麻薬とは何か の商品レビュー
人類の麻薬との関わりを古代から現在まで紐解いていくような内容。 麻薬について特に否定も肯定もしていない。
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麻薬の使用者が書いた、トリップしている時の感覚や薬が切れた時の辛さなどの感想文ではなく、歴史的に記載している珍しい本。 麻薬を肯定も否定もしていないところが良い。 もう少し、宗教がらみの事実の記載があるとベター。
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人間と麻薬との付き合いの歴史を、三人の編者が説明している本。 第一章では古代ギリシャ・古代ローマの文献から見る麻薬・アルコール類について説明している。『イリアス』『オデュッセイア』に麻薬(けし)の記述に加え、エラシストラトスやパラケルススらの冒険心ある活躍で発展を遂げてきたこ...
人間と麻薬との付き合いの歴史を、三人の編者が説明している本。 第一章では古代ギリシャ・古代ローマの文献から見る麻薬・アルコール類について説明している。『イリアス』『オデュッセイア』に麻薬(けし)の記述に加え、エラシストラトスやパラケルススらの冒険心ある活躍で発展を遂げてきたこと、『ギルガメッシュ叙事詩』にビール(といっても現代のそれとは少し異なるようだが)とワインの記述がされており、かつ食餌療法(ルネサンスまで続いた)としても使用されていたらしく、どれも興味深いものであった。 大国アメリカが自国の発展のために中国人を連れてきておきながら、自分たちの国の為という名目で、彼らの文化である阿片を禁止し排斥運動を行ったり、宗教がらみで飲酒を禁じておきながら、世界恐慌に陥ると離職率を減らすために酒造を許す、黒人をあからさまに見下し、大麻が蔓延している原因を彼らののみに押し付けるなど、人種差別と麻薬は密接に関わっていた事が綴られている(著者はこの一連の排除運動をアメリカ的なものが無かったため、歴史や伝統のないナショナリズムのためと考えている)。 と、アメリカばかりを批判出来ない状況が日本にもあった事には驚かされた。戦時中に特攻隊員に錠剤として、労働者に四六時中働いてもらうためにヒロポンが売られていたことは知っていたが、国会という場で覚せい剤を奨励する発言がされたことや、日本国内に覚せい剤が蔓延っている裏には在日朝鮮人が関わっているとして、排斥していた事実があったとは(覚せい剤の危険性に、不幸な事件という形で気づかせてくれた鏡子ちゃん事件があったことも知ることが出来た)。かつては疲労回復のための物が、単なる快楽を得るための道具になってしまった経緯に日本の発展の為という考えがあったのは皮肉だ。 自分用キーワード ・ビート・ジェネレーション(ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ) ・LSD(CIAの実験、ティモシー・リアリー、サマーオブラブ、ハームリダクション)
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戦中は特攻隊出撃時に、戦後は不眠不休の仕事・勉強時などに使われ、やがて禁止されるに至るヒロポンの歴史など。
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