ソクラテスの弁明 関西弁訳 の商品レビュー
回送先:川崎市立幸図書館日吉分館 船場ことばで訳されてはいるのだが、どうもしっくりこないというのが感想としてある。 というのも、訳者が『ソクラテスの弁明』の権威性に反感を持ちつつ、実態としては「ワイがわかんないもんを勝手におしつけよってからに」程度の浅ましさが、文体の端々から出...
回送先:川崎市立幸図書館日吉分館 船場ことばで訳されてはいるのだが、どうもしっくりこないというのが感想としてある。 というのも、訳者が『ソクラテスの弁明』の権威性に反感を持ちつつ、実態としては「ワイがわかんないもんを勝手におしつけよってからに」程度の浅ましさが、文体の端々から出てきてしょうがないのだ(船場ことばを用いようとした動機はまぁりかいできるとしても、である)。 ましてや訳者のキャリアを見て唖然。いくらなんでも「会社社長」に訳させんでもよかろうもん! かつての「軽チャー」時代のパルコ出版の残滓が見え隠れするので、お気に召さない方がいてもやむを得まい。
Posted by
読んでまず思ったのは「見事なくらいによく訳されているなぁ」。 流暢な関西弁(訳者の北口氏曰く、上品な「船場ことば」で、あの人間国宝の桂米朝さんの語りを意識されていたとか)で、かつ内容もこなれていると感じた。これは当然だが内容をしっかり把握していないとできないことだと思う。 しか...
読んでまず思ったのは「見事なくらいによく訳されているなぁ」。 流暢な関西弁(訳者の北口氏曰く、上品な「船場ことば」で、あの人間国宝の桂米朝さんの語りを意識されていたとか)で、かつ内容もこなれていると感じた。これは当然だが内容をしっかり把握していないとできないことだと思う。 しかし、学生時代には思いもしなかったのだが、今回読み返してみて感じたのは、「ソクラテスって余計なこと言いで、これじゃ人から嫌われてもしゃあないわな」ってこと。(言っていること自体は正しいのだけれどね。) 関西弁訳になったからと言って、内容がグレードダウンしたわけでは決してないので、「ソクラテスの弁明」をこれから読んでみたいという方にも、僕としては十分にお薦めできると考える。
Posted by