雇用の常識「本当に見えるウソ」 の商品レビュー
終身雇用は崩壊していない。転職は一般化していない。成果主義は一般化していない。派遣社員の増加は請負業者の変わったもの。正社員はむしろ増えている。しかしそれよりさらに派遣社員が増えた。格差は20年間広がり続けているが、それは高齢化と経済の成熟によるもの、etc.
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終身雇用や成果主義といった人事体系に関することから、派遣社員の問題、正社員の減少等、世の中に流布することをアンチテーゼとして数値という根拠を持って説明し自論を展開している。 この中で興味深かったのは女性が社会進出することで、20年間といったスパンでみると正社員も派遣社員も総体的...
終身雇用や成果主義といった人事体系に関することから、派遣社員の問題、正社員の減少等、世の中に流布することをアンチテーゼとして数値という根拠を持って説明し自論を展開している。 この中で興味深かったのは女性が社会進出することで、20年間といったスパンでみると正社員も派遣社員も総体的に増えている。それに対して男性の労働力率は女性に押し出されるようにして低下している現実がある。そんな中問題は全体的に日本人の働き手が減少している点である。 全体的にいま世の中で問題視されていることについて、分母にあたる数値の取り方や人口動態から考えるとマスメディアなどが報道していることが果たして本当なのか疑問を感じてしまう。それを確かめるには面倒くさがらず自分で実際に調べる必要がある。そうすると現実が見えてくるかも。
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本当に見えるウソとウソのような本当 これって結局統計をどう読むかによって変わってくることではないのだろうか。 今の時代政府発表の統計も過去と対比させるほど有能なものではないしなおかつ外国の統計との比較なんて強引すぎる気がする。 うまく統計を読んでまとめて再構築されて...
本当に見えるウソとウソのような本当 これって結局統計をどう読むかによって変わってくることではないのだろうか。 今の時代政府発表の統計も過去と対比させるほど有能なものではないしなおかつ外国の統計との比較なんて強引すぎる気がする。 うまく統計を読んでまとめて再構築されているのは分かるのだがそれがすべて有効だかはわからないのがもどかしい。
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数字で突く労働問題の核心 ― http://www.president.co.jp/book/item/314/1912-3/
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面白くなかった。タイトルにある「常識」がそこまで「常識」なものかな?と思い始めてからは特に面白くなかった。事実の羅列なのか、それに対する反論なのかのスイッチの切り替えの曖昧さも読みづらかった。 2009年の本だからか、森永卓郎の発言を引用した「常識」が頻繁に出てくるけど、彼はタ...
面白くなかった。タイトルにある「常識」がそこまで「常識」なものかな?と思い始めてからは特に面白くなかった。事実の羅列なのか、それに対する反論なのかのスイッチの切り替えの曖昧さも読みづらかった。 2009年の本だからか、森永卓郎の発言を引用した「常識」が頻繁に出てくるけど、彼はタレントであって識者じゃないし、極端なことを言ってるだけなのに、「これはこういう事実があるから違う」とか書いてあるのがまたなんか萎える。そんなに真面目に反論するような言説でもなんでもないだろうに… あと「TV番組で言ってた」は読者が確認する術がないからやめてほしい。(web記事の引用もかな…)もしかしたら違うメディアで訂正してる可能性は考慮にいれていないようだし、なんかズルい。 ・細かな気になった点 構成図の棒グラフで全部の要素が同じ色のものがあった。見づらい。(P178) あとがきの抽象的な感想文は図をいれた方が絶対わかりやすい。 「識者はこう見る」のコーナーのレイアウトが変わり過ぎ。 挿絵の「エンゼルバンク」が意味不明。本文との関連が薄すぎる。 小見出しの誤字(P128)
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読むのがたいへんな本である。 常識と思われていることを、データをもとに丁寧に検証しており、その検証を追っていくことで頭をつかう。 終身雇用は崩壊していない、 転職はちっとも一般化していない、 正社員は減っていない、 派遣社員の増加は、正社員のリプレイスが主因ではない、 などと検...
読むのがたいへんな本である。 常識と思われていることを、データをもとに丁寧に検証しており、その検証を追っていくことで頭をつかう。 終身雇用は崩壊していない、 転職はちっとも一般化していない、 正社員は減っていない、 派遣社員の増加は、正社員のリプレイスが主因ではない、 などと検証する定説は、検証しがいがあるものばかり。 何をもって日本型雇用が変わってきたというのか、 データをもとに語ってこなかった自分は考えさせられるものがある。 3年くらい前に購入して、なかなか読み進めることができずにいたが、あらためて読んでみると2009年頃の風潮を少し感じる。 それでも、今読んでも、発見がある検証をしている。 人口動態の変化の影響、少子化による大学全入時代の到来、女性の社会進出の増加などの影響は案外軽視されがちかもしれない。 昔の日本の雇用はよかった、今の日本の雇用はけしからんという人にこそぜひよんでいただきたい1冊。 “急速に増えた女子大生は、就職も好調。そのあおりで男子は就職数・率ともに低下。”
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巷に溢れる雇用に関する風評に対し、データを精緻に分析することで誤りを指摘し、正しい姿を見せてくれる。 いささか強引な考えを推し進める箇所もあるが、全体的にはフムフムと納得できる部分が多い。 やっぱり海老原さんの本はデータ分析のお手本になる。 自分もこんな風にデータを華麗に扱って...
巷に溢れる雇用に関する風評に対し、データを精緻に分析することで誤りを指摘し、正しい姿を見せてくれる。 いささか強引な考えを推し進める箇所もあるが、全体的にはフムフムと納得できる部分が多い。 やっぱり海老原さんの本はデータ分析のお手本になる。 自分もこんな風にデータを華麗に扱ってみたいもんだ。
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海老原氏は毎回データに基づいた議論を展開していて、ひじょうに分かりやすい。無責任な風評が一日も早く消えることを願っています。
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最近の学生は、3年で3分の1が退職するというが、それは最近だけの傾向なのか?実は昔からそういう傾向である。というのをあらゆる統計数字を用いて説明しています。
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この数年間、景気が悪くなってきたために就職活動が難しくなってきて、それを行っている若者は大変だなと思っています。そう思っていたところへ、この本の帯に書かれている「正社員は増加している、若者=犠牲者は間違い!、」という内容は衝撃的でした。 この本では、それらの内容を客観的なデー...
この数年間、景気が悪くなってきたために就職活動が難しくなってきて、それを行っている若者は大変だなと思っています。そう思っていたところへ、この本の帯に書かれている「正社員は増加している、若者=犠牲者は間違い!、」という内容は衝撃的でした。 この本では、それらの内容を客観的なデータ(だれでもホームページからダウンロード可能なもの)で説明しているところに説得力がありました。物事を判断するには、正反両者の意見を聞くことが大切であると思いました。 以下は気になったポイントです。 ・1960年代に日本の経営は終身雇用であるとアベグレンが彼の著作の中で記したが、彼が調査したのは典型的な大資本の大工場のみ、中小規模の工場では全くの転職社会(p10) ・1970年代前半に、20代前半の年間転職率は20%のであった、最近では大卒3年で3割が転職とあまり変わらない、あり得る姿は、若年時に数回の転職をして30代までに決定して、その後に定年まで勤める(p11) ・80年代よりも2000年以降のほうが勤続年数は長い、長期雇用慣行は強化こそすれ、崩壊していない(p13) ・男性正社員の驚異的定着の裏に、男性非正規雇用者と、女性が雇用の緩衝材となった(p17) ・生涯賃金を考えると、転職は2回程度にしておくのが正しい、40歳の場合、転職ゼロの平均年収:731に対して、697(1回)、618(2回)である(p24) ・高校卒3年離職率はこの15年間変化ないが、大卒は増加傾向にある、この理由は、90年以降に大学進学率がアップして、卒業者が30%以上の増加したから(p30) ・給与差が広がっているのは事実であるが、大企業の40代以上で、過去比較で平均6%(上に3%下に3%)程度(p37) ・業界全体は、製造派遣解禁とともに、請負(請負会社の直接雇用)から派遣へと事業転換してきたというのが実情で、ほぼ同じ待遇で働いている(p48) ・生産年齢人口は1996年にピークとなり、もう12年も減少(600万人、8%)している、正社員数は1998年に3800万人でピークとなり、現在3400万人強(380万人減少)両者はほぼリンクしている(p55) ・生産年齢人口あたりの正社員比率は41%程度をこの20年以上キープしている、正社員も非正社員(正社員は1984年から20年間で3441万人:108万人増加) も増えている(p57) ・少子高齢化は、大学で言えば、非ブランド校が打撃を受け、職業でいえば、非ホワイトカラー職が打撃をうける(p75) ・ジニ係数は、全国消費実態調査は二人以上世帯のみで算出しているため、ジニ係数の拡大傾向は弱くなっている、1979年から2003年までで、0.26から0.30程度(p85) ・ジニ係数は、長期的に見ると、小泉改革以前から格差が広がっていることを示すが、それはあまり語られない(p92) ・製造派遣などの職務は3年以上の契約更新が不可能、継続する場合には、直接雇用義務が発生、この運用開始が2006年3月から(p94) ・近年の若年正社員の減少は、1)総人口の減少、2)大学・大学院への進学率アップによる就学中の人の増加が、要因となっている(p106) ・20年前だと高卒就職者:51万人、大卒就職者:30万人だったのが、現在は各々、17万人、40万人になっている、その結果、かつて大学をでたら就けると思われていた仕事は枯渇状態(p107) ・1984年と現在を比較すると、正社員の数は減少どころか108万人増えている一方で、「自営+家族従業員」は653万人減少している、小規模法人を入れると1000万人近い減少、これより、かつてなら零細商工の従業員が非正規になったと考えられる(p119) ・長期トレンドで失業率が上がり続けるのは、経済発展による社会の成熟、経済の成熟は、1)成長率の低下、2)ミスマッチにより失業率の上昇を引き起こす(p124) ・日本は40年前までは中進国だった、1967年にGNPで資本主義2位になったが、当時の日本は、イギリス・フランス・西ドイツ・イタリアの2倍強の人口であった、人件費が安く進学率が高いので、安価で質のよい労働力を活用できる日本企業は成長を続けることができた(p196) ・1980年半ばまで、日本は欧米比で、人件費が今の韓国並み、だから世界に出る必要はなく、日本で作れば世界一安い製品が作れた(p196) ・60年代の猛烈な少年犯罪多発社会を日本はどのように変えてきたか、1)経済成長による所得アップ、2)高学歴化(高校進学率アップ)、3)進学競争による日本型生徒管理システムの完成、がある(p202) 2010/11/27作成
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