戦国武将はイケメンがお好き？ の商品レビュー

渡邊大門【著】

今までにない戦国時代の１冊

[戦国武将評論家]

　今まで、戦国時代関係の本といえば、武将個人の伝記であったり、どこで誰が戦ったか、等々が主なテーマだと思う。本書はタイトルが少しユニークであるが、中身を見てぶっ飛んだ。何と、全編が戦国時代の性に関する話題である。
　もしかしたら、イイカゲンなことを書いているのかと思い、早速手にしたが、中身は結構手堅くまとまっている。戦国時代の本の多くが、でたらめな史料に基づく、あやふやな内容であった。しかし、著者が文学博士ということもあって、結構良質な史料や研究論文を使っている。
　かといって、中身が難しいわけでもなく、かなりわかりやすく記述されている。しかも、性病に関する医学関係の史料やキリスト教関係の史料も駆使していて、なかなか読み応えがある。
　専門家はもちろんのこと、戦国時代の初心者にもうってつけの良書である。これで８００円とは、かなり安い。歴史好きな人にも、そうでない人にもオススメしたい本である。