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霊降ろし の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2018/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「裏庭の穴」 子供の頃、母が社宅の裏庭に埋めていたものと夢と現実。 主婦が飼い始めたミニブタは従順で、日に日に大きく成長してくのに反して 夫と娘は家に寄り付かず、夫の浮気相手や狂った隣人に常に監視されて、PTA仲間にはネズミ講まがいの勧誘を受ける日々。 めんどうな人たちが、いつの間にか豚の中に吸い込まれていたこと、夢か現実か 境目。 「霊降ろし」 精神を病んでしまった母をいいように言いくるめて、偽の拝み屋をやらされることに罪悪感を持つ友紀。 幼い頃に亡くなった姉の存在。 声のない死者をいいように扱っていることへの気持ち。 自分に正直になった結果。 友紀が庸子さんとかによって良くない方向に行ってしまうのではないかと思ったけど、いい友達ができてよかった。 あっという間に読める。

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2015/12/28

幼い日、母親が夜中に裏庭で穴を掘っていた不思議な記憶を引きずる女性が擦れ違いの家庭で豚を飼い始める「裏庭の穴」、心身症を患う母親の弱みを叔母の知人の偽霊媒師に握られその片棒を担がされる女子高生の葛藤「霊降ろし」、心の隙間にするりと忍び込み楔のように食い込む魔を描く2編。全篇静謐で...

幼い日、母親が夜中に裏庭で穴を掘っていた不思議な記憶を引きずる女性が擦れ違いの家庭で豚を飼い始める「裏庭の穴」、心身症を患う母親の弱みを叔母の知人の偽霊媒師に握られその片棒を担がされる女子高生の葛藤「霊降ろし」、心の隙間にするりと忍び込み楔のように食い込む魔を描く2編。全篇静謐でほのかな不穏が漂う、掴みどころのない不思議な作風ながらしっかりと読ませる。外連味とは無縁のフラットな筆致ながら確かな実力を感じさせる著者に興味がわく。

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2015/09/19

「霊降ろし」田山朔美◆豚を飼い始める主婦の話(「裏庭の穴」)と、降霊術の振りをしているうちに本当に霊を降ろしてしまう女子高生の話(表題作)。前者の方が印象的だった。全体に虚ろな冷たさが漂っていて、向こう側の世界が見え隠れする。SFともホラーとも違う不思議な感覚が後に残った。

Posted byブクログ

2013/07/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

淡々とした主人公がかなり好き。 どちらの話も淡々と進んで好きなんだけど、「裏庭の穴」のオチが難解。 でも良くわからないけどオチも含めて好き。 障子の桟遊びが心に残った。

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2011/02/26

雨の日に、立入禁止の工事現場で誰も友達がいないから一人遊んでいるかのような暗い寂しさを感じる。雨はどんどん大粒になり、鉄筋や砂利に打ち付ける雨音も比例して大きくなり、自分の発する声も聞こえない寂しさ。 またミニ豚や降霊術といった特異で魅力的な存在すらも、この人達の寂しさが湿気の如...

雨の日に、立入禁止の工事現場で誰も友達がいないから一人遊んでいるかのような暗い寂しさを感じる。雨はどんどん大粒になり、鉄筋や砂利に打ち付ける雨音も比例して大きくなり、自分の発する声も聞こえない寂しさ。 またミニ豚や降霊術といった特異で魅力的な存在すらも、この人達の寂しさが湿気の如く肌に纏わり付いて来るので、共有し得ない感情の小道具として感じてしまい、尚寂しく思う。 こんな所が私は好きだ。

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2009/10/04

「霊降ろし」と「裏庭の穴」のふたつの中篇が収録されてます。 裏庭の穴はホラーっといってもええぐらいのちょっと怖い話、、、 霊降ろしはインチキ霊媒師の真似をしているうちに本当の霊が降りてくるって話しなんやけどどちらの作品も作者のピュアな感性の鋭さと透明感のある文体に参ってし...

「霊降ろし」と「裏庭の穴」のふたつの中篇が収録されてます。 裏庭の穴はホラーっといってもええぐらいのちょっと怖い話、、、 霊降ろしはインチキ霊媒師の真似をしているうちに本当の霊が降りてくるって話しなんやけどどちらの作品も作者のピュアな感性の鋭さと透明感のある文体に参ってしまいました。

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2011/07/19

霊媒師のフリをしていた女子高校生にある日、本当に霊が降りてきた・・。成り行きで嫌々インチキ降霊の片棒を担いでいた主人公。霊に頼りたい人、利用したい人のやり取りがこっけいでまた哀しい。インチキがばれるのではハラハラしながら読んでいると、なぜか、うまい具合にことが進んで、そして、何か...

霊媒師のフリをしていた女子高校生にある日、本当に霊が降りてきた・・。成り行きで嫌々インチキ降霊の片棒を担いでいた主人公。霊に頼りたい人、利用したい人のやり取りがこっけいでまた哀しい。インチキがばれるのではハラハラしながら読んでいると、なぜか、うまい具合にことが進んで、そして、何かが彼女に入ってきた???過去の自分を責めていたはずが、いつの間にか「私は悪くない」という一点でのみ物事を見るようになってしまった女子高校生の母親にはしっかりしてよ!と言いたかったけど、偶然にできた高校の友だち、入ってきた霊の温かさ、など救われるところも多かった。豚がひたすら部屋の中で大きくなっていくもう一編は、テンションの低い主婦がどう落としどころに持っていくのか、居心地悪く読ませられてしまった。ねずみ講まがいの下着販売主婦のあたりは、逆に考えていることがわかるだけに安心して読めたが、主人公のものに動じなさが、かえって辛かったかな。

Posted byブクログ