なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか の商品レビュー
「記憶は、気に入ったところに寝そべる犬みたいなものだ」 暗闇のなかの閃光―いちばん古い記憶 匂いと記憶 昨日の記録 心のなかのフラッシュバルブ 「なぜ私たちは、逆方向にではなく順方向に思い出すのか」 フネスとシェレシェフスキーの絶対的記憶力 障害の利点―サヴァン症候群 チェッカー...
「記憶は、気に入ったところに寝そべる犬みたいなものだ」 暗闇のなかの閃光―いちばん古い記憶 匂いと記憶 昨日の記録 心のなかのフラッシュバルブ 「なぜ私たちは、逆方向にではなく順方向に思い出すのか」 フネスとシェレシェフスキーの絶対的記憶力 障害の利点―サヴァン症候群 チェッカー名人の記憶力―トン・サイブラントとの対話 トラウマと記憶―デムヤンユクの場合 ワグナー夫妻―四五年間の結婚生活 「楕円形の鏡のなかを私たちへドライブする」―既視感体験について 回顧録 なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 忘却 私は自分の人生が目の前にぱっと現れるのを見た」 記憶から―「静物と肖像」
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本書では・なぜ人は1歳までの記憶を持っていないのか?・なぜ、匂いの記憶は鮮烈なのか?・サバンの記憶方法は?・なぜ、年を取ると時間が経つのが速くなるのか?といった、記憶に関する良くある疑問に解を与えようとしている。が、実際には何一つ確定的結論は無く、欲求不満が残る。
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①加速する理由は? ・加齢とともに記憶の中身が単調だから ・若いころは新しい経験が多く、理解力が活発で、記憶もしっかりしている ②気づき ・幼児期健忘は、未成熟な神経が原因と考えられてきたが、実際には、子供は非常に早くから多くのことを覚えられる(ハードではなく、ソフトの解放) ・生後18か月の私を認識する ・熱があるときは時間がゆっくり経過すると感じる ・4℃の海で泳ぐと時間が速く経過すると感じる
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[ 内容 ] 子ども時代の長く、けだるい夏はどこへいってしまったのだろう? 年をとるにつれて、なぜ時間はスピードを上げ、私たちから逃げていくように思えるのだろう? 老年になると、なぜ遠い昔の出来事がまるで昨日のことのように、鮮やかに蘇ってくるのだろう? 既視感“デジャ・ヴュ”、臨死体験、サヴァンの驚くべき記憶力、極度のトラウマが記憶想起に与える影響など、記憶にまつわる不思議な現象を解き明かした。 脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険。 [ 目次 ] 「記憶は、気に入ったところに寝そべる犬みたいなものだ」 暗闇のなかの閃光―いちばん古い記憶 匂いと記憶 昨日の記録 心のなかのフラッシュバルブ 「なぜ私たちは、逆方向にではなく順方向に思い出すのか」 フネスとシェレシェフスキーの絶対的記憶力 障害の利点―サヴァン症候群 チェッカー名人の記憶力―トン・サイブラントとの対話 トラウマと記憶―デムヤンユクの場合 ワグナー夫妻―四五年間の結婚生活 「楕円形の鏡のなかを私たちへドライブする」―既視感体験について 回顧録 なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 忘却 私は自分の人生が目の前にぱっと現れるのを見た」 記憶から―「静物と肖像」 なぜ人は1歳までの記憶がないのか? 匂いの記憶はなぜ鮮烈なのか? 屈辱的な出来事の記憶はなぜ鮮明で、顔を赤らめる自分の姿まで見えるのか? サヴァンはどのように記憶するのか? 脳科学を超えた記憶にまつわる知の冒険!! [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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好きなタイプの本。良書。タイトルは内容のホンの一部。記憶と心理を巡る科学史、として面白く読めた。本書であげられるその他の疑問は、 ・死ぬ前にみる走馬灯のイメージとは一体なんなのか? ・デジャヴは何故おこるのか? ・カレンダー計算者はどのように曜日を言い当てているのか? ・子供の頃から青年期の記憶はなぜ鮮明なのか? ・完全な記憶力とはどのようなものなのか? 特に「完全な記憶」に関するボルヘスの創作と実在した頭脳との類似は非常に示唆に富む。 ちなみにタイトルの問いに対する答えは、「10歳の1年は人生の10分の1だが、70歳の1年は70分の1」という良く耳にする俗説は誤りだとされている。答えはいくつかあるが、体内時計が年齢とともに変化すること、若年期には印象に残る「初体験エピソード」が多く、そのため記憶の目印が多いが、年とともにそうした体験=記憶の目印が減り、単調な生活となって「後から思い出すと速く過ぎる」印象を与える。目配りのいいことに、「今週はあっというまだった」=「1年は意外と長かった」(その逆も可)という関係は本書の中でも指摘されている。
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No.535 心理学は奥が深い。時間の捉え方にも、心は大きく影響する。 エビングハウスの忘却曲線の解説があった。 サヴァン症候群の解説が分かり易かた。例えば写真のような風景画を描くひと。正確な輪郭を記憶だけで鉛筆一本で表現することはできるが、その絵に柔らかさとか表現力を広げること...
No.535 心理学は奥が深い。時間の捉え方にも、心は大きく影響する。 エビングハウスの忘却曲線の解説があった。 サヴァン症候群の解説が分かり易かた。例えば写真のような風景画を描くひと。正確な輪郭を記憶だけで鉛筆一本で表現することはできるが、その絵に柔らかさとか表現力を広げることはできない。人の顔は覚えられないという。それは変化に富むから。連続性を認知できないため、個人を特定できない。
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「なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか」と言うタイトルはこの本の全体の指標ではなく、副題の「記憶と時間の心理学」がむしろ主題としてしっくり来る内容だった。 世界中の心理学、精神分析、文学などの大量の研究データを引用した、かなり学術色の強い本。例えば「一番古い記憶」という研究テ...
「なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか」と言うタイトルはこの本の全体の指標ではなく、副題の「記憶と時間の心理学」がむしろ主題としてしっくり来る内容だった。 世界中の心理学、精神分析、文学などの大量の研究データを引用した、かなり学術色の強い本。例えば「一番古い記憶」という研究テーマに関しても、ユングを始め様々な前人たちの多角度からの説を「こういう意見もある、それに対してこういう疑問を持って研究した人も居る」という体で展開して行き、どの説が正しいと言い切ることもない。 データの取り方の記述が詳細で本題に辿り着くのに時間が掛る為読むのに骨が折れるが、苦労の甲斐あって目からウロコの研究結果を沢山目にすることができた。再読は…ないかな。
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記憶にまつわるメカニズムを考察した抜群に面白い本です。著者はオランダの心理学史教授。一番古い記憶、匂いと記憶、サヴァン症候群、デジャブ、認知症、臨死体験 などについて心理学的、脳科学的な観点から解説していきます。 題名となった一番興味深い設問、「なぜ年をとると時間が速くなるのか...
記憶にまつわるメカニズムを考察した抜群に面白い本です。著者はオランダの心理学史教授。一番古い記憶、匂いと記憶、サヴァン症候群、デジャブ、認知症、臨死体験 などについて心理学的、脳科学的な観点から解説していきます。 題名となった一番興味深い設問、「なぜ年をとると時間が速くなるのか」については、3つの色々な説が紹介されます。いつまでもくっきり見える細かい部分は、実際にはずっと近くにあるという印象を与える望遠鏡効果、年をとると若いころのことを連想しがちになる、レミニセンス効果、老化により体の中の体内時計はゆっくりと時を刻むようになりその分時間がたつのが短く感じられる、生理時計の影響。 著者の見解は、レミニセンス効果と、生理時計です。 過去の色々な事故、実験、症例、文学作品から、興味深い話が紹介されますが、一番心を打ったのは、夫の死後、老人ホームで暮らしてきた、アルツハイマーを患った83歳の女性の手紙です。 亡くなったことも覚えていない、夫に手紙を書きます。 「ご承知のように、私たちはアルフェンの昔のお仲間と、休暇でここデンヘルデルに来ています。そして、ここでみんないっしょにすてきな1週間を過ごすつもりです。ちょうどいま、あなたと離れ離れでいるのはとても悲しいと思っていたところです。最後にはまた何もかもがうまくいきますように。 私はアルファンの、昔のお仲間と一緒に、ここデンヘルデルにきています。最後には何もかもがうまくいきますように。 だって、こんなふうに離れ離れになるのはとても悲しかったので。そんなことになるとは思っていませんでした。 ここにはお仲間がたくさんいます。ただ、あんなに冷たく別れを告げたのは、悲しいと思っただけです。 家に帰ったら、また何もかもがうまくいきますように。こんなふうに離れていなくてもいけないなんて、悲しかった。ここはみんなといっしょで、とてもいいです。もう、あまり書くことがありません。ただ、家に帰ったら、私たちがもっと仲良くなれますように。ここはみんなといっしょで、とてもいいです。 それでは、愛するあなた、もうあまり書くことがありません。そして、一週間したら家に帰ります。また、その時には、私たちが仲良しでありますように。それでは、愛するあなた、いつもあなたのことを思っています。本当に。大きなキスを。」 記憶の窓が小さくなり、反復に次ぐ反復の手紙です。それでも夫への思いは消えません。
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割と専門的。そしてそんなになぞは解き明かされず、さらに深まっていく…興味深い考察がたっぷりあるが「で、結論は?」というと結局闇の中。諸説あるのだなというのが現時点での結論か。
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