女が読む太宰治 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 座右の書、作家道、芸人魂、恥かしがり方、熱狂の冷まし方、愛され方、自己演出法、妻のあり方、読書でイク法、小説の書き方、読者の選び方。 たとえ反面教師であれ、ぜんぶ彼が教えてくれた! 12人の現代女性が読む新しいダザイ。 [ 目次 ] 他人のフリして我がフリ治せ―「グッド・バイ」ほか(佐藤江梨子) 嘘だから―「駈込み訴え」(山崎ナオコーラ) 皮膚と心とサザエと、この世界―「皮膚と心」(西加奈子) マヌケな響きと「戦争」―「トカトントン」(雨宮処凛) 遍歴の向こうの景色―「富嶽百景」(津村記久子) 愛され太宰の一生―「人間失格」ほか(辛酸なめ子) 冷たい人なのに、好きになってしまう―「人間失格」ほか(香山リカ) 入り込み、入り込まれることの恍惚と動揺―「女生徒」(平安寿子) サバイブする妻たち―「ヴィヨンの妻」「おさん」(井上荒野) 「津軽」無事へのまなざし―「津軽」ほか(中沢けい) 男と女は変わらない―「千代女」ほか(太田治子) 草葉の陰でそっと泣け―「眉山」(高田里惠子) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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女優、作家、医者…様々な立場の女性たちがつづる、太宰治に関するエッセー集。 なぜ「女」の視点が求められたのか、太宰が心中未遂を繰り返したスキャンダラスな作家だからなのか。編集部の意図は不明だが、本書を読めば太宰作品を読みたくなる、読み返したくなるのでは。 ぜひ、老若男女問わず手に...
女優、作家、医者…様々な立場の女性たちがつづる、太宰治に関するエッセー集。 なぜ「女」の視点が求められたのか、太宰が心中未遂を繰り返したスキャンダラスな作家だからなのか。編集部の意図は不明だが、本書を読めば太宰作品を読みたくなる、読み返したくなるのでは。 ぜひ、老若男女問わず手に取って、新たな視点を得て議論を交わしてみてはどうだろう。
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この本は、12人の女性による太宰治考です。 内容は、太宰LOVEの人や反面教師的、 作家としての小説道、座右の書など様々です。 佐藤江梨子、津村記久子、辛酸なめ子の文章は 他の作家に負けないくらい面白いです。
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山崎ナオコーラの文章が結構好きかもしれないと思った。 それに彼女がレビューを書いていた「駆け込み訴え」大好き。 「はいはい、申し送れました」の下りは私もぞっとした。 この時のユダの気持ち、なんかとってもよく解ってしまうんだ。 大好きで大好きで、それゆえに何だかどうしたらいいか...
山崎ナオコーラの文章が結構好きかもしれないと思った。 それに彼女がレビューを書いていた「駆け込み訴え」大好き。 「はいはい、申し送れました」の下りは私もぞっとした。 この時のユダの気持ち、なんかとってもよく解ってしまうんだ。 大好きで大好きで、それゆえに何だかどうしたらいいか解らない。 この気持ちがどうにもならない。苦しい、ただ苦しい。 そして最後に見るぞっとするくらいの人間っぽさ。 たまらんねえ。黒くて汚い感じが、たまらんよ。 山崎ナオコーラとの見解はちょっと違ったけど、やっぱ好きだ。 それから平ら安寿子の文章も良かったなあ。 「心の芯をぎゅっとつかまれて、凄いエクスタシーだ。」 「そのことが恥ずかしい、口惜しい、それなのに忘れられない。」 「セクシーなことなんてひとつも書いてない『女生徒』で官能直撃、悪い人だ。」 私の気持ちを代弁してくれてありがとうございます!!!笑 太宰の小説って、別に情事について細かく説明されている訳じゃやないのさ。 なのに、なのに、なぜかものすごい色気を感じてしまう。 とりあえず、良いです。 これから太宰を読もうとしている人にも 何から読もうか決めるのにオススメです。
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サトエリの寄稿はちょいがっくし。「眉山」「千代女」は読もう。 今まで読んだ太宰では「斜陽」が一番好きだし、戦後の作品のほうがメジャーでその後の顛末を知ってるからイメージしやすいけど、戦前の作品もちゃんと読み直そう。
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太宰は絶望や反逆や苦悩の中で最終的に自殺を選んだが、でも絶対に感謝があった人であると思う。 恥ずかしさを胸に抱いて、それでも生きてる自分を確かめながら、その有難さを筆に込めていたのではないだろうか。 太宰は精神医学の世界でしばしば取り上げられる症例。自分は特別にすぐれた人と万能感...
太宰は絶望や反逆や苦悩の中で最終的に自殺を選んだが、でも絶対に感謝があった人であると思う。 恥ずかしさを胸に抱いて、それでも生きてる自分を確かめながら、その有難さを筆に込めていたのではないだろうか。 太宰は精神医学の世界でしばしば取り上げられる症例。自分は特別にすぐれた人と万能感を持ったかと思うと、次の瞬間には自分は最悪の人間と落ち込み、安定したペースで仕事を続ける友人などに嫉妬の環状を思える。自嘲的に見せつつ、太宰が実は芥川賞などの社会的な評価に固執しする。
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色々な女性が太宰についてそれぞれに思い入れを語るエッセイ。 私も太宰が好きなのですが、人それぞれなわけで、「わかるわかる」って想いながら読める人もいれば「へーそっか」で終わる人のエッセイもある。辛酸なめ子さんが一番面白かったかな。 太宰好き女性ならちょっと読んでみて面白いと思う...
色々な女性が太宰についてそれぞれに思い入れを語るエッセイ。 私も太宰が好きなのですが、人それぞれなわけで、「わかるわかる」って想いながら読める人もいれば「へーそっか」で終わる人のエッセイもある。辛酸なめ子さんが一番面白かったかな。 太宰好き女性ならちょっと読んでみて面白いと思うけど、買って手元に置いておきたいと思うほどでもない本ていう印象でした。 太宰が女心をくすぐるんだなと改めて思わされる本で御座います。
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女性作家12人が編集部に依頼されて書いた「太宰治について」。全く読んだことのない人から、太田治子さんまで、という、多彩といえば多彩(安易とも言う?)な人選。で、読んだ感想は・・・う〜〜ん、やっぱりちょっと太宰に関する温度差がありすぎて微妙かな。皆さん、一癖も二癖もある作家さんたち...
女性作家12人が編集部に依頼されて書いた「太宰治について」。全く読んだことのない人から、太田治子さんまで、という、多彩といえば多彩(安易とも言う?)な人選。で、読んだ感想は・・・う〜〜ん、やっぱりちょっと太宰に関する温度差がありすぎて微妙かな。皆さん、一癖も二癖もある作家さんたちだから、他の人とは違う角度から攻めたい、といったような「書く姿勢」が太宰に対する思いを超えてたみたいで。初めて読んで、好きでも嫌いでも、へぇ〜〜〜と思った感想でも面白かったと思うんだけど、きっとそうは言いたくないんだね・・・。太宰治は、青春の書と言われるくらいだから、大人になって初めて読むと、すとんと入り込めないものがあるんじゃないかな。ただ、平安寿子さんが中二のころに読まれたという「女生徒」に関する感想がよかったんですよ。私もちょうどそのころ読んで、「人間失格」ほどの驚きはなかったけれど、やはり、あぁ、これは私だ!と思ったことを思い出してね・・・。以下、ちょっと長くなりますが、まんま、引用します。“作中の女生徒は、読書の影響でえらくなった気になって他者を見下す傲慢さを、言葉で把握している。なのに私は自覚できてなかった。それがショックだった。わたしは自分が思っているほど利口じゃないんだ。「女生徒」の主人公は、わたしの肥大した自意識が持っていた、根拠のない高慢を暴き出した。それだけでなく、知的レベルでわたしを負かした。”平さん〜〜〜!!! 上手いよぉ〜〜〜!将来プロの作家さんになった人と、今現在一主婦の私の中学時代を比べるのも比べるのも変な話だけど、私は、ただ、あ、私と似てる!しかも、その自意識の強さがイヤな奴だなぁ、と思っただけなんだもの。まさに、言葉で自分を把握されていた平さんに、なんで私が中学時代にあんなに「女生徒」が気になったのかを今教えられてしまった・・・。それだけでも、この本を読んだ価値がある!と、これはホントに嬉しかった。(#^.^#)ちょいとブームに乗ってみました、といった本っぽくて、校正ミスもあったり、なんか編集部の安易さが感じられたりもしたんだけど、太宰治に免じて許してやらぁ、なんて・・。あはは、今、ちょっと太宰モードが入っちゃってますので、ゴメンなさい、であります。
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ダザイは好きな方ですか?それともなんとなく敬遠してる?山崎ナオコーラ、西加奈子、津村紀久子といった現在を代表する女性作家や香山リカ、雨宮処凛など話題の論客、サトエリにダザイの娘で作家の太田治子まで、 女性たちが語るダザイとのつきあい方。読書案内にどうぞ。
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12人の女性が太宰について語っています。 特に面白かったのは山崎ナオコーラと 津村記久子。 山崎ナオコーラは「私は『太宰治』が好きではない。」という一文から始まっていて、 太宰風に太宰を語っているのが面白い。 津村記久子の文は「水位の低い多幸感」という言葉が印象的だった。 ...
12人の女性が太宰について語っています。 特に面白かったのは山崎ナオコーラと 津村記久子。 山崎ナオコーラは「私は『太宰治』が好きではない。」という一文から始まっていて、 太宰風に太宰を語っているのが面白い。 津村記久子の文は「水位の低い多幸感」という言葉が印象的だった。 とりあえず太宰はやっぱりもてますよね!
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