遠い旋律、草原の光 の商品レビュー
プロローグから鳥肌立ちっぱなしでした。 久しぶりに感動的な表現に出会いました。 物語には暗号が出てくるんだけど、ミステリ部分に重きを置いていない。 これは若き芸術家達の話であり、音と言葉と色の話であり 受け継がれるバトンの話であり、恋によってもたらされた 希望と絶望と恐怖の話でも...
プロローグから鳥肌立ちっぱなしでした。 久しぶりに感動的な表現に出会いました。 物語には暗号が出てくるんだけど、ミステリ部分に重きを置いていない。 これは若き芸術家達の話であり、音と言葉と色の話であり 受け継がれるバトンの話であり、恋によってもたらされた 希望と絶望と恐怖の話でもあり、後悔と試練の話でもある。 物語は最初から哀しい空気をまとっている。 そして交響曲のように編成されているとも思う。 まさにサナトリウム文学的恋愛音楽ミステリですよ。 感動しましたぁ~
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ヴァイオリニストから指揮者へ転身し、パトロンの庇護のもと軽井沢フィルを率いる美貌の指揮者・火渡樹理。 難病を患いサナトリウムで生活している新進気鋭の画家・緑川弦。 樹理は指揮者であった祖父の遺した譜面、弦は祖母の残した短歌集とお互い謎を抱えて悩んでいた。 そんな2人がサナトリウム...
ヴァイオリニストから指揮者へ転身し、パトロンの庇護のもと軽井沢フィルを率いる美貌の指揮者・火渡樹理。 難病を患いサナトリウムで生活している新進気鋭の画家・緑川弦。 樹理は指揮者であった祖父の遺した譜面、弦は祖母の残した短歌集とお互い謎を抱えて悩んでいた。 そんな2人がサナトリウムの慰問コンサートで出会う。 音楽と絵画、互いの芸術を尊敬しあい、惹かれてゆく2人にのみ聞こえるバイオリンの旋律が2人を真実の高みへと導く。。。 倉阪作品2作目です。 初倉阪作品の『四神金赤館銀青館不可能殺人』もイメージとのギャップに驚きましたが、この作品もまたまたかなりイメージが異なります。 今回はミステリではなく、文学作品の印象でした。 クラシックと絵画を表現した描写が多いのですが、とても美しい。 と思ったら倉阪さんは翻訳もされているのですね。どおりで日本語が堪能なわけです。 クラシックと絵画にも造詣が深そうで、それが嫌味にならず昇華されていました。 謎といえば1つの事件と3つの暗号で、それらも展開が読めてしまいミステリ的には満足できませんでしたが、これらの謎を蔽う叙情的な世界での核としてはぴったり。 特に樹理の祖父の遺した暗号にはうたれました。 ある言葉のリフレイン。 ここまで隠さねばならなかったのか、と。 ラストの情景も美しく、心洗われる様な作品でした。
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音楽、絵画、サナトリウム、と要素を並べてみただけでもなんだか文学的。そして実際にも文学的でした。音楽や絵画の表現が美しく、それこそ深く入り込めば何かしらの旋律が聴こえてきそうです。。ミステリとしてはやや薄味でしたが、それもまた文学的な雰囲気にぴったりとそぐうものでした。 ミステリ...
音楽、絵画、サナトリウム、と要素を並べてみただけでもなんだか文学的。そして実際にも文学的でした。音楽や絵画の表現が美しく、それこそ深く入り込めば何かしらの旋律が聴こえてきそうです。。ミステリとしてはやや薄味でしたが、それもまた文学的な雰囲気にぴったりとそぐうものでした。 ミステリ部分のメインは「暗号」。そしてまた現実において「暗号」が意味するところには感服です。なるほど、そうだよなあ。そしてこの解釈が実に悲しくって。最初から最後まで非常に美しい物語でした。
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クラッシック音楽と抽象画、そして軽井沢のサナトリウムを 舞台に繰り広げられる儚い恋愛と、安楽椅子探偵による 過去の切ない、禁じられた恋愛に纏わる暗号...。 正直自分の琴線に触れる要素は一つもない割りには 最後まで...読めたなー。 ...という程度の感想くらいしか書きようがない...
クラッシック音楽と抽象画、そして軽井沢のサナトリウムを 舞台に繰り広げられる儚い恋愛と、安楽椅子探偵による 過去の切ない、禁じられた恋愛に纏わる暗号...。 正直自分の琴線に触れる要素は一つもない割りには 最後まで...読めたなー。 ...という程度の感想くらいしか書きようがないです。うーん。 こういった悲哀ロマンス的文学っていうのも初めて読んだの ですが、少し前の時代の(下世話でも生々しくない)昼間の メロドラマの原作のような...。 倉阪さんってこういうタッチの作品も書かれるんですねー。 ゴシックではなくクラシック。
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