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血涙(下) の商品レビュー

4.4

32件のお客様レビュー

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2024/09/17
  • ネタバレ

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うーん、なんとも悲しい物語。楊家四男だった過去を切り伏せた石幻果とそれに立ち向かう楊家の生き残り3兄妹。もう国がどうとか関係ない状況だけど、遼の方が人を大切にしている雰囲気。まぁもともと分母が少ないって事もあるかもだけど。対して宋は楊家を全滅させてでも国を守る方針で…楊家は何の為に、誰の為に戦うのか?結局は国だとか軍だとかは関係なく、自分たちのために戦うのだと自分に言い聞かせる。今の組織でも、やる気も実力もある人が、周りの同調圧力に屈して潰れていく事もあるもんね。いずれにしても素晴らしい物語でした。

Posted byブクログ

2024/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

楊家将から始まり、切ないというか、いつまでも楊家が報われない運命から逃れられなくて読んでいて苦しい気持ちもあった。しかし、それも人生なのだとどこか腑に落ちる力強さを感じる。戦の描写は相変わらず凄すぎる。疾走感はもちろん、重要なシーンは全てが一瞬スローモーションに飛び込んでくる。このジェットコースターの様な感覚を文字で体感できる楽しさは異常だ。 今回の楊家将、血涙は「思惑」というのがかなり前面に出ている分、北方謙三らしからなという印象も少しあった。しかし、それは自分の間違いで思惑というのは、人間の本性を隠すことがとても難しい分、抗う事のできない大きな渦の様な中で、人はどう生きるのか、今の社会にも少し通ずる点もあるだろう。自分を貫くのか、渦に従うのか。どちらを選ぶことも人生、選んだ先に選んだ道がある。血の涙を流しても自分を貫く事のできる人は、今の世の中には少ないかも。 楊家という悲しき運命を辿る一家の行末を見届けた。それは人生において一つの財産といっても過言ではないかもしれない。これから楊令伝に戻って、楊家の執念が宋をという国を滅ぼしてしまうのか、梁山伯と宋の行末を見届けようと思う。

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2024/06/28

血涙というタイトルの意味がわかってきた時、読み進めるのを躊躇った。楊家の男たちの熱い生き様、死に様、楊業に劣らぬ耶律休哥。 宋という国の腐ったところが見え、水滸伝への繋がりを感じざるを得ない。その後、吹毛剣がどうやって楊志へ渡ったのかも知りたいところ。

Posted byブクログ

2024/06/15

悲しき楊家軍。終焉を飾る死兵として、また宋に裏切られる。しかし兄弟ながら敵味方に分かれた石幻果が、死に水は俺がとばかりに前にでる。クライマックスでありエンディングの最後の戦いが、澶淵の盟へと導いていく。 文治主義の宋だからこそ、悲運の主人公の話が成り立つ。「楊家将」も「水滸伝」も...

悲しき楊家軍。終焉を飾る死兵として、また宋に裏切られる。しかし兄弟ながら敵味方に分かれた石幻果が、死に水は俺がとばかりに前にでる。クライマックスでありエンディングの最後の戦いが、澶淵の盟へと導いていく。 文治主義の宋だからこそ、悲運の主人公の話が成り立つ。「楊家将」も「水滸伝」も悲しき武人たちの話。

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2022/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歴史小説の醍醐味を感じ、読み応えがありました。 お恥ずかしながら楊家についての知識がなく、史実はわかりませんが、ストーリーとして最後は六郎と四郎が2人とも相打ちとなるんじゃないかと思ってたので、ちょっと肩透かしを喰らったかなと。

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2021/11/10

吸毛剣の出自を辿る長い旅をしたような感覚に。チンギス記をリアルタイムで読んでいるので、特にそう思う。また、チンギス記がいっそう楽しくなった。

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2018/10/18

一見雄雄しい女性向け小説といえるだろう。登場人物が男女とも魅力的な人物に描かれており、筋立てはドラマティック。兄弟、親子、男女、上司と部下・・さまざまな愛の形が織り成されている。またあとがきの解説でも触れられているが、戦闘シーンよりむしろ戦の周辺の営み、軍の運営や兵馬、民の様子の...

一見雄雄しい女性向け小説といえるだろう。登場人物が男女とも魅力的な人物に描かれており、筋立てはドラマティック。兄弟、親子、男女、上司と部下・・さまざまな愛の形が織り成されている。またあとがきの解説でも触れられているが、戦闘シーンよりむしろ戦の周辺の営み、軍の運営や兵馬、民の様子の描写などが生き生きしている。

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2018/01/21

削ぎ落としたコトバで語られてきた楊令伝。この血涙も栄と遼と楊家との戦。血って。人って。個性って。国って。

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2015/10/09

なんという結末。楊業の死後、目まぐるしく変わっていく情勢。結局楊家軍は宋にとって、なんのための軍だったんだろうか。 様々な複雑な想い… 新楊家将ここに完結。

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2014/11/11

宋と遼の戦いがいよいよ決大詰め。 耶律休哥軍と楊家軍、そして石幻果と六郎の血の涙を流す戦いが決着する。 最後の六郎と石幻果が剣を交えるシーンは、圧巻で切なくて壮絶で感動的です。まさに熱い心と涙なしでは読めないシーンだと思いました。 太后視点のエピローグも、ああ終わったんだ…とい...

宋と遼の戦いがいよいよ決大詰め。 耶律休哥軍と楊家軍、そして石幻果と六郎の血の涙を流す戦いが決着する。 最後の六郎と石幻果が剣を交えるシーンは、圧巻で切なくて壮絶で感動的です。まさに熱い心と涙なしでは読めないシーンだと思いました。 太后視点のエピローグも、ああ終わったんだ…という感じがすごく出ていて、登場人物の心にぽっかり穴が空いているように、読んでいる私にもぽっかり穴が空いてしまったような気持ちになりました。 それから、英材のセリフ。ここから、北方水滸伝に楊家の血が繋がって行くのかと思うと、北方水滸伝がついつい読みたくなっちゃいました。特に4巻とか5巻とか6巻とか!

Posted byブクログ