チャンセラー号の筏 の商品レビュー
登場人物が多すぎず、かつ個性豊かで誰が誰か分からなくなる事がなくてとても読みやすかったです。どこまでも深い海の恐ろしさや飢え・乾きの苦しみ、極限状態で変わっていく感情の描写に引き込まれました。漂流という誰もが重苦しい気持ちになる状況下でもミス・ハーベイとアンドレがすっと風を通して...
登場人物が多すぎず、かつ個性豊かで誰が誰か分からなくなる事がなくてとても読みやすかったです。どこまでも深い海の恐ろしさや飢え・乾きの苦しみ、極限状態で変わっていく感情の描写に引き込まれました。漂流という誰もが重苦しい気持ちになる状況下でもミス・ハーベイとアンドレがすっと風を通してくれるのも辛くなりすぎなくて良かったです。 帆船の部位の名称がまとまっている画像などを用意しておくと読みやすいと思います。 それから、ピエ、プスという馴染みのない単位が出てくるので、それも確認しておくと良いです
Posted by
訳が良いのか古い小説とは思えない臨場感がある。終盤人肉食を阻止したアンドレがバカなことをした思ったくらい飢餓に共感していた。
Posted by
航海中の火災を原因に帆船から筏に乗り込み陸地を目指す物語。 実際に1816年に遭難した『メデューサ号』の悲劇をヴェルヌが子供時代に聞いたことが、創作のきっかけになっているそうです。 正直、途中までだらだらした感があったり、疑問に思うこともあったが(なぜ船長は航路を誤ったのか?...
航海中の火災を原因に帆船から筏に乗り込み陸地を目指す物語。 実際に1816年に遭難した『メデューサ号』の悲劇をヴェルヌが子供時代に聞いたことが、創作のきっかけになっているそうです。 正直、途中までだらだらした感があったり、疑問に思うこともあったが(なぜ船長は航路を誤ったのか?など)、飢えや喉の渇きと闘う筏上の人物の描写には迫るものがありました。 漂流そのものよりも、終盤の核心として武田 泰淳『ひかりごけ』のテーマと同じものが深く心に残りました。
Posted by
これも、2009年に入って新装版になったもの。 カバーイラストは「気球に乗って五週間」に引き続き、別天荒人さんによるもの。 ヴェルヌの船好きが、大いに発揮されてる作品。生まれ育ったのは港町ですもんね。 トップマスト、トゲルンマスト、帆桁…と名称が出てくるものの、さっぱり分からな...
これも、2009年に入って新装版になったもの。 カバーイラストは「気球に乗って五週間」に引き続き、別天荒人さんによるもの。 ヴェルヌの船好きが、大いに発揮されてる作品。生まれ育ったのは港町ですもんね。 トップマスト、トゲルンマスト、帆桁…と名称が出てくるものの、さっぱり分からない…。 「船の歴史事典」を本気で買いたくなった。ヴェルヌは勉強欲を書きたてる作家ですなー。 続き→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-367.html <あらすじ> 1869年、乗組員、乗客23人を乗せたチャンセラー号はアメリカを出発した。 しかし、積んでいた積荷に火災が発生。少ない空気で徐々にだが確実に火事は進行していく。 人々はギリギリまで乗船していたが、ついには筏を作り、船を捨てたのだった! 風のきまぐれに任せ、漂流する筏。刻一刻となくなる、水と食料。 「われわれの置かれているような状況にある遭難者について常に言われていることだが、 それは本当だった。人は飢えよりも渇きに苦しむのだ。そしてまた、渇きによる死のほうが早いのだ」
Posted by
- 1