい。音楽に例える表現も多かったけれどあまりしっくり来なかった。 自分で想像した種類の本では無かった、というだけで茂木さんが悪いわけではないけれど。
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世の中の多様性の大切さを脳科学に基づいて説明している。自然科学と社会科学の接点が脳の研究のなかにある。一度読んでも理解できるところは一部なので、そのうちまた読み直してみようと思う。
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中央公論での2007年連載「新・森の生活」の単行本化。 いくつか他の著書で披露された内容と重なる箇所もありますが、「多様性」に焦点を絞って論じているので別の角度から読めました。
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すこしむずかしいところがあったのですが電車の名なかでも集中して読んでいたら、ずーっと読んでいなきゃいけないといって前に座った学生さんは下りてゆきました。 とてもいいほんです。
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茂木氏の著述は、常に力強い。時に煽動的な部分があるが、引用や経験則からくるロジカルな論述は好きだ。 森の生活とパノプティコンによる現世の描写、「絵画の前に立つとき」でうたわれる美術と対話、本物の知性について言及した末巻での「運命の女神の着衣の袖に」、どれも下手な作家よりも端的で...
茂木氏の著述は、常に力強い。時に煽動的な部分があるが、引用や経験則からくるロジカルな論述は好きだ。 森の生活とパノプティコンによる現世の描写、「絵画の前に立つとき」でうたわれる美術と対話、本物の知性について言及した末巻での「運命の女神の着衣の袖に」、どれも下手な作家よりも端的で印象的。
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「絶対」という言葉の意味を、この本で初めて知った。 「絶対」といってしまうと、人によって違うから「絶対」なんてない、という反論が必ずだされる。しかし、たとえば、音楽を追求するのならば、自分にとっての「絶対的音楽基準」はあるわけで、<「絶対」とは、一個人にこそふさわしい概念>に深...
「絶対」という言葉の意味を、この本で初めて知った。 「絶対」といってしまうと、人によって違うから「絶対」なんてない、という反論が必ずだされる。しかし、たとえば、音楽を追求するのならば、自分にとっての「絶対的音楽基準」はあるわけで、<「絶対」とは、一個人にこそふさわしい概念>に深くうなづいた。 ようは、真実というのは無数にあるが、自分の真実の方向は、やっぱりひとつなのである。
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中高の現代文のテキストってこういうのだったよなぁという雰囲気。 脳科学者茂木さんのエッセイ。 このところ茂木さんの本をだーっと読んでるので、 あーこれあの本で言ってたなぁとか このエピソード好きなんだろうなぁとか 思いながら読めました。
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『疾走する精神――「今、ここ」から始まる精神』(茂木健一郎、2009年、中公新書) 20のトピックに関する茂木さんの詩であり、語り。 たんたんとつづられているが、美しい。 それでいて本質をつくようなするどい洞察。 茂木さんの教養の深さと膨大な読書量が伝わってくる。 けっしてひ...
『疾走する精神――「今、ここ」から始まる精神』(茂木健一郎、2009年、中公新書) 20のトピックに関する茂木さんの詩であり、語り。 たんたんとつづられているが、美しい。 それでいて本質をつくようなするどい洞察。 茂木さんの教養の深さと膨大な読書量が伝わってくる。 けっしてひけらかしではないのはなぜだろう?不思議と嫌味ではない。 読み物としてもおもしろいし、 考え方を学ぶ書としての良いと思う。 (2009年9月16日) (2010年4月6日 大学院生)
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