気もちがラクになる!小・中学生の「心の病気」事典 の商品レビュー
市川宏伸先生監修のこの本,大判のハードカバーで,イラストも豊富。こどもたちにもとっつきやすい雰囲気です。 構成としては,まず「いろいろな心のなやみ」と題して,こどもたちにみられやすい症状が各ページでひとつずつ取り上げられ具体例を挙げて解説されています。 「なやみはあってあたりま...
市川宏伸先生監修のこの本,大判のハードカバーで,イラストも豊富。こどもたちにもとっつきやすい雰囲気です。 構成としては,まず「いろいろな心のなやみ」と題して,こどもたちにみられやすい症状が各ページでひとつずつ取り上げられ具体例を挙げて解説されています。 「なやみはあってあたりまえ」「“なやみ=病気”ではない」という前置きもありつつ,それぞれの症状について「こういう病気の可能性もある」という説明もついていて,「心の病気ってどんなこと?」という次章へ。ここでは代表的な精神疾患がそれぞれ1-2ページの分量で概説してあり(セロトニンとかドーパミンなんて用語もちらほら…),疾患ごとに医師からのひとくちアドバイスも書かれています。 最後に,「なやみや病気のことを話してみよう」という章で,具体的な相談相手や相談場所,その方法なども紹介されています。 この本の使われかたとしては,たとえば学校の図書館などに置いてあって,自分自身に悩みがあったり友達が悩んでいる様子なのが心配だったりするこどもたちがそっとここから情報を得て対処法を考える,といった感じがメインになるのでしょうか。 精神的な症状に悩んでいるこどもたちがとりあえず少し安心できたり次にどうすればいいのかがわかったりするために,必要な情報(それも信頼できる情報)にきちんとアクセスできるというのはとても大切なことだと思います。この本がこどもたちに上手に使われて,少しでも早くしんどい状態から抜け出すことにつながれば本当にいいなぁ,と思います。
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