遠い椿 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
公事宿事件書留帳17弾、「貸し腹」・「小さな剣鬼」・「賢女の思案」・「遠い椿」・「黒猫」・「鯰大変」の短編6編。京都を舞台とした時代劇、登場人物のやりとりも、京風(京都弁)ではんなりとした読み応え。公事宿の居候にして剣客・田村菊太郎が、かかわる事項を解決今回は表題作「遠い椿」を含め切ない話が多かった。《遠い椿》十八屋の隠居・お蕗の店、金物問屋「十八屋」を数日おきに訪れる上嵯峨村の野菜売り・お杉は、かつて駆け落ちしようとして捕らえられてしまった平蔵の面影とよく似ていた。お蕗が彼女に父親の名を聞くと…。
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「工合のええ扇どすなあー」「鍛冶町の桂屋の前には、人集りができていた」「涼しゅうなってきましたなぁ」「おお寒。急に冷え込んできたわい」それぞれの章の第一行から滲み出るように物語が紡ぎ出されていく。いつの世でも変わらない人はこうあって欲しいという人のあり様が描かれていく。
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