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微熱天使 の商品レビュー

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全編オールカラーの贅沢仕様

成年誌で定番のA5サイズ、全128頁というボリュームにしては不釣り合いな高価格に違和感たっぷりだったが、中を見ると納得する。何とも豪華で贅沢なオールカラー仕様だった。 実は色付けが苦手なんです、という漫画家は意外と多い。そんな中で数少ない、カラーに冴えを見せる1人が小林拓己...

成年誌で定番のA5サイズ、全128頁というボリュームにしては不釣り合いな高価格に違和感たっぷりだったが、中を見ると納得する。何とも豪華で贅沢なオールカラー仕様だった。 実は色付けが苦手なんです、という漫画家は意外と多い。そんな中で数少ない、カラーに冴えを見せる1人が小林拓己女史である。作者自身が得意なのか、得意なアシスタントが居るのかは定かでないが、元々可愛い女性像がとにかく映える。瞳の色をいろいろ変えるのも、良い意味でアニメ的。髪の質感もカラーでさらに増しており、表情もより豊かに見える。こうした、小林カラー作品の魅力がびっしり詰まった作品である。 しかし、全14編収録というのを盛り沢山とするか、各作品がボリューム不足とするかで内容には賛否が分かれると思う。キホン8頁、10頁の作品もあるが、逆に6頁や7頁の小品もある。短編というよりショートショート。ストーリーも、とにかくさっさと脱がせて、合体するのを優先しているせいか、設定やシチュエーションにはかなりの無理がある。要するに「ありえねー」話ばかりということ。それでも小林作品らしいコメディオチの、明るく元気な作風で心地良い読後感は得られる。 高校生の甘酸っぱい青春の1コマを抜き取ったような、官能描写のない作品(3編)はなかなか秀逸。実用性はゼロだし、そうした気分を脇に置いて読むことになるが、個性と容姿の異なるヒロイン達の、瑞々しくて愛らしい“恋の始まり”が2編で描かれており、残る1編は、男が出てこない、女の子同士の友情物語である。各作品は小粒ながら、カラーという特長だけでなく、内容的にも小林作品の魅力はギュッと凝縮して詰まっている。

DSK