地図 初期作品集 の商品レビュー
発表されているものが全てだと思ってしまうけれど、ちゃんと書きつづけて太宰治になったんですね!「貨幣」が楽しかったです。
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読んで良かったと心から思える一冊でした。 初期なだけあって、感覚も鋭敏。 元々、敏感だったという説のある太宰治ですが「人間失格」や後期の作品よりかは、本当に生き生きとしていて、中でも「花火」は凄く好き。 隣で太宰が語ってくれているような臨場感溢れる作品でした。 「貨幣」も独特で、お金を擬人化した所が太宰らしく、また優しさも感じました。 一度は手に取って貰いたい一冊です。
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ここに収められる作品のほとんどは太宰が中学生・高校生だった頃の作品。10代の頃の作品が、全集ではなく文庫として出版されるとは……太宰がいまだに現代のトップランナーであるか、その人気がわかる。
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太宰の初期作品集。 やっぱり初期の作品って、多くの作家やアーティストにも言えると思いますが、荒削りの中勢いがあって攻撃的。 「生きる為に生きて居る人間も悲惨だろうが、世間体の為に生きて居る人間は、もっと悲惨だ」「世間体の為に生きて居る人間—それは中産階級に最も多い」(『彼等と...
太宰の初期作品集。 やっぱり初期の作品って、多くの作家やアーティストにも言えると思いますが、荒削りの中勢いがあって攻撃的。 「生きる為に生きて居る人間も悲惨だろうが、世間体の為に生きて居る人間は、もっと悲惨だ」「世間体の為に生きて居る人間—それは中産階級に最も多い」(『彼等と其のいとしき母』より) これは紛れもなく太宰の世界。
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図書館で借りて読了。 中学時代の同人誌など、太宰治誕生以前の初期作品22篇と、太宰治以外の筆名で発表された2篇、それ以外に太宰治名義の4篇、計28篇の短編集。 十代の頃に書いたものもあるというのに驚いた。 習作なのか、同じようなテーマの作品が続いていることもあり、自尊心とその...
図書館で借りて読了。 中学時代の同人誌など、太宰治誕生以前の初期作品22篇と、太宰治以外の筆名で発表された2篇、それ以外に太宰治名義の4篇、計28篇の短編集。 十代の頃に書いたものもあるというのに驚いた。 習作なのか、同じようなテーマの作品が続いていることもあり、自尊心とその屈折、疑心暗鬼、ひたすらの自意識に、気が滅入ってしまったりもして、少しずつしか読めなかった。 けれど、これらの作品からより修練されていくうちにのちのちの作品があるのだろうなぁというのははっきりわかった。「太宰治」としての作品ももっと読みたくなった。 「角力」、「名君」、「虎徹宵話」、「断崖の錯覚」、「貨幣」が好き。
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さすが太宰先生、中学のときからガンガンお書きになっていたんですね。 もう作家になりたくてなりたくて仕方ない!という気持ちが伝わってきます。しかしなんと作品のアベレージが高い事よ。そしてバラエティ豊富。 すごいわ・・・ 10.12.07
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太宰の中学校時代の作品等を収めた短編小説集。 「虚勢」や「角力」などの中学校時代の作品からも、太宰特有の小説の輪郭が見えてくるように思う。やっぱり太宰って凄いんだなと改めて感じさせられる一冊だった。 収録されてる作品の中では、「地図」や「洋之助の気焔」が面白かった。
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初期作品集。弘前高校時代の作品が中心。ツカえることなく読むことが出来る。しかし。やはり正式デビュー作「晩年」の方が圧倒的に心を鷲掴みにして来る。迫力が違うのだ。
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(2009.09.09読了)(2009.09.02購入) 今年は、太宰治の生誕100年ということです。 この機会に少し積読を減らそうと思っているのですが、追加の作品が出てきてしまったので、そちらから読むことにしました。 大部分は、太宰治になる前の中学、高校のころの作品です。本名の...
(2009.09.09読了)(2009.09.02購入) 今年は、太宰治の生誕100年ということです。 この機会に少し積読を減らそうと思っているのですが、追加の作品が出てきてしまったので、そちらから読むことにしました。 大部分は、太宰治になる前の中学、高校のころの作品です。本名の津島修治、ペンネームの辻島衆二、小菅銀吉、などの名前で書いています。太宰治の作品も4つあります。 「洋之助の気焔」は、井伏鱒二の名前で発表されています。大正、昭和の初期のころには、無名の作家の作品を既に名前の知られた作家の作品として発表することはよくあったことなので、さほど珍しいことではないとは思います。 最近は、どうかわかりませんが、少し前には、大学の助教授や講師が書いた本を教授の本として出版されることは、よくありました。 最初の作品は、「最後の太閤」です。秀吉の臨終のときの様子が描かれています。幼きころから関白まで登り詰め、朝鮮征伐に至るまでの思い出、そして秀頼がいる。大声で笑って死んだ、と書いています。 戯曲「虚勢」は、眼の見えない先妻の子を後妻が哀れに思い、夫に頼んで手術を受けさせます。眼が見えるようになった子供は、眼が見えないほうがよかったとごねるので、父は、それならまた眼が見えなくしてやろうとしますが、子どもは、逃げ回ります。 人の心の動きを描くことがこのころから得意だったようです。 表題作の「地図」は、解説の文を借りると「制服の満悦感に浸る権力者が世界地図に自分の領土が載っていないことを知って致命的な侮辱を受けて乱行に及ぶ」話です。 一生懸命戦って、手に入れた領土が、地球全体からすると、地図にも載らないちっぽけな世界だったことを知らされて、高かった鼻をへし折られてしまったと感じたのでしょう。地図を見せた異国人は、そのような意図など全くなかったので、まったくのとばっちりでした。 結構興味深く作品を読めました。 ☆太宰治さんの本(既読) 「晩年」太宰治著、新潮文庫、1947.12.10 「斜陽」太宰治著、新潮文庫、1950.11.20 「ヴィヨンの妻」太宰治著、新潮文庫、1950.12.20 「津軽」太宰治著、新潮文庫、1951.08.31 「人間失格」太宰治著、新潮文庫、1952.10.30 「人間失格」太宰治著、集英社文庫、1990.11.25 「走れメロス」太宰治著、新潮文庫、1967.07.10 ☆関連書籍(既読) 「空色のアルバム」太田治子著、構想社、1979.05.31 「太宰治への旅」長部日出雄著、日本放送出版協会、1998.01.01 「斜陽日記」太田静子著、小学館文庫、1998.06.01 「津軽・斜陽の家」鎌田慧著、祥伝社、2000.06.10 (2009年9月12日・記) 著者 太宰治(本名:津島修治) 1909年、青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ 1923(大正12)年、県立青森中学校入学 1927(昭和2)年、旧制弘前高等学校入学 1930(昭和5)年、東大仏文科入学 東大仏文科中退 1936年、第一創作集『晩年』を刊行 1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚 1948年、山崎富栄と玉川上水で入水自殺
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太宰治100周年を記念した新刊。 高等学校時代に同人誌に書いていたものや、後に太宰の作品と判明した物など。 全集とかにはあったけど、文庫になるのははじめて・・だと思う。 いや、多分普通の人が読んでも面白くないですよ。 太宰ヲタじゃないと。
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