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犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎(下) の商品レビュー

4.5

22件のお客様レビュー

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2014/05/21

大好き!映画化してほしい。 ヴィクトリア朝もドロシー・セイヤーズも大好きな私にとってドンピシャなお話でした。 上巻は説明なしの冒頭とのんびりした川下りで、ヴィクトリア朝に興味の無い人は退屈だったでしょう。予想外のフィンチ登場で上巻は終わりましたが、下巻までくればスルスル読めるはず...

大好き!映画化してほしい。 ヴィクトリア朝もドロシー・セイヤーズも大好きな私にとってドンピシャなお話でした。 上巻は説明なしの冒頭とのんびりした川下りで、ヴィクトリア朝に興味の無い人は退屈だったでしょう。予想外のフィンチ登場で上巻は終わりましたが、下巻までくればスルスル読めるはずです(上巻の引きが最高)。あの日コヴェントリーで何があったのか?消えた鳥株の行方は?あっという驚きはないかもしれませんが、犬も猫も誰も死なない、誰も不幸にならない大団円です。中世から現代まで時を駆け抜けてヴェリティを探すネッドにしびれます。ロマンチック。そしてユーモラス。完璧な執事フィンチにやられて、ウッドハウスのジーヴズシリーズも読みました。本当に好きなお話です。

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2013/07/01

どたばた劇も後半。 SFなのに、そのSFの仕組みをミステリのネタにしてしまうとはお見事。まあ、いろいろな謎の中でもラブコメ部分はたぶん多くの人が早い時点で結論にたどりついたはず。 それにしても相変わらずのやたら多い引用、そしてほのめかし。個人的にはヴィクトリア朝時代のシャープ嬢の...

どたばた劇も後半。 SFなのに、そのSFの仕組みをミステリのネタにしてしまうとはお見事。まあ、いろいろな謎の中でもラブコメ部分はたぶん多くの人が早い時点で結論にたどりついたはず。 それにしても相変わらずのやたら多い引用、そしてほのめかし。個人的にはヴィクトリア朝時代のシャープ嬢の足音が気に入りました。これも引用なのだろうと勝手に推測しているのだが。 フィンチは前作中で、なんだか執事のようだな、と思っていたら(そうしたら意外に若いらしくそこで驚き)、ここで見事にその能力を全開。やっぱりそうだったんですね。 ただ、最後まで「主教の鳥株」なるものの形態が頭に浮かばず苦戦。これからもう一度調べてみますか。

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2013/01/24

ヴィクトリア朝時代のイギリスにタイムトラベルする話。 面白い!久しぶりに本で声出して笑いそうになりました。作中で引用されてる本も読みたくなります。そして読み終わった後、登場人物と別れるのが寂しく感じる本。また読みたいです。 訳文に違和感がつきまとうのはしょうがないのかな。

Posted byブクログ

2012/12/26

現代で過去の資料が発見・解析されていくのとともに、一八八八年ではネッドたちがどう行動すればいいのかを手探りで考えていく。本来の歴史から外れそうになり、それを修正しようとするも正しい行動の指針はほとんどない。先の読めない混迷したドタバタ物語を、こうもすらすらと読ませるとは。 プロッ...

現代で過去の資料が発見・解析されていくのとともに、一八八八年ではネッドたちがどう行動すればいいのかを手探りで考えていく。本来の歴史から外れそうになり、それを修正しようとするも正しい行動の指針はほとんどない。先の読めない混迷したドタバタ物語を、こうもすらすらと読ませるとは。 プロットの妙か? ミスターCの謎。主教の鳥株の謎。時間齟齬の謎。 もつれた糸がするするとほどけて行くように、すっきりしていく後半。 Cの謎は、伏線のセンスが素敵だったし、時間齟齬の謎は驚いたとともに納得。 下巻序盤のタイムラグにかかったヴェリティがかわいい。 あたたかな陽光をさえぎる、水面まで垂れた柳の枝の木陰。そしてボートの上で眠りこんだ彼女。ドタバタ続きのところを小休憩する、空白のようなこの情景が良かった。

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2012/10/07

タイムスリップでヴィクトリア朝ドタバタ下巻。映画化を希望。パラドックスのややこしいところは簡略できなくはないし、犬のシリルのおちゃめぶりだとか、フィンチのジーヴズっぷりだとか、きっと映える。じゃじゃ馬ならしで恋に落ちたトシーに爆笑、規則は破るためにあるレディに爆笑、翻訳小説でこれ...

タイムスリップでヴィクトリア朝ドタバタ下巻。映画化を希望。パラドックスのややこしいところは簡略できなくはないし、犬のシリルのおちゃめぶりだとか、フィンチのジーヴズっぷりだとか、きっと映える。じゃじゃ馬ならしで恋に落ちたトシーに爆笑、規則は破るためにあるレディに爆笑、翻訳小説でこれだけ爆笑するのも珍しい。ローカス・ヒューゴーダブル受賞はやっぱり伊達じゃない。

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2012/09/23

上/下巻 気になってはいたけれど、タイトルと表紙を見る限りどうも踏み切れずに本屋さんに行く度に手に取っては戻し、手に取っては戻しを繰り返し結局買ってみた作品。あまり期待してなかったけど結構面白かった。タイムトラベルもののSFだがそれだけではなくミステリーの要素もあり歴史も絡んでて...

上/下巻 気になってはいたけれど、タイトルと表紙を見る限りどうも踏み切れずに本屋さんに行く度に手に取っては戻し、手に取っては戻しを繰り返し結局買ってみた作品。あまり期待してなかったけど結構面白かった。タイムトラベルもののSFだがそれだけではなくミステリーの要素もあり歴史も絡んでてんやわんやな感じ。 今どこに誰がいて、何をしなきゃいけなくて、など時間軸と場所と行動の絡みが面白い。もう猫一匹で大騒ぎです。

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2012/08/27

タイトルに惹かれて手に取りました。 序盤=参った。読むのしんどい・・・。→長らく積読 中盤=ちょっと面白くなってきたかも 後半=一気読み という感じでした。 SFなのかミステリなのか。 タイムパラドクスの解釈が面白かったです。

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2011/11/13

上巻に引き続きタイムトラベルしまくりの下巻である。主人公達の思惑通りにはことが進まずにあわや歴史は変わってしまうのか?と思いきやそんなことは無くきっちり丸く収まり“主教の鳥株”は見つかる。結局時間の流れは変化を嫌い、自ら修正しようともするわけである。作中で述べられている通りの職業...

上巻に引き続きタイムトラベルしまくりの下巻である。主人公達の思惑通りにはことが進まずにあわや歴史は変わってしまうのか?と思いきやそんなことは無くきっちり丸く収まり“主教の鳥株”は見つかる。結局時間の流れは変化を嫌い、自ら修正しようともするわけである。作中で述べられている通りの職業の人物が犯人か?と思いきや実は意外な人物が犯人でしたというパターンでミステリとしても秀逸。タイムトラベルSFであり、歴史小説であり、ミステリであり、恋愛小説であり、コメディであり、あらゆる要素を含んだエンタメ大作である。登場人物(犬1匹と猫1匹含む)も皆愛着の持てるコミカルな造形で魅力的である。上巻前半の読みにくい部分(主人公がタイムトラベルのしすぎで意識が朦朧としているのが原因)を突破すればその先はただただ楽しんで読むだけである。ぜひともあらゆる人々に薦めたい作品だ。 本作にみられるようなタイムトラベルものは世の中に数多く存在し、どれも工夫に富んだものである。同じ時間軸でタイムトラベルするものもあれば多世界を移動するものもある。純粋にSFとしての作品もあれば、ミステリやその他のジャンルと融合したものもある。人間は今のところ時間の流れに逆らうことはできず現実を見つめ現在を生き未来に進むしかない。自分の過去にたいして全く後悔していない人間などおそらく皆無だろうし、誰しも「あの時こうすればよかった」と思うことがあるはずだ。ゆえにタイムトラベルものは書かれ続けるだろう。少なくとも皆、時空間移動に対して興味をもっているはずだ。国民的アニメであるドラえもんでもタイムマシンは人気の秘密道具であり続けている。 ところで実際にはタイムトラベルは実現可能かというと科学者達(キップソンら)は少なくとも我々が生きている時代には実現不可能だと述べている。結局夢物語でしかないのかと思いきやつい先日ニュートリノが光速を超えたとの報告があった。もしこれが事実ならばアインシュタインの予測をくつがえし、極端な話、タイムトラベルが可能になるかもしれない。もちろんそんなことはやっぱり難しいのだろうがしかしそんなエキサイティングな時代に我々は生きていることに感謝したい。SF作家はタイムトラベルものを書き続けてほしいし、物理学者には時空学を研究し続けてほしい。そして願わくば時間旅行が可能になる日を拝みたいものである。

Posted byブクログ

2011/11/07

2057年。タイムトラベルが可能になった未来で、一匹の猫の命を救ったことからはじまるドタバタ劇。 タイムトラベルにより時差ボケならぬ時代ボケ(タイムラグ)で、疲労困憊したネッド・ヘンリーの描写から物語は始まります。 そもそも主人公のネッドが冒頭から朦朧としているので、読んでいる...

2057年。タイムトラベルが可能になった未来で、一匹の猫の命を救ったことからはじまるドタバタ劇。 タイムトラベルにより時差ボケならぬ時代ボケ(タイムラグ)で、疲労困憊したネッド・ヘンリーの描写から物語は始まります。 そもそも主人公のネッドが冒頭から朦朧としているので、読んでいるこっちも何がどうなってるんだか分かりにくい始まりでした。 「主教の鳥株」がタイトルにある花瓶なんだろうなぁ、ネッドはこれを過去まで行って探してるんだろうなぁ、という曖昧な認識のまま読み進めていきましたが、ネッドの意識がしっかりしていき事態が見えてくるにつれて、こちらも物語にのめりこんでいきます。 イギリス文学の引用が多く、ミステリー小説のネタバレも若干していました(特に月長石)。イギリスの歴史と文学が楽しめます。 タイトルの「犬は勘定に入れません」はジェローム・Kジェロームのユーモア小説「ボートの三人の男」からとったようですが、本書を読み終えて、これだけ多くの人が、動物が、事象が複雑に絡み合ったタイムパラドックスでありながら、なるほど、この混乱に犬のシリルは勘定に入ってなかったなぁと思いました。 にも関わらずこのブルドッグのシリルの存在感は絶大です。他にも猫のプリンセス・アージュマンドや女傑・レイディ・シュラプネルなど登場人物達は一人残らず愉快です。 SFであり、ミステリーであり、恋愛小説であり、楽しくて面白いことがぎゅっと詰まった物語でした。

Posted byブクログ

2011/10/08

タイムトラベルものにパラドックスはつきものだが、それがこの物語では必要不可欠で一番の魅力。なんだかバタバタと不親切極まりないスタートで無事に読み終えれるか不安であったが上巻途中から目が離せなくなって、下巻に至っては一気読み。イングランドの歴史や文学をもっと知ってたらもっと楽しめた...

タイムトラベルものにパラドックスはつきものだが、それがこの物語では必要不可欠で一番の魅力。なんだかバタバタと不親切極まりないスタートで無事に読み終えれるか不安であったが上巻途中から目が離せなくなって、下巻に至っては一気読み。イングランドの歴史や文学をもっと知ってたらもっと楽しめたんだろうな。

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