ごきげんな裏階段 の商品レビュー
「黄色い目の魚」の佐藤多佳子先生の短編集。児童文学出身なことを感じさせる、少し不思議な話、という感じの短編集。気軽に読めて、ちょっと面白い。 頭が玉ねぎのしゃべるネコ、笛を吹くクモなど、ふしぎな裏階段の生き物たちと出会う少年少女と、その家族の物語。こういうのって、リアリティを持...
「黄色い目の魚」の佐藤多佳子先生の短編集。児童文学出身なことを感じさせる、少し不思議な話、という感じの短編集。気軽に読めて、ちょっと面白い。 頭が玉ねぎのしゃべるネコ、笛を吹くクモなど、ふしぎな裏階段の生き物たちと出会う少年少女と、その家族の物語。こういうのって、リアリティを持たせるために、大人は「ふしぎな生き物」のことを認知できなかったりすることが多いが、今作品も普通に大人たちもふしぎな世界に入り込んでくる。むしろ、子供と一緒に自然と受け入れ、ドタバタと生活している。 普通、こういう展開だと子供騙しな世界観にゲンナリして作品世界に入り込めなかったりするのだが、そこは流石の作家力。そもそも、こういう物語にそうした細かいことでめくらじを立てるなんてナンセンスなのだ。そう思わせるだけのパワーがある作品だった。 こういう、普通にふしぎなことが日常のちょっとした片隅にある世界。忘れかけていたけど、そうした世界の魅力を久しぶりにあじわせてくれた作品だった。
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子供たちの周りでちょっと不思議なことが起こる短編集でした。 佐藤多佳子さんの作品の中でも特に子供向けのお話が多く、一瞬の風になれや黄色い目の魚など他作品から来た方は、少し戸惑うかなと思います。
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「一瞬の風になれ」が大好きだったので、こちらも手にとってみたら、絵本にしてもいいと思うくらいの子供向け小説でした。かわいらしいファンタジーの世界。
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同じマンションの裏階段で起きるSF(少し不思議)物語3本。 絵本タッチのファンタジーなのだけれど、3本中2本の話が生理的に受け付けなかった。 まずはなんといっても玉ねぎ猫。 よりによって何故にこのような恐ろしいものを組み合わせしまったのか。 なにかの間違いでリアルで猫に玉ねぎを与えるような事象が起こってしまったらなんて考えるとぞっとする。子供には絶対に読ませられない。これこそ本当の有害図書。 そして続く2話目の蜘蛛の話。 これは単純に私が蜘蛛が嫌いだから。 劇中で少年が取る一挙手一投足にうげーってなった。 3話目の煙おばけはとても良い物語だった。 ただ1話、2話でのマイナス評価がひどかったために★1しかつけられなかった。
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不思議で、ちょっとヘンテコな3つのお話。 児童書として、何だか懐かしい匂いがしました。 ひとつだけ言いたいことが…猫に玉ねぎを与えてはいけません。それは、このお話のように「タマネギねこ」になるからではありません(笑)。猫にとって玉ねぎは毒なんです。だからハンバーグも駄目なんだよぉ...
不思議で、ちょっとヘンテコな3つのお話。 児童書として、何だか懐かしい匂いがしました。 ひとつだけ言いたいことが…猫に玉ねぎを与えてはいけません。それは、このお話のように「タマネギねこ」になるからではありません(笑)。猫にとって玉ねぎは毒なんです。だからハンバーグも駄目なんだよぉ。 お話は愉快なんだけどね。 「ニンジンねこ」「ピーマンねこ」「カボチャねこ」…見てみたい気がします。
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・裏階段で餌をやっていた野良猫が、そこに生えてきたタマネギを食べてしまい……。頭がタマネギになって人の言葉を話す猫と、男の子、その一家を巻き込んでのお話。 ・みつばコーポラスの叔父夫婦のもとに預けられた男の子。裏階段で二本の笛を持つ蜘蛛に出会って。 一話目に登場する女性の、違った一面も明らかになるお話。 ・みつばコーポラスに引っ越してきた女の子は、何でも開けてしまうのが好き。ガムテープで封をされたダストシュートから出てきたのは、煙を食べるお化け。 パパの吸うタバコだけじゃ足りないし……。 子どもの頃ってこういった隠れた場所が好きでした。この話では、大人達も不思議なものたちを受け入れてしまうのが良かったです。
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3階建てのみつばコーポラスの住人に起こる不思議な3つのお話。それぞれ一人の小学生が主人公になっているが、全てみつばコーポラス(の裏階段)が舞台なので、同じ場所や同じ人物が登場してきて面白いです。頭が玉ねぎの猫や笛を吹くクモ、煙を吸うお化けなど愉快で、ちょっと迷惑で不思議な生き物が...
3階建てのみつばコーポラスの住人に起こる不思議な3つのお話。それぞれ一人の小学生が主人公になっているが、全てみつばコーポラス(の裏階段)が舞台なので、同じ場所や同じ人物が登場してきて面白いです。頭が玉ねぎの猫や笛を吹くクモ、煙を吸うお化けなど愉快で、ちょっと迷惑で不思議な生き物が出てきます。出会うのはもちろん不思議な裏階段。子供が皆持っている「秘密」のような世界があって好き。言葉選びが今風に感じました。大人っぽくも感じて今の子供たちがわかるのかな?という言葉も多少ありましたが、読み易いので3.4年生くらいから手に取ってほしいと思います。
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