科学の価値 の商品レビュー
19世紀の科学の発展の歴史と科学的思考のあり方について良くわかる。 ニュートン、ガリレイ、ギブス、マクスウェルなどの業績に対する科学的な解釈がとても秀逸。サイエンスを志す者には必読の書と思う。
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20世紀初頭の物理、数学において、万能の才能と、影響力を発揮したポアンカレの思想が垣間見れる本。彼の思想の特徴は、科学が発見した法則が人のために立つか立たないかにはまったく興味がなく、科学は人の知識欲を満足させる点において、すでに必要であるとする点にある。したがって、彼の科学とは...
20世紀初頭の物理、数学において、万能の才能と、影響力を発揮したポアンカレの思想が垣間見れる本。彼の思想の特徴は、科学が発見した法則が人のために立つか立たないかにはまったく興味がなく、科学は人の知識欲を満足させる点において、すでに必要であるとする点にある。したがって、彼の科学とは音楽や芸実と同じである。であるから、彼は解のエレガンス性にこだわったし、解析的手続きを重要であるとしながら、直感派の数学を擁護した。しかし、私から見ると彼ほどの頭脳では、「帰納的思考」と「演繹的思考」の差がほとんどないだろうから(一瞬で解析できるし、一瞬で思いつく)どちらでもよいというか、区別つかないのじゃないかと思うが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・「科学と仮説」を受けて,その復習をしながら,数学とは?科学とは?その関係とは?等の話をしていく. ・第一部では,数学者の性質を直観(幾何学的)と論理(解析学的)に分別するところから始まり,時間について,空間とは何か,次元とは何か,トポロジーの考えなどが語られている. ・第二部では,科学が何の役に立つのかに対する反論,数学が物理学に何を為すのか,物理学が数学に何を為すのか,数理物理学の歴史とこれからについて,中心力の物理学から原理の数理物理学へ,そして今(執筆当時)は新しい力学を建設しなければならない,といったことを語っている. ・そこでは,エーテルは不要であることや力学的質量と電磁的質量は同じ法則に従うこと,では引力的質量は?などについて言及されている. ・第三部では,ル・ロアの哲学と比べつつ,ポアンカレの科学に対する考え,哲学が語られていく.
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直観主義の先駆け、ポアンカレの本。ブラウワーといい、ポアンカレといい、相対主義的、構成主義的と言われるはずの直観主義だが、どうも決定論的、神秘主義の色が強くて合わない。これが「直観主義」にかかる形容ではなく、ポアンカレ本人にかかる形容である事を祈る。 最後の方で登場したポアンカ...
直観主義の先駆け、ポアンカレの本。ブラウワーといい、ポアンカレといい、相対主義的、構成主義的と言われるはずの直観主義だが、どうも決定論的、神秘主義の色が強くて合わない。これが「直観主義」にかかる形容ではなく、ポアンカレ本人にかかる形容である事を祈る。 最後の方で登場したポアンカレが言うところの極端な相対主義を展開するル・ロア(Le Roy)が気になった。
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