ユダヤ警官同盟(上) の商品レビュー
アメリカ人の筆者、しかも3賞受賞という事での期待度が挫折した。世界改変小説は、会わない、ロマンがあるポイントを認識できない。価値観の相違というのだろうか・・
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#日本SF読者クラブ 改変歴史SFミステリー。2008年度ヒューゴー賞、ネビュラ賞とローカス賞のSF三冠王である。しかもアメリカ探偵作家クラブ・最優秀長編賞の候補にもなっている。SFよりミステリー色が強いというか、”if”の設定がなければ、ただのミステリー。その”if”というの...
#日本SF読者クラブ 改変歴史SFミステリー。2008年度ヒューゴー賞、ネビュラ賞とローカス賞のSF三冠王である。しかもアメリカ探偵作家クラブ・最優秀長編賞の候補にもなっている。SFよりミステリー色が強いというか、”if”の設定がなければ、ただのミステリー。その”if”というのが、イスラエルが中東戦争に敗れ、アラスカの一部を租借してユダヤ人自治区を作っているという設定。その租借期限が切れようとしている時に、お約束の殺人事件が起きる。その事件を追う刑事コンビ。この刑事たちのキャラクター付けは面白いのだが、それ以外は???
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おどろおどろしい話しながらも、語り口が軽快で、釣り込まれるように読んでしまう。実際にはない、シトカというスラム化した大都会を舞台に話しは進む。ユダヤ人の人となりを垣間見ることができる。ある意味興味深い話しだ。
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架空の都市を舞台にする時、大事なのはその都市の描写が いかにリアリティを持っているかだが、これはその成り立ちから 現在の姿、そこに住む人々の様子、ヒエラルキーにいたるまでが よく考えられていると思う。 そこを舞台に躍動する主人公やサブキャラまで 魅力的である。 上巻は、ようや...
架空の都市を舞台にする時、大事なのはその都市の描写が いかにリアリティを持っているかだが、これはその成り立ちから 現在の姿、そこに住む人々の様子、ヒエラルキーにいたるまでが よく考えられていると思う。 そこを舞台に躍動する主人公やサブキャラまで 魅力的である。 上巻は、ようやく駒が揃った感じで終わる。 下巻に期待したい。
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たまに読書が苦痛になることがある。どうしようもなくその読書が自分の心の中に体験として入ってこないのだ。いい体験としても悪い体験としても何らかのキックが感じられて初めて、読書という行動に費やす時間に意味が持てるようになる。別に意味を持たせるために読書をしているわけではないが、結果...
たまに読書が苦痛になることがある。どうしようもなくその読書が自分の心の中に体験として入ってこないのだ。いい体験としても悪い体験としても何らかのキックが感じられて初めて、読書という行動に費やす時間に意味が持てるようになる。別に意味を持たせるために読書をしているわけではないが、結果的にそうなっているものだと思う。 そういう意味では本書はぼくにはとても苦痛だった。5月に読んで、12月にこうした感想を書いているという理由はまさにそこにしかないと言ってもいい。読書の無意味さをずしりと感じてしまった時間の空は、それなりの後遺症を残す。 先週、ぼくも票を投じている年間のミステリー・セレクションの一つである『このミステリーがすごい! 2010年版』が手元に届いた時、本書が海外部門では堂々3位にランクインしていることに、驚いた。自分の読書のあり方は普通ではないのではないかという不安まで感じた。 『このミス』は古く、オーソドックスで、しかもシリーズものであったり、昨年受賞していたりするものに対しては極めて冷たい傾向にある。どちらかと言えば、『このミス』がスタートした1988年から1990年代前半にかけてあまり見られなかった本格ミステリーものが最近になって増えたりする傾向があるようにぼくは感じているのだが、本の質というより話題性、真新しさ、けれん、そうしたものに票を投じる人が多くなったように思う。もちろん投票者が年々若返ってゆくのは仕方のないところだとしても。 読書の空を感じて半年。あの虚ろは一体なんだったのだろうと思うとき、第一に想像するのは西洋と東洋との間に厳然と立ちはだかる歴史の壁がある。文化の壁と言ってもいい。キリスト教、特にカトリックなどの宗教がその一つであり、もう一つは民族の問題である。ここではそのユダヤ人という民族をテーマとした作品が存在し、そのユダヤ人というテーマ自体が巨大な壁なのである。 中学生から高校生になろうという頃にイザヤ・ベンダサンの『日本人とユダヤ人』という評論が出版された。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したその小説は日本在住のユダヤ人であるイザヤ・ベンダサンの正体が問題になったが(正体は、訳者に成りすました山本七平その人であったらしい)、それ以前にユダヤ人というものが、理屈では見えるにしても生の感覚としてどこにも生成されないのにはまいった。 その感触のなさ、それによる世界の不気味さ、といったような空は、今でもぼくの中にある。それが読書によってたまに引き起こされる。何をこだわっているんだ、と言われそうであるけれども、わからないものに対する欠損の感覚は、届きそうで届かないものに対して懸命に手を伸ばそうとするけれど結局は徒労に終るという諦観に繋がる何ものかである。それはそれで虚ろな記憶として重くしこるのだ。 本書はアラスカにユダヤ人居住区が作られたという、ある意味書き換えられた歴史の上に生じる大仕掛けミステリー。ユダヤ人の特性や生活ぶりがこれでもかというくらいに込められたSF状況小説のようにも思えるのだが、そのどれもがぼくには蕁麻疹ものであった。良くぞ耐えるなあ、とは、本を途中で投げ捨てることのできないぼく自身への呆れかえったもうひとりの冷徹な自分の気持ちである。 『このミス』の説明によると本書は以下のような作品であるらしい。 「警察、暴力、ハードボイルドの要素をしっかりと兼ね、読み応え十分」 ぼくとしては、読者にこびなくてもいい純文学(なぜか純文学は面白くなくてもいいらしいのだ)が、なぜ新潮文庫のミステリ枠で出版されたのか疑問であったが、『このミス』はまたしてもこう擁護する。 「主流文学のこわもてさが否めないが、終盤に向けてのサスペンスフルな展開は見事。主人公が家族や仕事に対する失った自信を回復していく物語には、癒しの効果もある」 はあ~? そうなんですか。なるほど、全然、そんな印象はなく、半年も経った今は全然覚えていない。他の人の書評にも、「ディテールが面白すぎプロットを忘れがちなくらい」とあるけれど、そのくらいプロットがはっきりしなくて、最後まで靄がかかりっぱなしの小説であったように思う。ディテールを優先する投票というのも、趣味の問題を優先しているようでどこか問題があるように感じるけれど、それもまた価値観の違いなんだろう、きっと。 それにしても新潮文庫の帯にある「とてつもないミステリ上陸」には、消費者センターからクレームがつかないのだろうかと思ってしまうのだけれど。
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上下巻読んだ。 SFなのか?ミステリなのか?というと違う気がするけど、宗教に関する背景なんかも含めて、なかなか面白かったわー。元奥さんとの関係は、なんかありがちな映画みたいだったけど。。 あと、比喩とセリフがいちいちかっこつけてて、好き。ハードボイルドー、ってかんじ。
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久しぶりに読んだSFです。 と言っても訳者あとがきによれば、「改変歴史SF+ハードボイルド・ミステリー+純文学という、境界を侵犯しジャンルを横断する文学-いわゆるスリップ・ストリーム文学」なんだそうです。 「なんだそりゃ?」ですが、中身もかなりとっつきにくい代物(^^ゞ 第...
久しぶりに読んだSFです。 と言っても訳者あとがきによれば、「改変歴史SF+ハードボイルド・ミステリー+純文学という、境界を侵犯しジャンルを横断する文学-いわゆるスリップ・ストリーム文学」なんだそうです。 「なんだそりゃ?」ですが、中身もかなりとっつきにくい代物(^^ゞ 第二次大戦後に聖地での建国に失敗したユダヤ人の居住地として設置されたアラスカ・シトカ特別区。2ヵ月後に米国への返還を控えたこの特別区の閉塞的なユダヤ人社会で起きた殺人事件とそれを追う警官。 あまり親切な説明がないので読み進んでもなかなか舞台設定がよく理解できない、ユダヤ人社会の特殊性についてよく知らない、やたらと長い発音できないようなカタカナの名前の登場人物が多い、などなど、いくつもの障壁を乗り越えて読了しました(笑)。 私の理解力が足りないのかなんなのか・・・海外文学がだんだん苦手になりそうです(^^ゞ
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聞いたこと無い名前の人がたくさん出てきます。 何か妙だと思ったら、偶然読んだ書評に ちょっとSFが混じっているとの記載が。なるほど。
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ブックオフ100円コーナーで見つけ購入。 自分の中で、割と信頼性の高い賞(ヒューゴ賞、ネビュラ賞、ローカス賞といったSF系の賞)を受賞しているので、サクッと読めるだろうと思いきや。 ブクログの他の人の評価と同様上巻は、つまらんない。他の人の評価に励まされながら下巻にやっとこさ突入...
ブックオフ100円コーナーで見つけ購入。 自分の中で、割と信頼性の高い賞(ヒューゴ賞、ネビュラ賞、ローカス賞といったSF系の賞)を受賞しているので、サクッと読めるだろうと思いきや。 ブクログの他の人の評価と同様上巻は、つまらんない。他の人の評価に励まされながら下巻にやっとこさ突入。
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ユダヤ特別区という響きも耳慣れないし、登場人物たちの名前も耳慣れないので最初は苦労した。けれども上巻終わるころにはなんとなく覚えてきた。意識がそっちに集中しちゃった分、下巻に期待!
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