裁判長!おもいっきり悩んでもいいすか の商品レビュー
僕は結構裁判員に選ばれるのを楽しみに待っている方だけど、確かに実際選ばれたら悩むだろうなあと思う。 著者と一緒に悩みながら、法律や裁判の知識を身につけられる良書。 監修の弁護士の愚劣な死刑廃止論がそれなりの紙幅を取っているのが玉に瑕である。
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(2013.01.14読了)(2013.01.07借入) 副題「-裁判員制度想定問題集-」 弁護士の村木さんが問題を出して、北尾さんが評決を行い、村木さんが弁護士としての経験から評決に対する見解を述べるという形で構成されています。 事件の説明に入る前に必要な知識については、クイズ...
(2013.01.14読了)(2013.01.07借入) 副題「-裁判員制度想定問題集-」 弁護士の村木さんが問題を出して、北尾さんが評決を行い、村木さんが弁護士としての経験から評決に対する見解を述べるという形で構成されています。 事件の説明に入る前に必要な知識については、クイズ形式の設問をもうけて興味を持たせ解説を加えています。全体を読めば、どのような事件が裁判員裁判の対象になるのか、どのようなところが、量刑の際のポイントになるのか、がわかるようになっています。 今までの判例では、どれくらいのことをやれば、どれくらいの刑になっていたかということまでは、書いていません。新しく裁判員制度が始まったので、以前の判例とは、変わることが期待されているので、あえて書かなかったのかもしれません。 最近文庫版が出たようなので、興味ある方は、手に取ってみてください。 【目次】 はじめに 第1章 こんな事件でも裁判員制度の対象に?【事後強盗】 第2章 危険すぎる性癖【連続強姦致傷】 第3章 そして彼らは、火をつけた!【放火】 第4章 殺しの代償【殺人】 第5章 悩ましき懲役1年半~20年の幅【傷害致死】 第6章 悲惨な交通事故をクールに裁けるか【危険運転致死傷】 第7章 腐った愛【虐待】 第8章 「死刑」と「無期懲役」の間で(1)【死刑求刑事件】 第9章 「死刑」と「無期懲役」の間で(2)【死刑求刑事件】 第10章 そのとき「無罪」と言えるのか【否認事件】 おわりに 裁判員裁判は、法廷こそが勝負!! 村木一郎 完全な人はいない 北尾トロ ●国選弁護人の費用(18頁) 刑事訴訟法は、刑の言い渡しをした場合には原則として被告人に訴訟費用を負担させなければいけないとしています。 実際の取扱いでは、実刑判決の場合には免除することがほとんどで、逆に執行猶予をつける場合は負担させることが多いですね。 ●検察官の求刑より刑を重くしてもいいのか(55頁) 検察官の「求刑」というのは検察官の意見にすぎず、裁判官の判断を拘束する力はありません。裁判官は法律の範囲内で独自に判決を決めます。 ●「逆恨み」を重視すべきか(88頁) 逆恨みが身勝手なのは当たり前だし、被害者が警察に告訴するのも当然と言えば当然。しかし、逆恨みという事情を軽視するならば、犯罪の被害を受けても安心して警察に被害届を出すことができなくなりかねません。つまり犯罪が野放しにされてしまうという重大な影響があり得るのです。 ●傷害致死罪と殺人罪のちがい(104頁) 人の死亡という結果は同じでも、「殺意」があるかないかで、「死刑、無期懲役」が加わるかどうかが決まるわけです。 ●危険な運転(127頁) 危険な運転というと、たとえば居眠り運転、脇見運転、あるいは過労運転なども該当すると思われがちだが、なぜか条文には含まれていない。 ●薬物の影響による運転(128頁) 「薬物」というと麻薬や覚せい剤などの禁止薬物がすぐに思い浮かぶだろうが、市販されている鎮静剤や風邪薬も「薬物」に含まれる。 ●死刑廃止の動向(168頁) 現在、法律上あるいは事実上の死刑廃止国は135を数えています。国連加盟国は192ですから、死刑を存置している国や地域のほうが少ない状況にあります。 2008年10月31日、国連の自由権規約委員会は日本政府に対し、明確に死刑廃止へ向けた努力をするよう勧告しました。 ●推定無罪(203頁) 「わからない→無罪の十分な証拠がない→だから有罪」ではなく、「わからない→有罪の十分な証拠がない→だから無罪」。 「疑わしきは被告人の利益に」 ☆関連図書(既読) 「裁判員法」船山泰範・平野節子著、ナツメ社、2008.06.09 「あなたが裁く!「罪と罰」から「1Q84」まで」森炎著、日本経済新聞出版社、2010.11.05 (2013年1月15日・記)
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作者は傍聴マニアの北尾トロ。 模擬判例に作者が判決を回答することで裁判について考える本。 自分の意見と作者の意見を照らし合わせてみてわかったこと。 被告人のこれまでとこれからに寄り添って考えれていなかったこと。というより寄り添うことを無意識的に放棄していた。 完全な情報で判決...
作者は傍聴マニアの北尾トロ。 模擬判例に作者が判決を回答することで裁判について考える本。 自分の意見と作者の意見を照らし合わせてみてわかったこと。 被告人のこれまでとこれからに寄り添って考えれていなかったこと。というより寄り添うことを無意識的に放棄していた。 完全な情報で判決を下せる例などない。被告人、被害者(とその周りの人々)が背負ってきたものと背負っていくものは想像力で補わなければならない部分が多い。 自分の想像力に潜在する「決めつけ」の割合にぞくっとした。 わからないことを決めつけてしまうことの凶悪性。 あとがきにある作者の言葉。 「似たような事件を、ぼくは法廷で見ているのだ。判決だって知っている。なのに、自分で裁くことを意識しただけで、これまで得た知識は吹き飛んでしまう。なぜこんなにも自分の意見に自信が持てないのか」 「でも、ぼくたちはそういう、プロから見れば無駄なところで迷うことができる。誰のためでもない、自分のためにだ」 決めつけることの楽さと凶悪さ。忘れないようにしよう。
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またもや裁判長シリーズ。だけど、傍聴記と違う。 著者と弁護士が生徒と先生(?)となって、裁判に関する様々な問題を解説していく。 この本を読むと、一般裁判員として人を裁くということが、本当に難しいことなんだということを実感させられる。 刑法についての問題には答えがある(○○罪の場合...
またもや裁判長シリーズ。だけど、傍聴記と違う。 著者と弁護士が生徒と先生(?)となって、裁判に関する様々な問題を解説していく。 この本を読むと、一般裁判員として人を裁くということが、本当に難しいことなんだということを実感させられる。 刑法についての問題には答えがある(○○罪の場合、懲役×年以上、または△△万円以下の罰金に処される等)が、実際こういう犯罪が起きて、あなたならどういう判決が適当だと思うか、といった問いには、はっきりした正解はない。けど、裁判ではそれを求められる。 そして、その判断によって、被告人・被害者側どちらともの一生を左右しかねない。 いろんなことに気づかされるので、読んでよかったと思う。
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もし自分が裁判員に選ばれたら。 それを考えて読みました。 犯した罪に対して、感情ではなく、法律に照らし合わせて罰を決めるという行為が、いかに大変なことなのか痛感させられた。 刑期を終えた人間が再び罪を犯した場合には、前回の罪を踏まえるべきなのか、前回の罪への償いは済んでいるとみ...
もし自分が裁判員に選ばれたら。 それを考えて読みました。 犯した罪に対して、感情ではなく、法律に照らし合わせて罰を決めるという行為が、いかに大変なことなのか痛感させられた。 刑期を終えた人間が再び罪を犯した場合には、前回の罪を踏まえるべきなのか、前回の罪への償いは済んでいるとみなすのか、大変悩ましいです。 しかし、酩酊状態で罪を犯した人間の罪を軽減するのは、どうしても納得が行かなかった。仮に、酩酊を考慮して罪を軽くするのであれば、そのような人物からは、今後、飲酒する権利を剥奪する罰則を与えるべきではないのか。
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例題がほぼあってしまう自分がこわい…。 傍聴には行ったことがないが、この手の本は読むのが好きなのだ。
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裁判員制度想定問題集と銘打っているだけあって、実際に悩みそうな事例がいっぱいのっていて面白い。 私は厳しい判決を下すタイプのようだ。 著者や弁護士の見解よりも、全体的に厳しい予想を立てた。 でも疑わしきは罰せず派でもある。 「それでも僕はやってない」の映画の冒頭に、 十人の犯罪...
裁判員制度想定問題集と銘打っているだけあって、実際に悩みそうな事例がいっぱいのっていて面白い。 私は厳しい判決を下すタイプのようだ。 著者や弁護士の見解よりも、全体的に厳しい予想を立てた。 でも疑わしきは罰せず派でもある。 「それでも僕はやってない」の映画の冒頭に、 十人の犯罪者を見逃しても、一人の無辜を出すな というのがあってそれはそうだなあと思うので。
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裁判員制度が始まりました! しかし・・・いきなり凶悪犯罪を裁けと言われても……。でも、これさえ読めば大丈夫?!面白くて、ためになる想定問題の数々。法律知識も自然と頭に入ります。いつか裁判員になった時のために!
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