世界はうつくしいと の商品レビュー
印象に残った作品 ●なくてはならないもの ●世界はうつくしいと ●大いなる、小さなものについて ●花たちと話す方法
Posted by
この本の「あるアメリカの建築家の肖像」の中に『戦争は何も解決しない、世界を無茶苦茶にするだけだ』と、いう文章が出て来るのですが、ロシア対ウクライナの紛争もまさにそれにあたると思います。 一刻も早い平和を願っています!
Posted by
まず題名がいい。前にエッセイを読んだ時も思ったけど、言葉を取り扱う手つきみたいなものに愛がある。世界の「うつくしさ」をありのままにはすくいとれない言葉に対してできうる限り誠実に、ひたむきに取り組んでいる感じがして読んでいて温かい気持ちになる。この本の詩の中に「読むことは、本にのこ...
まず題名がいい。前にエッセイを読んだ時も思ったけど、言葉を取り扱う手つきみたいなものに愛がある。世界の「うつくしさ」をありのままにはすくいとれない言葉に対してできうる限り誠実に、ひたむきに取り組んでいる感じがして読んでいて温かい気持ちになる。この本の詩の中に「読むことは、本にのこされた沈黙を聴くことである」という一節があるけど、まさに言葉にならない沈黙を聴いているような、不思議な感覚がした。 一番好きなのは「雪の季節が近づくと」。雪がすべてを真っ白に消し去って、それと同時に遠いものを近づけていくような感じ、すごくわかる。東京ではそんな雪ってめったに降らないけど、子供の頃の思い出に一気に戻っていくようで胸がきゅーっとなった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
戦争の言葉で語るのをよそう 身近な言葉の中に、ふと使ってしまう言葉の中に 戦争の言葉が染み付いている 言葉を変えると気持ちも目線も変わるから 気持ちに合う言葉を慎重に まわりくどくとも、選びたい
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「窓のある物語」と「なくてはならないもの」、「世界はうつくしいと」、「クロッカスの季節」「蔵書を整理する」などの詩が心に残った。「窓のある物語」を読むと、なんだか窓をじーっと眺めて、それから開けたり閉めたり近くに座ったりしたくなる。「なくてはならないもの」を読むと、自分の周りにあるものをドンドン捨てて、ミニマリストになってみたくなって、そうしてちょっと切なく、ちょっと満たされる。「世界はうつくしいと」を読むと、自分たちの周りにうつくしいものがいくつあるのか、貧しくなってしまったのは何かを数えて、解き明かしてみたくなる。「クロッカスの季節」を読むと、穏やかな日なんて、最後に過ごしたのはいつだろうと少し悲しく、少し待ち遠しくなる。「蔵書を整理する」を読むと本が恋しくなって、好きになる。他の詩は、スピノザだのベルジャーエフだの、無知な私には分からない偉人たちが集まって騒いでいるので皆目見当もつかず、つまらなかった。また読み返した時には分かる自分になっていたい。
Posted by
『世界はうつくしいと』は、寛ぎのときのための詩集である。二十七篇の詩は、六年の日月をかけ、季節が一つめぐってくる毎に一つずつ、目の前の風景のなかにひそむ消滅点を一つずつ、じぶんの指で確かめるようにして、ゆっくり書き継がれたもの。心安らかになりたい時に。
Posted by
その時々で感じるものが違うのかも。 ゆっくり、何度も、何かの時に読み返したい。本棚に置きたい一冊。 表紙のミミズク/フリードリヒの絵がまた深い… シェーカーのロッキングチェアに座りたくなった… なくてはならないもの うつくしいものをうつくしいと言おう。
Posted by
現実に寛げる場所を失った時、それでも寛ぐことを許してくれるのが、詩かもしれない。 筆者と同じベンチに座って、景色を感じ、同じ感情に浸ったり、首を傾げたり。その時間は、自分であり、他者でもある。これが人間だ。って感じがする。
Posted by
澄んだ水が流れるような、染み入る言葉一つひとつと、優しくもしっかりと物事を見つめた詩。 机や窓などの物質的なもの自体を、物質ではなくて記憶を止める媒介のように捉えて、机を見てみると、そこであった数々の物事や、嬉しい思い出、時には苦しい、悲しい思い出が蘇る。時を止めて、深呼吸してみ...
澄んだ水が流れるような、染み入る言葉一つひとつと、優しくもしっかりと物事を見つめた詩。 机や窓などの物質的なもの自体を、物質ではなくて記憶を止める媒介のように捉えて、机を見てみると、そこであった数々の物事や、嬉しい思い出、時には苦しい、悲しい思い出が蘇る。時を止めて、深呼吸してみよう、そうすると忙しい中にもふっと、落ち着く何かがある。 クレージーサラダを作る、新鮮な葉野菜をちぎって、オリーブオイルとチーズをかけて食べる。そういうシンプルな生活と、クラッシックの中にある静寂を、すごく大切に、楽しんで過ごしているように感じる。いつも何かが起こっているような喧騒の、カオスの現場にいればこそ、静寂と神聖な時を感じるということは非常に贅沢に思える。人の一日に必要なのは、意義であって意味ではない。いい言葉だと思う。
Posted by
美弥さんおすすめ本。 詩集を読むのはいつぶりだろうというくらい久しかった。 読んでる時、すーっと静かになって心にすっと入り込む感覚がして心地良かった。 リラックスして読めたのが良かった。
Posted by