文学(2009) の商品レビュー
岡田利規の未読のものを探しているがここでは「楽観的な方のケース」(もうタイトルだけでもいい) 戯曲、小説に限らずまったく新しい世界を見せてくれたひとだ。 「わたし」の陳述がいつの間にか「あなた」に入り込みあなたの心情と行為が語られる、主客の転換というよりも溶解。 そしてまた現在...
岡田利規の未読のものを探しているがここでは「楽観的な方のケース」(もうタイトルだけでもいい) 戯曲、小説に限らずまったく新しい世界を見せてくれたひとだ。 「わたし」の陳述がいつの間にか「あなた」に入り込みあなたの心情と行為が語られる、主客の転換というよりも溶解。 そしてまた現在と記憶もまたそうして溶解する。 無理して言えば現象学的布置になるんだろうか。 あとは、これを語る表現だ。文法というか文章連結の構造を溶解させるかのような(グダグダな)現代(若者の)口語体。 これら「溶解」の三点セットがまったくあたらしい「意識の流れ」を表現することを可能にした。 言語はかくも可能性を持っている。
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