先を読む頭脳 の商品レビュー
自分の好きな人の一人である、羽生さんの本です。 少し前にコンピューターとプロ棋士が対局して、プロ棋士が負けたのが話題になったのを思い出しました。 チェスの世界ではコンピューターが人間と同等以上の戦いができるのに対して、将棋は「取った駒を使える」というルールによってゲームが奥深くな...
自分の好きな人の一人である、羽生さんの本です。 少し前にコンピューターとプロ棋士が対局して、プロ棋士が負けたのが話題になったのを思い出しました。 チェスの世界ではコンピューターが人間と同等以上の戦いができるのに対して、将棋は「取った駒を使える」というルールによってゲームが奥深くなり、コンピューターはトッププロには及ばないと言われていたのも昔の話になりました。 本書で羽生さんはコンピューターが強くなるのを「楽しみ」と感じている様に思いました。いつも相手の得意戦法を拒まないスタイルもそうですが、男らしい!の一言です。
Posted by
「自分は選択の幅をたくさん残しながら、相手の手は限定されるように指していって、ゲームが進むにつれて、最終的に相手には戦略的に有効な手がないという場面だすのが、理想的な指し方となるのです」 これはあらゆるゲーム(囲碁・チェス・戦争・外交・経営・政治等々)について言える、まさに究...
「自分は選択の幅をたくさん残しながら、相手の手は限定されるように指していって、ゲームが進むにつれて、最終的に相手には戦略的に有効な手がないという場面だすのが、理想的な指し方となるのです」 これはあらゆるゲーム(囲碁・チェス・戦争・外交・経営・政治等々)について言える、まさに究極的な考え方ではないかと思う。あらゆるゲームの手段、戦略は相手がどういう手を使っても、それに対して互角か勝つ状態を作ることを方向として持っている。 またそれはゲーム内における戦略オプションをいかに豊富に持つかということだけでなく、時にはルールさえも変更することをも考慮に入れるべきものである。 ゲームに弱いプレイヤーとはつまるところ下手に動いて、自ら戦略オプションを減少させることをいう。つまり、ゲームにおいて考えることは、 ・自分の戦略オプションが増えるように行動すること ・相手の戦略オプションが減るように行動すること のいずれかでしかない。 ほとんどのゲームにおいて、詰めろの局面までが読めない段階では「防御は最大の攻撃」である。相手の出すカードを見てから、自分の出すカードを選ぶ方が有利になるからだ。例外と言えるのは、ゲームの構造上、戦略オプションを獲得できる地点(ポジション)が明らかな場合は先制攻撃が有利になる。いわゆる天王山である。 問題はそのポジションが定点なのか動点なのかということである。つまりポジションが明示的、限定的であるならば先制攻撃はクリティカルヒットになる。しかし、それが暗示的、発生的であるならば後手が有利になる。発生条件が後手で決定することが多いからである。そのためにはゲームのルールとルールの可変性を見極めることが決定的に重要である。
Posted by
羽生さんと脳科学者お二人の共著。羽生さんが自身の将棋観、子供のころからのトレーニングなどについて語り、それを科学的な視野から二人の科学者が解説していく。 将棋における序盤、中盤、終盤の考え方、他のボードゲームと将棋の違い、大局観の重要性、コンピュータの発想と人間の指す将棋の発想の...
羽生さんと脳科学者お二人の共著。羽生さんが自身の将棋観、子供のころからのトレーニングなどについて語り、それを科学的な視野から二人の科学者が解説していく。 将棋における序盤、中盤、終盤の考え方、他のボードゲームと将棋の違い、大局観の重要性、コンピュータの発想と人間の指す将棋の発想の違いなど興味深い話が満載で、ビジネスにも生活にも非常に参考になる。中でも、羽生さんが他の著作でも強調されている大局観の重要性については、あらためて共感しました。 将棋好きにはたまらない1冊ですが、そうでなくても十分に参考になる。それは、第一人者の羽生さんがここまで自分の思考をオープンにし、研究材料として提供する姿勢があればこそ。羽生さんという極めて稀な人材を得た将棋界のなんと幸せなことか。
Posted by
人から教わり、興味からどんどん実践し、道場に通い、専門書などで自分で勉強するという学習プロセス。 ある分野を掘り下げて、考え続けること。
Posted by
羽生名人のたおやか且つしなやかな思想を科学的な視点から解説した一冊。将棋を使った様々な実験結果なども載っていて面白い。
Posted by
将棋の話なのですが、これは勉強というか色々なことを学ぶことに応用がきく内容だと思いました。かなりお薦めの本です
Posted by
本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で とてもわかりやすく話すんだなと思った 将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊 将棋のルールはまったく知らないけれど、かなりおもしろかった あと、数字大嫌いなド文...
本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で とてもわかりやすく話すんだなと思った 将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊 将棋のルールはまったく知らないけれど、かなりおもしろかった あと、数字大嫌いなド文系の私ですが、 認知科学という分野にはすごく興味がわいた!
Posted by
将棋を取り上げていますが、内容は脳科学よりだと思います。 なぜ、将棋でコンピュータ相手に人間が勝てるのか不思議に思って買いました。 だって、コンピュータが全パターン予想すれば人間が勝てるわけないでしょ? 本書を読めば、人間の不思議、特に脳の不思議に興味を持つのではないでしょ...
将棋を取り上げていますが、内容は脳科学よりだと思います。 なぜ、将棋でコンピュータ相手に人間が勝てるのか不思議に思って買いました。 だって、コンピュータが全パターン予想すれば人間が勝てるわけないでしょ? 本書を読めば、人間の不思議、特に脳の不思議に興味を持つのではないでしょうか。 脳科学的に重要だと思ったのは下記1点のみでした。 「人間はある事柄を理解するとき、その事柄を自分がすでに持っている知識に照らし合わして、なんらかのマッチングをとって解釈している」 この点は非常に重要だと思います。 上記のように、すでに持っている知識に照らし合わせるのであれば、すでに持っている知識が多いと照らし合わせる数が増えます。そして、照らし合わすことができた数だけ記憶に残る可能性が高くなると思うのです。したがって、大人になったからといって記憶力が低下するという見解はこの側面からは考えにくいです。なんせ、人間の脳の容量は無限に近いと言われていますから。 このように考えると、大人になってからの勉強の仕方を変えたりしなければいけないのかとも考えさせられます。
Posted by
「良い手を見つける」「形勢判断する」といった、先を読む力たるや脱帽でした。数十手先を読む、ビジネスの世界にも応用出来る内容が書かれていると感じました。
Posted by